あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

図書館カフェについての覚書

 くだらない記事を書いてたら急にPCの調子が悪くなって再起動とかしてるうちに「めんどくせえ」とか思っているうちにまた図書館と子供の話題で何やら騒ぎが起きているので一応思うことを書いておきます。

 

 なお、この記事の主旨は「学校図書館でのカフェの是非」ではありません。全体として言いたいことは「クリエイティブスクールと呼ばれるものなどの存在意義」についてです。

 

soar-world.com

 

 この記事だけだと、確かに「図書館で飲食なんてけしからん!」とか「静かな図書館を返して!」って反応が出てもおかしくないなあと思いました。実際、自分もさらっと読んで「保健室と図書館の役割のドッキングかな」と思いました。だから、しんざきさんの記事みたいな反応があってもおかしくないし、それに同調する人もたくさんいて当たり前だと思います。

 

mubou.seesaa.net

 

 しかし、同じことを書いているこちらの記事を読めばまた違う側面が見えてくるわけで。個人的にこちらの記事の方が問題点がわかりやすくてよいと思います。

 

morinooto.jp

 

 前者と後者の記事の違いは、冒頭に楽しそうな生徒の様子を持って来ているかいきなりこのカフェの設立の生々しい話を始めるかと言ったところでしょうか。後者の記事は一貫して「この支援の理由」を全面に出しているのに対して、前者の記事は生徒の困難についてイマイチ踏み込めていない感じがします。この記者の書き方が特別悪いとは思わないのですが、想定外は「こういう支援が必要な子供」に対する世間の無理解について甘く見ていたということでしょうか。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 貧困JK問題でも書いたけど、困窮家庭についてリアリティたっぷりに報道すると「かねのないおれたちかわいそう」「おまえらのじごうじとく」「かねのないおれたちにめぐめ」「じごうじとくはだまってろ」の地獄しかない。そしてこの問題がお金だけじゃなくて教育機会とか文化資本とかそういう話になると、更に地獄絵図は炎上していく。

 

 すごくビビる話をすると、10歳くらいの子供でも「10円玉が10枚で100円玉と交換できる」「100円玉が10枚で千円札と交換できる」がわかっていて「10×10=100」「100×10=1000」が理解できないということもある。こうなる背景に「勉強=暗記」という脅迫概念があって、彼らは「10円玉が10枚で100円玉と交換できる」ということを覚えることで精いっぱいで「10をかけるとゼロがひとつ増える」というような法則や抽象的なことまで頭に入っていないのです。

 

anond.hatelabo.jp

 

 この増田で語られたことはおそらく誇張でもなんでもなく、この彼氏がそういう計算ができない人だったのだろうと思う。数の大小はわかるので、とりあえず多目に払っておけばいいだろうみたいになって小銭がじゃらじゃらするけど、小銭を管理することができないので頭にきて捨ててしまう。何だかんだと理由をつけていても、彼にとって小銭とは理解不能なもので、目の前にあるだけでも憎たらしい存在だったのではないだろうか。

 

 ちなみにそういう子は九九を「2が3つあるから6」のように理解しているのではなく「にさんがろく」という言葉を丸暗記している可能性もあります。そういう子は文章題がさっぱり出来ないので、不安に思った親御さんは「飴を一人4つずつ5人に配ったらいくつ必要かな」など簡単な文章題を出してみよう。素直に「わからない」と言うより「何で家で算数やらなきゃいけないの」などと逆ギレのような反応をしてくるのが危険なサインです。学校でもそのように先生の話を全部聞き流している可能性があります。本人を叱ることなく、かと言って一人で抱え込まずに学校や相談機関を頼りましょう。

 

 これだけ読むと「なんでそんな簡単なことも理解できないんだろう」と不思議に思う方のほうが多いでしょう。でも「理解できないものは理解できない」のです。逆上がりできない人は逆上がりできないし、泳げない人は泳げないのです。「体育の時間惨めになった」という話はネットでは大人気ですが、このような初歩の学習でつまずいて苦しかったという話はあまり出てきません。そういう人はネットでうまく話をすることも難しいのでしょう。

 

 もっと根本まで行くと、「人と話す時は顔を上げよう」とか「あいさつはきちんとしよう」とか「ご飯を食べたら後片付けをしよう」とか「何かを尋ねられたらハイかイイエを言いましょう」とか「人の悪口を言わないようにしましょう」とか、そういったことも「できない」子が存在します。この辺になってくると発達障害とか知的障害も絡んでくるけれど、ある程度までは家庭のカバーで何とかなります。問題は家庭のカバーが全く期待できない場合で、貧困家庭で忙しくて放置というものや親の根本的な無理解で虐待に発展しているものなど様々なケースで「追わなくていいハンデ」を背負ってしまった子供たちも存在しているのです。

 

 この辺の肌感覚はいわゆる「普通」の感覚を持っていてはわかりにくいだろうけど、例えば東大生の中に一人だけ混ざって学術的な会話に参加しろと言われたりオリンピックの強化合宿に一人だけ参加させられたりというようなシチュエーションを想像してもらえればわかりやすいかと思う。大体は小さくなっておどおどしてしまったり、「おれはどうせバカだ、運動音痴だ」と開き直るかのどちらかではないだろうか。そんなことが日常生活で起きているのが「彼ら」であり、そんな彼らを受け入れているのがクリエイティブスクールというわけです。

 

tsusinsei-guide.net

 

 世間の誤解として「不登校=いじめられた」という図式がありますが、実は不登校になる要因として「いじめ」というのは件数としてはそれほどではありません。ただいじめ自殺や不登校などがセンセーショナルに語られがちなので大きく見えてしまうのでしょう。こう書くと「いじめが矮小な問題だと言うのか!」という意見が出てくると思うので先に書いておくと「いじめの悪質さと不登校の全体の要因はまた別」ということを踏まえてほしいという話です。いじめはダメゼッタイだけど解決には個々のケースの幅があるので一概に語れないということは押さえておいてほしいと思うのです。だから「いじめはいじめられるほうに原因がある」「いじめはいじめる方が絶対悪い」という二元論は一度捨てたほうが様々なものの見方ができると思うんだけどなぁという感じです。かなりケースバイケースだよいじめなんて。

 

平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(速報値)について

不登校の要因の統計が面白い。不登校の主な要因はいじめではなく「家庭の問題」「学業不振」「いじめではない友人関係」。特に小学生は家庭問題が6割近い。

2017/02/13 10:54

 

 ちなみに「いじめではない友人関係」とは「クラスの明るい子が大声を出すのが怖い」とか「喧嘩して謝るのが気まずいから行かない」とかそういう奴です。担任が無能でいじめにカウントするべきものをカウントしていない可能性もありますが。

 

 ただ、「学校に行けない」の理由として対人関係と同じくらい「己の能力の無さ」に絶望している子供も多いということを忘れないでほしいなあと思うのです。そういった子供の居場所を作るのがクリエイティブスクールであり、ぴっかりカフェであってほしいと思っているのです。

 

 ちなみに「居場所」というのは「全信頼を預けられる関係性」という意味です。常に誰かに否定されるんじゃないか、ここにいてはいけないと言われるのではないかと不安に思っている子に「そんなことないからおいでよ」とにこにこ言えるような存在があって、初めてそこが「居場所」になります。そしてそんな居場所を作るにはかなりの精神力が必要です。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 ここでも書いたけど、「居場所」を作るには忍耐と覚悟が必要です。見返りが欲しいとか子供が更正しないとか、そういうことを思ってもダメなのがこの活動のポイントでしょう。活動する側が手をかけて、それでよくなってくれたらラッキーくらいの感じで手をかけていかないと真面目な人ほど潰れるのがこういう活動だと思っています。しかし決して不真面目にやろうというわけではないです。念のため。

 

 では、学校図書館を「居場所」にする意義はなんでしょうか。最大の理由は「常に誰かいる」と言うところだと思います。ただカフェをするだけなら特別教室や空き教室でも十分だという意見もあるでしょうが、特設会場ではなく「常駐している大人がいる」という環境がこの場合大切だと思うのです。

 

松田さん:図書館は、いろいろな情報を得るためのメディアをそろえるところでしょう。そのひとつとして「人」があると思っているのね。本を開けばすぐに別の場所につながるように、人との出会いで新しい価値観に出会う。図書館は外部に開く「窓」のようなものだと思って運営しているから、図書館がカフェであることにまったく違和感がないんですよね。

