おはよう深海の恋人たち(黒い星が描かれた白い手袋を嵌めながら)。
※この記事は250%「ドラえもん」を患って拗らせた人の妄言で出来ています。大変気の毒な思考回路ですので、このブログを初めて読む方は先にこのブログを書いてる人の妄言を下記の記事から聞いてやってください。端的に言えば「爆弾を20個ほど腹に巻き付けている原理主義者」です。今日は中の上くらいのお天気ですね。公害についてですね。やはりぼくなんか。
※これらの記事を読んで「新ドラを心から楽しめない可哀想な人ね」というコメントが思い浮かんだら、その通りなのでそっと心にしまっておいてください。わざわざ言われなくてもわかってます。
そんなこんなで、『ドラえもんのび太の新海底鬼岩城』見てきました。賛否両論ということでちょっと構えたけど、40作品見て途中のいくつかに鼻血を出してマジで気分が悪くなった俺に怖いものはないということで強ーい石に殴られながら見てきました。
ちなみに今までのリメイク評はまとめるとこんな感じです。★の数は今のところの気持ちです。このリストを見て引き返す方は引き返してください。このブログの人気が落ちても、あと7000字ほどやるので。
★「恐竜2005」
変顔いらね。あったかい目じゃねーんだよ。あの強制終了エンドを返せゴルァ。
星なし「宇宙開拓史」
(任意のとてもひどい罵詈雑言を当てはめてください)。
★★★★「大魔境」
リメイクとして文句なし。これでいいんだよこれで。
★「魔界大冒険」
みんなのトラウマのメドゥーサ魔改造しやがって(任意の罵詈雑言を当てはめてください)。
★★「宇宙小戦争」
おい大統領何でお前地球に残留しとんねん話が違うじゃねえか前髪毟るぞゴルァ。
★★★「鉄人兵団」
悪かねえんだけど……キャラデザが、その……。
★★「日本誕生」
俺はデウス・エクス・マキナが好きなの!!そういう改変は勘弁だっつーの!!!!
さてさて、「海底鬼岩城」は……。

リメイクとして文句なし!!!
やっと俺の時代が来た!!!!
ばんざーい!! ばんざーい!!
いや手放しで映画そのものを褒める訳じゃないよ。
でも全然見れる!
俺の心がずっと平和だった!
いろいろなんかあるけど全然「まあいいか」ってなる!!
まずは新海底鬼岩城の良かったところを話します。よかったね。
【絵がきれい】
第一に絵がめっちゃきれい。OPの美しさで「ああもうこれが見れたからこの後どんなに原作レイプされてようと元はとったからいいか」と思うくらいよかった。それは最後まで映像の綺麗さが続いたのでそれだけで幸せな時間でした。これは劇場で見て良かった。
そしてバトルフィッシュと鉄騎隊がかっけえ! 俺はこれが見たかった!
バトルフィッシュの圧倒的な怖さ! でけえイカの恐怖!
そして鉄騎隊の無機質な怖さ! ポセイドンは……うん、なんか怖かった!
これはリメイクして圧倒的に正解だと思います。
特に鉄騎隊はひとりで興奮してました。かっけえ。
【変な改変がない】
これ!!
これ!!
これええええ!!!
多少の追加要素やアップデートされている点もあったけど、本筋の変更が一切なかった!!!ワオ!!!神に感謝!!!!!!!