教室に居場所がないなら、図書館カフェにおいで。田奈高校にある「ぴっかりカフェ」は生徒が安心できる校内の居場所 | soar(ソア)

 

 批判意見で挙げられた「本を一人で静かに読みたいのに」というのも、本の中に「全信頼を預けられる関係性」を構築したからそれを邪魔されたくないというもので、人に信頼を預けるか本に信頼を預けるかという違いはあっても「信頼関係を築く」という意味では変わりないものだと思います。

 

 すごくぶっちゃけてしまえば「それでも静かな図書館を望む子だっている」という意見には「そもそもこういう高校でわざわざ読書をしに図書館へ来るという発想の子はあまりいない」というか「図書館で本を読んだり勉強する」という発想すらない子もかなり多いというか。「本を読むスキルのない子」だって小数派ではないと思う。「図書館を居場所にする」という発想のある子はこのカフェの対象とするところではないのだろう。

 

 それに個人的な意見になるけど、「いつも一人で静かにしていたい」というのも確かにわかる。だけど、やはり社会とつながるために様々な人と関わりを持ってもらいたい。逃げ場所が確保されているのを前提として、時にはやはり苦手な人と関わる練習もしなくてはいけないのではないだろうか。それが苦痛であるといっても、自転車に乗る練習をするのに転ぶからイヤだとか泳ぐ練習をするのに苦しいのはイヤだとか言っていてはいつまでも練習にならない。若いうちだからこそ、一通りそういう経験もしておいた方がいいと思う。大人になってもダメなものはダメだったらそれは好きにしてもいいと思うけど、そういう練習の機会を「本人が嫌だと言っているから」で無駄にするのも何だかなあとは思うのです。学校ってそういう意義のあるものだと思ってるんだけど、最近は変なシステムと価値観のアップデートがうまくいっていないところがあって誤作動起こしてるなあとは思っている。

 

 ひとえに「これはダメ」とか「これは絶対」と言えるものはないのがこの世界。線引きできるものと言ったら完全に倫理や法律に関わるもの*1くらいではないだろうか。それ以外はいっぱい練習して、いっぱい転んでもらったらいいと思う。そうしたら起き上がる方法も自分で見つけることが出来るだろうし、周りも転んでいることがわかれば痛みに絶望することもないだろう。

 

図書館カフェはウェーイの侵略じゃないってばよ? - Togetter

鎌倉の図書館ツイートのときもそうだったけど、こういうデリケートな子供の支援らしいものは安易に「絶賛」とか「否定」しないほうがいいし、今回は多分元記事の方の人がよく理解してなかったんだと思う。

2018/01/16 08:55

 

 とりあえずこういう話題のときは安易に「素晴らしい!」とか「ダメだ!」とか言わないでその活動の背景には何があるのかをしっかり見てほしい。否定意見より怖いのはよくわかってないで放たれる絶賛意見だ。理由があって行われていることの「理由」をすっ飛ばして「ウケているから」と外面だけ真似ようという連中が出てこないとも限らない。この活動に関してはそうそう真似のできることではないから大丈夫だとは思うけど、結局「誰のために絶賛or批判をするのか」を考えてほしいなぁとは思う。「私が図書館のお世話になったから」ではなく支援の必要な子供のことを考えて、何が彼らのためになるのかを考えて拡散させてほしいなぁと思う。教育問題って誰でも語れそうだから炎上しやすいみたいな話があったけど、今回の件で本当にそうだなぁと思いました。おしまいです。

 

 

*1:窃盗やあきらかないじめなど

増田関連の雑感

〇年明けから「お?」と思っていることをメモしておいたら予想外の反響があったのだけれど完全に考察までたどり着いていなかったので(最後雑だし)もう少しグダグダ考える。考えながら書くのでまとまりが全然ない。なお増田の文脈がある程度わかっている人じゃないとついていけない話があるかもしれないので「増田とは」という人は適当にググっておいてください。あと非常に不毛な話なのでギガが減ると思った人はここで帰ってください、マジで。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

〇最初は増田ウォッチャー向けの記事だったのでブクマが集まっても30くらいを想定していました。でも想定よりも増田を定期的に見ている人やこの変容に気が付いていた人が多かったのが意外でした。ブコメに表れてなくてもTwitter上で「増田ってやっぱり変わってるよね」みたいな意見が見れたのもよかったです。もう増田は増田内で完結するような閉鎖的な環境じゃあないです。

 

〇要は「増田が匿名性関係なくテキスト置き場と化している」ということがメインだったのですが、記事の中でも触れたとおり「必ずしも匿名」であることが大事というわけでもなく、過去に名乗り出ている増田とか自分の書いた記事をセルクマしている人もいるのでまぁまぁアリだとは思っている。ただ、今回の事例の「はてな匿名ダイアリー」という呼称を知っていて、それでも最初から名乗り出るつもりでアカウントを作ってTwitterのみひも付けてやりとりするっているのは初めて見た気がするんですよ。

 

〇いろんな捉え方があると思うけど、増田の特徴として「書き捨て」というものがあったと思う。追記芸なんていうのも最近になって出てきたようなもので、基本的に増田は「誰が」よりも「何を」に重きを置く構造になっていたと思う。だからこそバズる奴はバズるし、平凡なものは見向きもされない。そう言えばさっきの例には出さなかったけど、増田でバズってはてなブログはじめてライターの仕事してる人もいたっけ……。

 

〇そうなったとき、増田で追記をして「お読みいただきありがとうございます」ならまだ話はわかるのだけれど、そこをガン無視してTwitterで「お読みいただきありがとうございます」とリプライ飛ばしまくるのはどういう意図なのだろうと思うわけで。ブコメにも出ていた「長文スクショの代替」「個人ブログは面倒くさい」という意見は鋭いと思った。

 

〇「長文スクショの代替」に関して、そもそもの「長文スクショ」がごく最近生まれた文化で「Twitter上で140字以上のことを伝えたいときにスマホのメモ帳に文章を書いてスクリーンショットで画像にする」行為はバズを生みやすい一方「過度な美談やいわゆる嘘松の温床」というイメージがあって忌避されやすい手段と認知されている変な文化だ。実際に長文スクショというものを見てみると確かに「お年寄りに席を譲らなかった奴を懲らしめた」「意地悪な上司をギャフンと言わせた」というような武勇伝めいた話が多い。または「飛行機で黒人が隣に座って気持ち悪いと騒ぐおばちゃんに対して、黒人をファーストクラスに移動させる策をとった」的な良い話ネットロアもあって、この辺のことを語ると「facebookのイイネ拡散」とか「ゲーセンであった女の子」とか、遡ると「一杯のかけそば」にまで話が広がるので一回止めにする。

 

〇もうひとつの「個人ブログは面倒くさい」というものがかなり本質をついていると思う。すごーく煽るような書き方をするならば、「若者にとってブログはおっさんのモノ」なのかもしれない。2000年代初頭まで幅を利かせていたテキストサイト2ちゃんねる的な文化はブログやmixiの出現でかなり変わった。2000年代中盤から「のまネコ騒動」「電車男」などでいわゆる「2ちゃんねる的な文化(AAや独特のスラング、名無しさんなど匿名の書き込み)」も人口に膾炙し、いわゆる「オタク」だけでなく「普通の人」もネット文化に親しむようになったのがこの頃だと思う。そんな普通の人が集まったのが「ブログ」をはじめとした個人の日記サイトや「mixi」「魔法のiらんど」「前略プロフ」などの当時の各種SNS的なものだった。

 

〇で、今が何年かというと2018年ですよ。来年で平成の世も終わるんですよ。あれから10年くらい。ネットの情勢も変わるし、あの頃あんなに持て囃された「ブログ」も意味を変えていくわけです。あの頃「もはや2ちゃんはダサイ」という空気があったように、この2018年の世の中も「ブログはダサイ」という価値観が蔓延していてもおかしくはない。

 

anond.hatelabo.jp

 

〇この増田を見て「ブログはダサイ」論が更に補強されたような気がする。ブログ黎明期の「何でも書いていいんだ!」という空気は残されておらず、今や「ブログ 書き方」で検索すると頭が痛くなるような記事がずらっと列挙されている始末。「初心者でも1000文字書ける方法」って何なんだ……?そもそも「ブログ=ウェブログ(web上の記録)」であって、「記録の初心者」って何なんだとも思うし、そう言った「文章の書き方教えますよ!」的な記事が支離滅裂なことを言っている事例は後を立たない。例えば「サービスを運営していると、最適な文章を書く事も多いです」と謎な書き出しをしていたり、「明るく、ポジティブな気持ちで書くことがポイント」と断言していたり……この辺はさっき話題になっていた「美容液で細胞壁が柔らかくなる」という話に通じているのかなと思う。大体の人は呆れるけれど、そこで「すごいですねー」と思う人だけを引き上げるというか、搾り取ると言うか、なんというか……。

 

〇ブログ黎明期の閲覧者数なんてたかが知れていたけれど、一億総SNS時代になったわけでTwitterでも毎日数万RTが当たり前の世界になった。それが当たり前になると「閲覧者数4」とかのブログはもはや廃墟と言ってもいいのかもしれない。かつてのmixi魔法のiらんど前略プロフ、各種ブログサービスの「自分好みにカスタマイズできるぞ」というのも大した承認欲求にはならず、きせかえ機能やトラックバック、カテゴリ内でのつながりよりも「閲覧数」「反響数」にシフトしたのが現在なんじゃないかと思ってる。はてなブログの特徴として「ブログカテゴリを設けていない」ところがあると思っている。他のサービスでは「主にどんな記事を書く予定ですか」ということを最初に聞かれるけどはてなブログは開設してからグループに所属するという流れになっている。その代わり写真ブログにいいレイアウトとかそういうのを準備していて、他のサービスと差別化を図っているなあと思うのです。ちなみにこの文章書いてる人はなんではてなブログで書いているかと言うと、この編集画面のUIが他のブログサービスより好きだからです。もっさりしてなくていいね、といつも思っています。

 

〇そんなわけで「はてなブログでやってる=SEO対策、マネタイズ!」みたいに捉える層から「読者数もPVも低いのに」と言われることがあるけれど「いや、本質はそこじゃねえだろ」と思うわけで。「読者数900人の人はすごいから問答無用で書いてあること信じるけど、読者数200前後とか増田とかはお金にならないから言及しないよペッ」みたいな人も世の中にはいるのでね……いやマジで*1

 

〇増田の話に戻ってくると、閲覧数こそ出ないものの良いものに対する反応は確実に返ってくる媒体は今のネット社会においてありがたいのではないだろうか。個人のブログは書いても本当に反応が返ってこないし、ぶっちゃけカクヨムも積極的に宣伝をしなければ何の反応も返ってこない場所だった。「良いものだから評価される」とは限らないというのがこの時代のネット社会なのかもしれない。だけど、「はてな匿名ダイアリー」はほぼ全文を定期的にウォッチしている人がいて、興味深いものは取り上げて話題にしているという稀有なサービスなのかもしれない。せっかくだから久しぶりに昔書いたカクヨムの宣伝を久しぶりにしてみる。「左の目玉」名義で書いてみた奴。今読むとなかなかエグイ。

 

水晶体奇譚(左の目玉) - カクヨム

 

〇別に増田がテキスト置き場になることが嫌というわけではない。ただ、増田を「はてブロ」などと呼称して本来のはてなブログの存在意義が揺らいだり匿名性を理解しないで「増田に書きました~バズりました~」なんて堂々とひも付けた記事が量産されると「それは違うだろう」とは思う。それに一番怖いのは増田の構造上成りすまし問題で、パクツイならぬパク増田だって現れるかもしれない。現にもう現れているのかもしれない。怖い怖い。パク増田、今思いついただけなのに我ながら恐ろしい言葉だ。

 

〇なんていうか、全てにおいて一番怖いのは「コンテクストが断絶すること」なんだよね。何故しつこくはてな村はてな村言い続けているのかと言うと、そういう歴史があったことを踏まえていろいろ考えてほしいと思っているからなんだよね。新参だって過去にあった出来事を理解することはできるし、そういう歴史があったから今の状況があるということを大切にしてほしい。「昔あったことなんか知らねーよバカ」と言われても、「そういう文脈でこの言葉は使われている」ということは考えていきたいと思うし、書いていきたい。

 

〇そんなわけで個人的にすごく嫌なことは「言葉は生きている」っていうのを「変容した」という意味ではなく「昔の意味を知らないのは当たり前なんだから誤用と騒ぐのは老害」みたいな意味で使われることかな。単純に「へー昔はそういう意味だったんだ」でいいのに、「間違った使い方されてるみたいに言われて不快だけど、俺は悪くない」みたいな開き直りを感じて居心地が悪いと言うか、なんというか。偏見だけどこういう言説をするのはブログでSEO対策とかマネタイズに熱心な人というイメージがあって、そうじゃない人もたくさんいるのはわかってるけどやっぱり事象に対して誠実じゃない感じがするんだよね。つまり胡散臭い。

 

〇この他に増田が変わったなあと強く思ったのが「京都のゴミ大学」にマジレスブコメが集まっていたときかなぁ。「京都のゴミ大学」はNettouochiさんが定期的に回収しているので真剣に集めてはいないけれど、かなり長期にわたって増田に現れているキャラクターだ。すっごく昔の話だけど、まだ高校3年生で増田連載(?)が始まったばかりのころ彼にマジレストラバを送った思い出があって何だか思い入れがあるキャラなんだよね。定期的に増田をウォッチしていれば彼の存在は暗黙の了解のようなところがあるけれど、何も知らなかったら確かに「うわあ」って思うかも。確かこの時は反応を受けて少し凹んだ彼がいたようないなかったような。

 

b.hatena.ne.jp

 

〇増田には他にも低能先生やパンティーなど「コンテクスト」がわかっていないと意味不明な存在であふれている(過去にはニーターパンおじさんとか増田漁業組合とかいましたね)。多分増田ってそういう空間でトラバを飛ばしあったりブクマしたりのハイコンテクスト空間だったんだと思う。それが文脈を踏まえない層がやってきたとき、一体どうなるかは誰にもわからない。それが2018年に起きる増田の変化だということは間違いないと思う。正直昨年末の「俺的2017増田ランキング」とか「俺の今年書いた増田振り返り」みたいなのも個人的に興ざめなんだけどね。漁業組合の釣果報告くらいブクマ稼いでいればわからないでもないんだけど。

 

〇しかし文脈を踏まえないと増田ウォッチャーは務まらないと思う。まずスパムと低能トラバでくじけると思う。多分「増田を見ています」みたいな人の中には低能先生やスパムの存在を知らない人も多い気がする。実際彼らはノイズでしかないと言えばそうなんだけど、増田を構成する大事なメンバーと言えばそうだと思うし。スパムですら「を書を書」と可愛がってもらえているのすごいと思ってる。

 

〇なんか書こうと思えば無限に書ける気がしてきたからこの辺でやめておこう。何にもまとまっていないので誰かまとめてほしい。事象はバンバン出てくるんだけどいつも「つまりだから何だ」が弱いのが悪いところなのかもしれない。今年は気をつけよう。

 

*1:個人的に衝撃すぎて忘れられない出来事になっている。

増田の概念が溶けていく

 お正月も終わって成人式にセンター試験という時期です。おもちおいしいです。ふとります。

 

 さて、年末から吹き上がっているガキ使問題について「元々の笑ってはいけないから随分とコンセプト変わってきたよなあ」と思っていることを書こうと思っていたけれど、増田の意味がどうも変容してるんじゃないかという事案にぶち当たったのでまとめておきます。以下、この文章は「増田の誤用」を叩くものではなく「はてな匿名ダイアリー」という場所がまたひとつ変化をしたという記録だと思ってください。

 

はてな匿名ダイアリー(増田)とは何か

 その前に前提知識を。

・はてな匿名ダイアリー

「名前を隠して楽しく日記」がウリの、匿名で日記が書けるサービス。アノニマスダイアリー→アノニマスダ→アノニ増田→増田ということで通称は「増田」。そしてこういうことを書くとブコメに必ず「増田ってそういう意味だったんですね」みたいなことを書く奴が現れやすい。

・はてなブログ

株式会社はてなが運営するブログサービス。お洒落なデザインや検索に強いなどの特徴があり、他サービスに比べてかなりアクの強い仕様となっている。

・はてなダイアリー

株式会社はてなが運営していたブログサービス。最近新規開設ができなくなったことで話題になった。

・増田の誤用

数年前からブックマークコメント欄で明らかにはてな匿名ダイアリーを対象としていないのに「増田」という言葉を使う事案を観測している。どうも誤用の背景には「増田」という言葉と「はてな匿名ダイアリー」が結びつきにくいため、勝手に誤用している人の中で「何やら書いている人」「おまいら」くらいの意味で使っている可能性が高いです。

 

 以上を踏まえて、増田の誤用に興味のある人はどうぞ。

 

はてな「匿名」ダイアリーが匿名でなくなる?

 実は数日前から「はてな匿名ダイアリー」を「はてなダイアリー」「はてなブログ」と呼称する案件が立て続けに発生している。観測範囲で初めて出会ったのはこの増田。

  

anond.hatelabo.jp

 

 ブコメにも書いた通り、この増田の1行目を見て「まさかどっかのはてなブログのコピペでもしたのか」と思って軽くググッたのだけど、そういうわけではなさそうだった。それに自身のブログなのに「変な書き方になったらごめん」というのも不自然なので、やはりこの増田を書いた本人が「はてな匿名ダイアリー」を「はてなブログ」と認識して書き込んでしまったのだろうということだろう。

 

 このくらいだったら「誤字かな?」くらいだったのだけれど、そのすぐ後にこんなツイートを見つけた。

 

 

 リンク先の増田はそこそこブクマが集まっていた模様。

 

anond.hatelabo.jp

 

 ただ、この増田で非常に気になる点が最後のほうに出てきて、

 

その辺は前に書いたブログでも読んでほしい(宣伝)

 

 そしてリンク先に飛ぶとやはりそこそこブクマを集める増田が。

 

anond.hatelabo.jp

 

 この事例で気になることが3点あって、「増田をはてブロと呼称したこと」「以前に書いた増田を『ブログ』と呼称したこと」と、一番気になったのがTwitterで筆者であることを明かして拡散させる」というところです。ただこの筆者の場合「匿名性の意味とは」と言及しているので「増田=匿名」の法則は知っていてやっているのでまだよいのかなぁという感じです。

 

増田でやらずにTwitterでやる

 さて、この一連の流れの決定打がそこそこバズったこちらの増田。

 

anond.hatelabo.jp

 

 これ、内容としては「いかにも増田らしい増田」なんだけど、この増田のバズり方がかなり異質なので記録として残しておきたいと思う。あとこの増田に「文章長い」というツッコミが多かったのでそこを補足しておくと、「医学部辛いから舐めんな」という内容ならば具体的に「どこのどういう部分が辛いのか」というところを書かないとさっぱり説得力がない。ただ自身の精神論が展開されるだけで説得力がないので突っ込まれる。そういうところだと思う。何かを訴える文章を書くときは具体例を必ず適切なものに設定して盛り込むことが重要だね。

 

 ただ、この増田が他のバズった増田と違う点はそのバズの成り立ち。実はこの増田をはじめてブクマしたのは自分だけど増田を全部読みこんでいて見つけたわけじゃなくて、Twitter上で「#拡散希望」されてるのを見つけて飛んでったというなかなか珍しい状況でした。余談になるけど、Twitterで「anond」で検索を書けると今バズってる増田の他に過去の増田に対してあーだこーだ言ってる奴とかはてなアカウントない人のカジュアルな意見とか見られるので非常に面白いです。

 

 

 これだけなら「増田にセルクマと何が違うんだ」になるのですが、この方のこの後の動向が今まであまり見受けられないものだったので非常に心に残りました。

 

かなし医(ギムザ) (@m_giemsa) | Twitter

 

 どうもツイートしているところから見ると「Twitterアカウントをとる」→「増田を書く」→「拡散希望ツイート」→「Twitter上で律儀にリプライ&言及をRT」と最初から増田に書く意味がわからない行動をとっているのです。「それ、自分のブログサービス作ってやっちゃダメなの?」というところで違和感MAXなわけです。

 

 この手のことを増田でやることのデメリットは、匿名ブログサービスであるため自身の証明が出来ないということです。大変悪質なことを考えてしまうと「誰かの書いた増田を見て『これは自分のことを言っているに違いない!』と思い込んで誰かの増田を乗っ取る形で現れた」なんて見方もできなくはない。現にこの増田の行為自体に言及しているトラバもある。

 

anond.hatelabo.jp

 

 この一連の行動で不審な点をいくつか挙げるとこんなところです。

 

・この増田を書きたくてTwitterアカウント(&はてなも?)を取得したらしい

 初めてのツイートの次が拡散希望ツイートで、時間がちょうど半日と何だかリアルな時間である。

・増田に書いたことを報告するツイートで拡散希望

 この辺は「匿名」の意味の拡大が招いていることだと思うけど、増田の最大の特徴は記事自体に識別できるヒモがついていないことなのにその良さを殺しているのが気になるところ。適当なブログサービスで十分なのであるが。増田の呼称を知っているのに何故増田でやったんだろう?

Twitter上の感想には律儀にリプライ&RT&いいね

 基本的に「お読みいただきありがとうございます」「文章が下手ですみません」というリプライやRTを大量にしている。しかしその内容も肝心の「医学部辛い舐めんな」っていう話にしてはすごーくふんわりしているというかなんというか……。

しかし肝心の増田に追記はない

 すごく不安になるんだけど、この人トラバやブコメ欄を知らないのでは……? こんだけ反響があってTwitterでひも付きの発言になっているのに追記がないのはかなり不自然。でも「増田」っていう呼称は知ってるんだよなぁ……?

 

 この辺のことから導き出せることは、「この人にとって最初から増田は匿名ダイアリーではなくただの文章置き場でしかなかった」ということらしい。つまり「増田に書いてトラバやブコメの意見を聞く」ということをこの人は全部Twitterで済ませていて、増田という場所を生かせていない。個人的に「Twitterで返信しているのにトラバやブコメには返信しないの……?」というのがかなり不安になる。

 

 また、この人のTLにこの増田を指して「はてなダイアリー」という記述も見かけて、なんかもう好き勝手呼んでくれよという思いであります。

  

増田が匿名でなくなるとき

 実はこういった「増田が匿名でなくなるとき」というのはたまに起こっている。一番顕著な例はやはり「保育園落ちた」の人のTwitterアカウント開設だろうか。この人今現在も待機児童問題についてツイートしていて、一過性のことで済まそうとしていないのが好印象。

 

保育園落ちた人 (@hoikuenochita) | Twitter

 

 後はこんな形でバズった増田を「あれ自分書いたんです」と名乗り出た例も。創作増田の種明かしはやっぱり叩かれるよね……。

 

note.mu

 

blog.edunote.jp

 

 他にも「100字(ブックマークコメントの限界文字数)では言いきれないけどブログやってないから単発で増田へ」なんていう記事もあったり、何故か自分のブログの文章をコピペして「増田ならバズるはずだ」みたいなケースがあったりと、こういった「あの時の増田です」ということ自体は珍しいことではない。ちなみにここでは「すいすいすいようび」「京都のゴミ大学」「ゲーム日記」など文体だけで個体を識別できるような増田は扱いません。

 

まとめ

 今までの種明かし増田と今回紹介した事例の違うところをまとめると以下の通りです。

・今までの種明かし増田

 最初は匿名が前提であったにも関わらず、思わぬ反響にびっくりして名乗り出るパターンだったり、最初から書き捨て前提で名乗って記事を書いていた。

・今回観測した増田

 はてな匿名ダイアリーの最大の要素である「匿名」を飛ばして匿名であることをよく理解していなかったり、「匿名」のことはわかっていても最初から特定のアカウントにひも付けるなど匿名であることの良さをわざわざ殺している。

 

 以上のことから考えられるのが、はてな匿名ダイアリーは既にかなり外に向いているサービスなのではないか」というところです。「保育園落ちた」の頃から薄々は思っていたけれど、それでもまだ「半年ROMれ」の精神がどこかにあったのが増田だと思っていた。ところが年明け以降こういったことが立て続けに見られたということは、いよいよ増田も何らかのステマなどの何らかの勢力が押し寄せてくる可能性が出てきたということです。

 

 つまりですね、いつまでもはてラボ扱いではなく正式サービスにしたっていいんじゃないかとかまた出てきたスパムを何とかしてくれとか京都のゴミ大学にマジレスするブクマが増えたとかすいすいすいようびに意味不明と投げかけるトラバがあるとかそういうこともあるし、何が言いたいかわからなくなってきたけど「増田」という場所がまた変わっていくのだろうなぁということです。そのうち「増田警察です」なんていうのも出てくるかもしれない。恐ろしい恐ろしい。

 

おまけ

 名乗り増田か何なのかわからないけど、名乗り系の増田ではかなり不安度が高いのでこちらで紹介しておきます。詳細はブコメに書いてある通りです。閲覧は自己責任でお願いします。

 

文章を読むのが苦手な人はとりあえずブログでも書いてみてはどうでしょう?

前からいるコピペ野郎(自演かは不明)。これだけ文章下手な奴に何を相談したり習ったりするというのだね……? http://www.inoue311.com/read-a-sentence

2017/11/20 08:32

 

増田で叩かれるには理由がある

 あけましておめでとうございー。今年もよろしくお願いしまー。

 

 そんなわけで今年最初の記事は雑感系にしようと思ってたんだけど新年早々想定外のスピードでぶっ叩かれている増田があったのでそっちの話します。この記事では「古文漢文の是非」というより「なんでこの増田がぶっ叩かれたか」の話がメインです。古文漢文の話は後半で気が向いたらします。

 

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タイトルが圧倒的に悪い

 本文を読めば増田は「国公立大学に入るために古文漢文を履修することは不合理だ」ということが言いたいらしいけど、タイトルでかなり煽ってる。「~だろうか」と問いかけがあればその後にきちんと書いていなくても「いや、~ではない」という意味が続くという「反語」という表現があることは漢文をきちんと学習していればわかっているはずだ。もしかしたら増田は「古文漢文は本当に必要かどうか」くらいの意味でタイトルをつけたのかもしれないけど、大多数の人は「日本人は古文漢文を学習する必要はないに決まっている」くらいの意味で捉えるだろう。タイトルで「古文漢文は必要ないに決まってる」くらいでーんと明言されていては、そりゃ義務教育で触れたほうがいいくらいの反応はあるだろうさね。ちゃんと答えてほしかったら「受験科目に古文漢文は何故必要か」くらいソフトなものにすればよかったね。煽ったおかげでいっぱい釣れてよかったね。あと「この期に及んで」って言い回しは大体マイナスな表現だからあんまり使わないほうがいいよ。ちなみにこのタイトルの付け方、炎上商法でヘイト集めてるプロブロガー的な人がよく使ってるイメージだね。「〇〇よ、本当の〇〇について教えよう」とか。良い子は真似しちゃダメだよ。

 

例示がとにかく悪い

たとえば、法律に興味があって、東大を出て弁護士になりたい高校生がいたとする。彼らは必死こいて下二段活用やらレ点を覚えて、受験に挑む。受かったら数週間で綺麗さっぱり忘れて生涯思い出すこともないだろう。まぁ、百歩譲ってそれはいいよ。でも、落ちたらどうする? 他の科目は合格点に達していたのに、ただ古文・漢文ができなかったせいで、落ちたらどうする? 本当に法律が好きで、法律について学びたくて、東大に行こうとしたのに、全く関係ない「古文・漢文」のせいで行けない。一流の弁護士になって、社会に貢献したかもしれない。彼の可能性を、人生をダメにしてまで、「古文・漢文」は受験科目として”必要”だと言うのか。英語や数学で落ちたんなら、まだ分かるよ。しょうがない、浪人して一年頑張ろう、って気持ちになれるだろうよ。でもさ、「古文・漢文」なんて死んだ言語で18歳の人生を左右すんなよ。元カレが忘れられなくて新しい恋に進めない女子かよ。国家レベルで失恋引きずるな。

 

 どこから突っ込めばいいのかわからん例示すぎてもうここしか頭に残らなかったんだけど、まず法律勉強したかったら古文に限らず漢文の知識もかなり必要になってくると思うんだ。その理由は、法律の歴史や成り立ちなどを知るためには古い文献を読む必要があるからという明確なもの。だから大学に入ってから学べなどと増田は追記しているみたいだけど、根本的に「俺を納得させろ」という文章に致命的な例示ミスがあればもうそこしか気にならないよねって思う。「古文漢文を学ばなくても法学部に入っていいだろう!」みたいなこと言われたら「いやいやいや」って反応になるじゃん。

 

 あとねー、「彼らは必死こいて下二段活用やらレ点を覚えて、受験に挑む。受かったら数週間で綺麗さっぱり忘れて生涯思い出すこともない」とあるけど、東大受けるような人がそんな勉強をしていると思う? わかりやすいところだととりあえずQさま見て見なよ。東大だの京大だのその他頭のいい人たちは何でもかんでも吸収して自分の知的な栄養にしているから「必死こいて覚えて」「受かったら綺麗さっぱり忘れる」なんてことは一般的でないと思うんだなー。そういう意味でもこの例示は非常に不適切。そりゃ突っ込まれるさ。

 

譲歩しているようで全く譲歩していない

あるいは、受験の時点で就職活動が始まっているのかもしれない。どう考えても意味のないタスク、心からやりたくないようなタスクをそつなくこなせる人材を、大学側が要求しているのだ。はっきり言うが、愚直にも「古文・漢文」をせっせと暗記してきた連中は、生涯奴隷だ。

 

 増田は「古文漢文を否定しない」と何度も何度も丁寧に予防線を張ってきたつもりなんだろうけど、ここでボロが出た。「どう考えても意味のないタスク、心からやりたくないようなタスク」という表現は明らかに「古文漢文はいらない!」と言っているに等しい。つまり「いや古文漢文の学習に意味はあるよ」「古文漢文楽しかったよ」って言わせたいようなものじゃないか。

 

 増田は古文漢文を「意味のない、心からやりたくないタスク」と定義したけれど人によっては家庭科や道徳ですら「意味のない、心からやりたくないタスク」になるわけで。これが数学や英語でも一緒。増田が古文漢文を「意味のない、心からやりたくないタスク」と思っている間はずっと古文漢文に価値はない。つまり挑発的なタイトルに長々とした予防線、そして決定的にダメな例示の最後が要は「俺は古文漢文が嫌いだ」ということらしい……そんな増田を「論理的に納得させろ」って、それは難しい話だよ。嫌いなものを論理で好きに出来るんだったらKKO問題なんて発生してないんじゃないかな。増田は古文漢文が嫌い。それでいいよ。

 

追記がダメダメちゃん

「古文・漢文」という学問が根本的に無意味だって言ってるわけじゃない。受験で必須にする必要はないだろ、って話ですよ。

はっきりと書いたつもりなんだけど、伝わらないかな。もうちょっと現代文教育に力を入れたほうがいい。

 

 ぶっちゃけ増田自身が現代文と言うか自分の主張を明確にした文章を書けるような勉強をしたほうがいい。「俺は古文漢文が嫌いだ。なんで受験科目にあるんだバカヤロー」くらいの内容だったらこんなに叩かれなかったと思う。

 

「法学部は古文の知識いるだろ」

→例えが悪かったかもしれないが、法律を学ぶのに必要なら大学入ってから教えればいい。大学受験という選抜の場で、有能無能を仕分ける基準にするなって話。

 

 うーん、例えが悪すぎてそういう話には読み取れなかったなー。増田の文章構成力の問題かなー。あと大学は基礎が出来ている人が勝手に勉強する場所なので「大学で教える」って表現は何だかなぁ。

 

「英語や数学だっていらない」

→これに関してはある程度の偏見を認めるが、少なくともおれは使っている。それはともかく、ここでは「古文・漢文」が受験科目として必要かどうかの話しかしていない。「いらないって言い出したらきりがない」だから「古文・漢文」は「いる」ってことか? 論点をすり替えるな。

 

 増田が話していることは「受験科目として必要かどうか」というより「俺は古文漢文が嫌いなのに受験科目とは何事か!」ということがメインのような気がするけどなー。もし受験科目としての古文漢文の扱いを論じるなら、他の教科の例を出したり外国の受験制度なんかも見ていかないととてもじゃないけど話にならない。「いらないって言い出したらきりがない」は古文漢文を含めた受験制度そのものの疑問だから「だから絶対いる」なんて話はしていないよ。現代文勉強しような。

 

「古文・漢文なんて得点源なんだから、黙ってやれ」

→そういうのを奴隷根性だって言ってるの。黙ってやれる人間だけを必要としてるんなら、それこそこの国は終わりだよ。

 

 すごく疑問なんだけど、どうして古文漢文を勉強している人はみんな暗記で苦労して嫌々黙って学習しているって思っているんだろう? 「黙って嫌々やってるから必要ではない」という意見に対して「得点源だし楽しんで学習しているから必要」という反論は想定内だと思うけどな。

 

「反論を聞く気がなさそう」

→聞きます。

「教養だから、やっぱいる」

→身につけたほうがいい教養なんていくらでもあるっての。ただ、全国の中学生高校生全員にやらせて、受験で競わせるほどの”必然性"があるのか、って話。何度も繰り返すが、興味ある人にやらせるぐらいでいい。教養だとしても、大学で教えればいい。おまえら、「教養はいいもの、いいものはいる!」程度としか思ってないだろ。そういう考え方が構造的、社会的に押し付けられてて、内在化していることを自覚しろ。

 

 反論聞いてねええええええ。

 

 「受験で何故必要か」→「大学側が古文や漢文を習得している教養のある人材を求めているから受験で科している。古文漢文を学習したくないなら科さない大学を受験すればよい」でファイナルアンサーじゃん。それを「この期に及んで」必然性があるのかとか興味のある人だけでいいとか、納得する気が全くないじゃないか。

 

 そもそも「必然性」だの「必要」だの言っているけど、それは完全に増田の主観でしかない話で、増田の主観に対して客観的意見を上げても「おれは違うと思う」しか返ってこないし、意味が全くないと思うんだな。この前流行った反出生主義者の増田と同じで、「俺は主観的にこういうことを思っている。論理で納得させてみろ」っていうのは絶対納得しない上に煽りがちになるのでどうしても叩かれる。

 

 要は、増田は「古文漢文嫌い!」という感情を頑張って論理的に書いてみたけど、そもそも感情なんて論理のないものなんだからどこかで破綻する。今回は例示の時点でグダグダになるし、「そうじゃない人もたくさんいる」という反論で簡単に終わるものになってしまった。だからこんなに爆速で叩かれる結果になったわけ。半日で500ブクマ近くっていうのはあんまりないから、とりあえず名誉なことなんじゃないですか。

 

まとめらしいもの

 古文漢文の是非についてはいろんな考え方があるだろうけど、個人的にはアクティブラーニングと小学校の英語とプログラミング必修化もセンター記述導入も疑問視していて「そんなことをする前にもっとやることがあるだろう」ということでもう受験制度そのものをどうにかする前にもっとしっかり教育改革してほしいなーというところであります。個人的に一番やってほしいのが教員免許更新制の廃止とそれに代わる教員の質の向上プログラムですが。

 

 後半で古文漢文について書くと言いましたが、気が向かなかったのでまた別の機会にしようと思います。一言で言うなら、古文漢文を学ぶ最大のメリットはコンテクストの共有だと思うのです。これは教養全般に言える話ですが、コンテクストが共有できない悲劇っていうのはそこかしこで起こっています。それがポリコレが絡めば浜ちゃんのエディ・マーフィー騒動みたいになっちゃうし……。

 

 それはともかく、今回の増田は全体的に「現代文教育に力を入れたほうがいい」と自分で自分にブーメランになっている感じだなあという印象です。増田の主張と文章の内容がかみ合っておらず、更に例示に失敗するという滅茶苦茶な文章の割には「俺は正しい!」という態度だけが浮き上がるという「うわぁ」な感じで大変良いと思いました。今年も増田の煽り記事に全力で煽られていこうと思いました。おしまいです。

 

大晦日の雑感

〇大晦日である。2017年が終わるわけである。

 

〇今年は特に後半からいろいろ生活環境が変わって、ブログなどの長文を書く機会がなくなってしまった。映画感想も(モチベーション的に)なかなか書けず、最近やっと長文を書く体力が戻ってきた感じがする。もちろん映画も見てるしいろいろ書きたいことはあるのだが……という感じ。来年もこのくらいのペースになるだろうけど、できることだけやろうかなと思う。義務を感じてしまったらこの世界はおしまいだ。

 

〇今のところガッツリと書きたいのは「おそ松さん2期は本当に失速したのか」あたりだろうか。メインとしては「2期が失速ではなく1期の盛り上がりが異常」説を推したい。そして副次的要素として「2期1話でメイン層だった夢系松女子をダイレクトにdisった」「2期のノリが赤塚イズム満載でコンテクストが共有できていない」を追加したい。チバテレの平成おそ松くん再放送をほぼ全話見たけど、文脈が共有できないギャグというのはなかなか難しいんじゃないかなとか思うわけで。トト子ちゃんが「マンモスうれピー」を連呼してるけどわかる人じゃないとわかんないよね。1期でも確実に輸血袋のシーンは後世で「何コレ?」と言われると思ってる。

 

〇あと反出生主義なるものが増田で流行ったみたいだけど、「~な時点で明白」「直情的な反論は議論に値しない」みたいなところで詭弁のガイドラインぽいなーと思ったらそう思ってる人も結構いて少し安心。競技ディベートというなら話は別だけど、要は「私はあなたの話なんか聞くつもりはありません」ということだからね……直情的だろうが何だろうが意見は意見なんだから聞かなきゃねぇ。

 

〇年始もブログはわかんないけど増田はできるだけ読んでいこうと思う。久しぶりにスマホのブラウザから読んだらスパムだらけでびっくりした。あとコンパクトな増田でNGにしている連投安倍政権なんとかさんも大量でびっくりした。ううむ、拡張なしで増田を楽しむのは根気が必要だな……。

 

〇最近は「惑星ソラリス」にハマっている。100分de名著で取り上げられたのをきっかけに原作を読んで、もう一度タルコフスキー版に挑戦した。前半はしっかり見れたけど、後半で力尽きた……図書館のあたりで辛くなって、液体酸素のあたりは飛び飛びで、気が付いたら置手紙していた感じ。原作は全部飽きずに楽しく読めたけどなぁ。最初にタルコフスキー版を見たときにスルーしてたバートンの供述のくだりあたりがすごく楽しかった。セットで「2001年宇宙の旅」も見直してみたら、同じような内容なのにキューブリックの映像美で結構楽しませてもらった。難解なことには変わりないけど……。そんで『フィフネルの宇宙服』の元ネタなの今回見返してわかったのは大収穫。

 


フィフネルの宇宙服

 

〇年始はキングスマン2絶対見に行く。

 

〇そんなわけで今年はおしまい。また来年どうぞよろしくお願いします。ガキ使を見なくちゃいけないのでよいお年を。

 

 

まったく輝かない2017年の増田アワード「不安になる編」

 やると言ったのでやろうと思う「不安になる」の2017年のまとめです。タイトルの通り「不安になる」増田の記事ばかり取り上げるので有益な情報を得たい方はこの先非常に長いのでギガを消費するだけなのでお帰りください。また、比較的まっとうな増田選は以下の記事からお願いします。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

【不安になるとは】

 まず「不安になる」の定義から説明します。その前に何故自分が増田ウォッチをしているのかという話から始まるのですが、要は「役に立たないけどクスっとできるような文章」を探してたどり着いたところが増田だったということです。詳しくは以下の記事からどうぞ。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 ちなみに自分はファクマ(1stブックマークの新しい呼び方らしい)をよくするのですが、全ての増田を読みこんでいるわけではありません。増田を読みたいと思ったときにざーっと増田をスクロールして、気になるものだけ読んでいます。トラバは基本何となく読み飛ばしますが、面白そうなものは元の増田まで遡ってツリーを全部読んだりします。増田なんてうんこだらけなので読みたいように読めばいいのです。

 

 で、そうやって増田を眺めていると一見して何が言いたいのかよくわからない文章を見つけることがあります。匿名掲示板だろうが何だろうが大体文章を書くときは何か言いたいことがあるので書くものです。それなのに文章の要旨が掴めないということがあります。特定を避けるために肝心の部分をぼかしていたり、投稿者の文章を組み立てる力が最悪だったり、単に何も考えていないだけなど様々な理由が考えられます。そういうのがすごーく気になったので、「これは」と思うものに「不安になる」タグをつけていっただけです。読んだ後「あれはどうなるんだろう」とか「意味がわからない……」など自分の軸がぐらぐら動くような気分になる増田です。ちなみに「不安になるタグ」は増田以外にも使ってます。

 

【不安になる選】

 さて、不安になる増田の紹介です。まずは心に残ったものをいくつか紹介します。今年の頭から12月22日お昼ごろまでの増田が対象です。

 

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選)意味がわからない。そして途中で終わっている。不安完成度が高い。

 

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選)途中まで普通の増田と思わせておいて最後で不安に叩き落とすスタイル。

 

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選)論理展開というものが微塵も感じられず、しかし勢いは非常にあるという困った増田。

 

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選)わかんねえよ。何なんだよ。気になるじゃねーか。

 

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選)これは「娘が同級生を不登校にさせた」関連のトラバ記事です。娘がトラブルに巻き込まれているようだ、どうやらストーカーをされているらしい、というような内容の記事にポンと放り込まれたこの増田。本人ということはないと思うけれど、それにしても不安になる。

 

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選)元増田と話がかみ合っていないし、文意がとれないし、続きの増田もよくわからないし、この増田の中だけで意思疎通ができている気がするんだなぁというのだけが伝わってくる。そしてこのイラっとさせる文章、どっかで見たことあるんだよなー。

 

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選)露骨な釣りっぽいけど、内容とかシルバーさんとかの言葉使いを見る辺り半径50cmで生活しているような感じもして、この増田社会人として大丈夫かと不安になる。

 

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選)「久しぶり」と「初めて」というところで一行目からすごく不安になる。でも中身は楽しそうで何よりという感じ。でも純粋に「楽しそうでよかったね!」とは思えない、何かひっかかるものが全体的に漂っている恐ろしい増田。

 

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選)非常に詩的なのにスケールが非常にみみっちい。そして最後に「え、ちょっと、それ、え、いや、あの……」という読後が何とも言えない感じが最高。

 

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選)文意が迷子の上、増田の頭の中だけで意思疎通が成り立っているような感覚にまずぞわぞわする。あまりにも謎だったため解読して言及記事をかいたのも良い思い出。

 

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選)この意思疎通できない感じがたまらなく不安になる。したくないならしないほうがいい。その後が心配になる系の増田。ブコメでの大説教大会も味わい深い。

 

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選)全レスの上律儀すぎるところに「完璧主義」を超えた強迫観念を感じる増田。「ここは初めてか?力抜けよ」という感じ。あまりにも不安になって言及記事を書いたのもまた思い出。

  

【さらに深淵を覗きたい方へ】

 ここからは「増田」「不安になるタグ」をつけたもので1userだったのものを紹介します。つまり誰の目にも止まらなかった、不安度が高いものが多いです。一言感想が雑ですがあります。

 

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 すごく創作慣れしてない人が書いてみた何かのようなそうでもないような。

 

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 ブコメにも書いたけどやめろ!

 

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 これは非常に気まずい。

 

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 その猫は一体何者なんだ……?

 

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 なにっ、カタパルトが不調じゃと……!!

 

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 ブコメ見てたんだ。やっぱり本人なんだろうか……???(怖

 

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 増田が何に怒っているのかさっぱりわからない。

 

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 ※KKO=キモくて金のないオッサンの略。

 

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 これは増田自体というより、ブコメで書いた事象が個人的に非常に不安になる案件。

 

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 増田は自動車に乗ろうとしていたのか、自転車に乗ろうとしていたのか。

 

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 ここはトイレじゃないぞ。

 

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 文意が迷子系。

 

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 タイトルと某倒産した旅行会社は全く関係ない。

 

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 グレゴール・ザムザ「変身!」

 

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 それだけじゃテロリストにはなれないだろう。

 

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 この辺り何でも太字にするのが好きな増田がいたのを覚えている。

 

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 極端にも程がある。

 

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 一発ネタだろう。

 

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 スペースさんの偽物かな。偽物の例偽物の告白

 

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 前半と後半のつながりがさっぱりわからない。

 

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 これ最近話題になった奴に似てる。

 

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 いつもタンバリンを鳴らしている不審者。

 

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 ただの煽りなのかマジモンなのかわからん。増田とは。

 

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 「東モーリタニア人」というところがポイント高い。

 

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 増田が何を言っているのか理解するのにしばらくかかった。

 

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 一発ネタだろうパート2。

 

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 もう年末だけどこの増田は大丈夫かな……?

 

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 増田の立つステージとはどんなところなのだろう。

 

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 ググったけどおぽむてきがなんなのかわからん。

 

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 カーナビ「へへ……ここまで来たら一蓮托生よ」

 

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 非常に増田らしいが、全国の都留さん大迷惑。

 

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 何かが始まりそうで永遠に始まらない感じ。

 

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 女は偉大だ。

 

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 Help me.Help me.Help me……

 

anond.hatelabo.jp ビール瓶やデンモクで殴られなくて何より。 

 

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 木曜日とは。

 

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 複雑すぎる。

 

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 一発ネタだろうパート3。

 

【スペースさんについて】

 また、今年の増田ウォッチ特筆事項として「スペースさん」の出現というのがあげられます。全角スペースでわかち書きトラバをするので「スペース増田」とタグを付けたところ定着してしまったという感じです。スペースさんはトラバでしか出現せず、独立した記事はあまりありません。また、すぐに記事を消してしまうのでトラバ欄に生息が確認できるというところです。一度姿を消してしまいましたが、最近また復活されたようなので確認できる限り確認していきたいなぁと思います。これからもよろしくお願いします。なんでここで書いているのかというと、最初は「不安になる」タグだったので……。

 

 他にも増田をよく見ていると 中の人が同一ではないかという記事をたまに見つけることが出来ます。この記事のために見直しをしているときも「これとこれは投稿者が一緒じゃないか」と邪推できるようなものをいくつか見ることができました。そんな増田の楽しみ方もあるよということです。個人的には京都のゴミ大学を見分けることができれば一人前の増田ウォッチャーだと思います。

 

【まとめ】

 いくつあるか数えていないけれど、今年の増田はこんなところです。不安になるタグをつけ始めたのは去年の後半くらいからだったけど、現在はid:AQMさんをはじめこのタグに注目されている方が何人かいらっしゃるようで、当初完全に自分のメモ用だったのが恥ずかしいくらいです。出来る限りこれからも不安になっていこうと思うので来年もよろしくお願いします。そして来年も素敵な増田ライフを。

 

増田はそんなに頑張らなくていい

 この件で記事を書く予定はなかったけれど、なんかこの増田見たら辛くなったので限定的な話をします。

 

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 限定的な話をする前に、まだ騒動は収まる気配を見せませんが全体的な所見を述べておきます。まず、初手のBuzzFeedはあちゅうはよくやったと思う。こういう告発は大事だと思うし、これをきっかけにいろんなことが変わってほしいと思う。その後の童貞いじりについては「何で自分からツイートしたんだよ少しは大人しくしてろよ」という印象。そしてヨッピーのツイート及び記事については「炎上の渦中にある人物のお友達が擁護のために気合を入れて擁護をするとろくなことにならない」という法則通りだなぁと思い、その他もろもろの擁護発言に関しては「お前ら全員ろくなこと言わないから黙っとけ」という感じ。うーん、ダメだこりゃ。

 

【本題】

表立っては言えないけど、私は「権力を持っている男性に便宜を図ってもらおうと近づいたらセクハラ・パワハラを受けた、私は被害者だ」と主張する女性全般にとても納得のいかない気持ちを抱いている。「セクハラ・パワハラ」部分をレイプに置き換えても同じだ。彼女らは女性性を利用し便宜を図ってもらうことで、正当な手段でガチで戦うつもりで勝負の土俵に上がった他の女性(および男性)から不当に権利を奪おうとした人間だからだ。不正なチートプレイヤーということだ。

 

 これね、この前提からもうおかしいんだよ。例の童貞いじり問題に当てはめると、下種なおっさんたちが「童貞=自分から行動できない弱虫」と仮定していろいろ言っているけど、その言いぐさだと性的不具だったり性的マイノリティだったりと様々な事情で性体験のない人も「弱虫」になってしまうぞふざけるなってことで炎上しているわけ。だからこの増田の「職場でのセクハラ被害者の女性=便宜を図ってもらうために近づいた下種」と仮定してその後いろいろ書いていることがもうアウト。増田が言う「真面目に生きている」人だってこの手のセクハラパワハラは受ける。そういう人も「不正なチートプレイヤー」と認定してしまっていいのだろうか。

 

私は就職や仕事の場で女性性を武器に使ったことは無い。それは卑しく不正な手段であり、自立した知的な女性は自分の能力で正当に、正面から男性(および他の女性)と競争すべきだと信じている。

 

 ここで増田が「女性性」とは何なのかを明確にしていないけれど、文脈から考えて性交渉を前提にしていると考えられる。個人的にここがすごく不快で、ひっくり返すと「仕事で成功した容姿のいい女性は性交渉を武器に競争している」って意味になって、それはそれで仕事で頑張っている全ての女性に対して非常に失礼だと思ったわけで。その理屈でいくと「あいつは仕事で成功したから性交したに違いない」とか「性産業に従事する女性は永遠に自立もできず知的ではない」みたいな話になってくる。「女性性」を「女性ならではの*1」くらいにまで拡大すると「細かいところまで目を届かせる家事代行サービス」「面倒見のいい保育士介護士」なんていう職業自体も「卑しく不正な」ものになってしまう。同時に女性には向かない男性性を生かした職業もあって、それも否定することになったらこの世は地獄だよ。

 

 当たり前なんだけど、女性なんだから女であることを肯定していいんだよ。男性だって男であることを恥じる必要なんて全くない。「男女関係なく個々の能力で」っていうのは確かに理想だし、そうなんだけど、みんながみんなそうじゃない。増田がそう信じるのは勝手だけど、「みんながみんなそうじゃない」は覚えておいてほしい。いっぱいお洒落したい女性社員だっているし、それがかわいいと思う男性管理職だっている。それを仕事の評価に持ち込むのはどうかと思うけれど、それを「男性に媚売った女」って見るのはちょっとかわいそうだからやめてあげて欲しい。彼女は本当に自分のためにお洒落をしているだけかもしれないし、それを増田にわかってもらう義理も何もないんだから。

 

そうやって正当に戦ってきた人間から見ると、自分の能力の不足を権利者に便宜を測ることで解決しようとした人間は悪でしかない。

 

 多分増田は本当に真面目なんだと思う。だけど、「正当に戦う」ってどういうことなんだろう。そもそも仕事って必ずしも「競争して戦う」ものなんだろうか。増田の職業は「同僚と戦う」ことが前提なんだと思うけど、そうじゃない職業もたくさんあるわけで。他人を蹴落とすような職場もあれば、和気あいあいとしている職場もあるし、自営業でもまた違ってくる。

 

 そもそも何を以て「正当」とするのかはかなり難しい問題。例えば、何気なく荷物を持ってあげた老人が実は自分の勤めてた大会社の社長で昇進が早まったレベルの話はよくあること。そういう見返りを求めない親切や気配りが仕事に反映されて、それで評価されるのはこの増田の感じからすると「チートプレイヤー」に属する気がする。同じくらい仕事が出来る人ならば、より気配りの出来る人が選ばれる。誰よりも早く来てオフィスの掃除をするとか、出張に行く際は毎回お土産をリサーチしてから行くとか、ミスをした新人のフォローがうまいとか、そういう「仕事」とは関係のないところで総合的に評価される場合もある。そもそも何をして「自分の能力」と言い切れるのか、というところかなぁ。

 

 これも当たり前だけど、仕事は出来るのかもしれないけれど人間的にルーズな人が上司だったらとっても嫌だなぁ。「仕事は出来るんだけど、でも……」となるけど、上司だって「正当」に評価されて昇進しているのだから文句を言えた立場にはない。発端の件の加害者だって「正当」に評価されて権力を持ったのだろう。増田の言う「正当」がどこまで「正当」かわからないけれど、とりあえず「能力100%の世界」というのもまた極端な話で非常に難しいことだと思うのよ。

 

いずれにせよ真面目に正面から競争してきた一人の女性として、チートしようとして被害を被った女性を自分たちの代表のように担ごうという気には全くなれない。というか基本的に滅びてほしい。そう言うと「女の敵は女」とか言われるのかもしれないけど、これってそういう問題じゃないと思うんだよな。じゃない?

 

 この部分読んで強く思ったのは「ああ増田は単純に褒められたいんだな」ということ。増田の身近に増田が仮定する「チートプレイヤー」なる女性がいたとして、それで増田は自分が褒められないのをチートプレイヤーがズルしてるからだって思ってるのかなってこと。だから増田の上司の代わりに褒めておく。増田、お前は頑張りすぎだ! 自分でも気づいてないくらい頑張りすぎて曖昧な属性を攻撃し始めているぞ! 俺が悪かった! ごめんな、増田の頑張りに気付いてあげられなくて。もう頑張らなくていいぞ。増田は増田の仕事を増田なりにすればいいんだ。何? 私の何がわかるんだってか? もっと素直になっていいんだぞ。頑なになるより正直になったほうが意外とみんな優しかったりするからな。

 

真面目に競争してきても避けられずにバンバン遭遇するセクハラって、おっさんとかがコミュニケーションだと思って投げつけてくる下ネタだ。だから私としてはそっちを世界から滅亡させたい。

 

 本題に戻る。この前の日記にもさらっと書いたけど、発端の件は「セクハラ」で終わらせていい問題ではない。この件はどちらかというと精神支配であり、セクシャルを絡めたパワハラモラハラだ。「一個人の尊厳を踏みにじるような言動」にNOを突きつけるのは当たり前だと思う。そこに「下ネタや性的ジョークはどうなるんだ」となるとまた違ったレイヤーで語らないといけないところがこの問題の面倒くさいところ。とにかく今回の件は「パワハラ」の文脈で語ったほうがいいと思う。セクシャル絡めるとまた複雑になるからなぁ。

 

私は直属の上司や、どうしても担当しなければいけない顧客に向こうからセクハラを仕掛けられ、断れなかった人のことは純粋に被害者であると思います。決してチートとは思いません。私がチートだと言っているのは、直属の上司ではなく部署も違うが人事権を持っていそうな人、に取り入りって便宜を図ってもらおうと新人が自ら近づくといった種類の行動です。

 

 ブコメ見て追記したんだろうけど、多分根本的によくわかってないと思うのでもう一度書く。純粋な被害者とかチートプレイヤーとか決めるのは増田じゃないからね。それにそこまで具体的にチート内容書いてるけど増田でイライラして書きなぐるほど女性はそんなアホばっかりじゃないからね。大部分の被害者は巧みに誘導されたり泣き寝入りしていたり、そういう人の方が圧倒的に多いはずだよ。どんなに相手に隙があったってわざと取り入ろうとしていたって最終的に手を出したほうが負け。どんなに挑発されてもデンモクで頭を殴ったらダメ。それだけの理屈だよ。「被害者ぶっている」とかそう思うのは「女の敵は女」というより頑張ってるのに構ってもらえない増田のコンプレックスの裏返しに見えるかなぁ。増田はこんなに真面目に頑張っているのに誰にも褒めてもらえないなんて不憫だなぁ。よしよし。

 

【おまけ】

 ~  ウザス キモス カワイソス  ~

 

 今回の件と少し違うけど、ストーカーの心理とか「セクハラと性的ジョークの違い」みたいなのが非常にうまく表現されてるお話があるのでAAで読みにくいけどいろんな人に読んでほしいなというところ。ちょっと昔の話なので「性的ジョークにしてもキツイだろ!」と思う人もいるかもしれないけれど、要は関係性のグラデーションなんだと思う。何でもそうだけど、信頼関係の有無でコミュニケーションの質を変えなければならなくてそこを無視するとパワハラだのセクハラだのに発展するんだと思う。その信頼関係を支配関係にしちゃうのがモラハラの怖いところ。うーん難しいね。神様、僕たちはなんて無力なんだ。

 

*1:この言葉あんまり好きじゃないけど