今までの悪夢から、俺は絶対エルの妹キャラが追加されてしずかちゃんの代わりに生け贄になる設定になるんだとばかり思っていたんだよ!!! いやまじで本当に。なんで妹キャラかっていうと、バンホーさんの妹のローさんをやらせるんだと思ったんだよ。だって竜の騎士は(それ以上いけない)。つまり、この海底鬼岩城リメイクをベタ褒めしているのは映画が素晴らしかったからではなく「今までのドラえもん映画で損ねた信頼が回復されてきていると感じたから」なんですよ。その辺は後述します。
そもそも「リメイク」なんですから。多少のつじつま合わせやストーリーの補完くらいの変更はもちろんOKだと思いますが「オリジナルの新キャラを軸に話が進む」とか「みんなのトラウマキャラが実はママだった」とか「お前連れて行かれろよ前髪毟るぞ」とか、そういうのはアウトだと思うんですよ。改変のおかげで話が深くなった? そういう奴は勝手に庭に穴でも掘っていろ。どうだ深くなっただろう。
とにかく、「新海底鬼岩城」に原作と大幅な設定やストーリーの改変はありませんでした。海底人サイドに多少の追加要素はありますが、ストーリーの補足程度で本筋に邪魔になるものではありませんでした。むしろ「あの展開をとりあえず説明できる設定をよく考えたなー」と思いました。
そもそも、元の「海底鬼岩城」自体が結構力業な作品で感動のあのシーンも見方によっては「どうにでもなーれ」という終わり方なんですよ。F先生も「仲間の特攻エンド燃えるぜガハハ」くらいの感じだったかもしれないくらい、潔いエンドですよね。もちろん「海底鬼岩城」の魅力の半分くらいはあのバギーの特攻シーンに詰まっているので、今回の映画は全体的に「あのシーンをどう見せるか」を丁寧にやっている印象がありました。だから松茸とか食ってる場合じゃないんですよ。バギーは飯を食えないからね。
【バギーちゃん】
いいね、すごくよかった。バギー出てきた瞬間から泣きそうだったもん。「ああ、これが見たかったリメイクだ」って。
三ツ矢雄二さんが演じた旧作バギーは本当に偉大で、ロコロコやミクロス*1と共にかなり心に残るキャラクターなんですよ。だからこそ、とても不安だったのです。「あのバギーを、この時代にどう料理するんだ!?」と。しかしその心配は杞憂に終わって、実際は現代らしく「AI」の話題と絡めて「海底鬼岩城」の本質である「融通の利かないコンピュータ」という話をしっかりまとめてくれました。
まずね、ちゃんとかわいい。多少小さくなってのび太の頭に乗るけれど、変な擬人化とかしないのは本当によかった。これでインターフェイスとか言ってヒト型の何らかのアバターが設定されていたら俺はマ女になるところだった。ぶっちゃけ「鉄人兵団」もジュドやるならあのボールでずっといてほしかったなーと思ってる。あのトリデザインいらねえ。マジでいらねえ。ジュドはピッポにならなきゃ満点だったのに。
その願いが叶ったのか、バギーちゃんは基本的にキャラクターとしてちゃんとアップデートこそされているけれど「バギーちゃん」でありました。これは制作陣が「バギーの物語を作りたい」って頑張った結果だと思います。「海底鬼岩城」のメインのゲストはエルではなくバギーちゃん。そこが強調されたのがよかったです、本当によかった。
だから「バギーちゃんを強化するためのイベントの追加や変更」は気になりませんでした。「鉄人兵団」でジュドにも語らせようとしたのは思い切ったことでしたが映画や再解釈としてかなり筋が通っていると感じました。それをバギーちゃんでやってくれたので、本当に本当に嬉しいんですよ。ちなみにわたくし『チャッピー』や『her/世界でひとつの彼女』などという映画も大好きです。いいよね、人工知能と心の話。
【海底人とエルについて】
海底人周辺はとてもよかったと思います。エルのビジュアルが出てきたとき「触覚を引っこ抜くべきか」と悩んだのですが、あの海底人の国を見た後なら結構いいかな、という気がします。
エルのキャラ自体は海底人編におけるストーリーの進行役なので、何か変な属性が付与されていたらバトルフィッシュがいようが監視されていようが真っ先に飛び出してぶん殴ろうと思ったのですが思った以上に「ゲスト海底人」をやってくれたので満足です。海底人の会議でちょいと変な思想がストレートに放たれましたが、これは最近のドラえもん映画の宿命なので致し方なしであります。それを差し引いても「南極カチコチ」は設定と序盤が最高なので自分も許しているのです。モアよドードーよ? そんな映画あったかなあ。
さて、今回の海底国なのですが「リメイク」として結構頑張った印象です。原作準拠ではなく「ドラ映画として求められる海底人」をしっかりやった感じがします。ただ葉っぱを纏っただけの植物人と違い、様々なビジュアルで観客を楽しませることに注力していた感じがします。これは「ズートピア」に近い感覚ですね。首相の他に代表的キャラが複数配置されていて、属性がバラバラなあたりはアップデートしてる感があってよかったです。「新宇宙小戦争」もレジスタンスに女性がいるの結構いいなと思ったんですよ。
そして追加キャラクターのトリラインさんのキャラデザが最高でグッドでした。若い頃も現在の姿もいいね……! 暗黒期のワケわからんゴリ推しキャラにならずに「アトランティスへの道案内」の説明役兼しずかちゃんがあそこに連れて行かれる理由になるところがよかったです。旧作でも「生け贄ってなんやねん」って思ってたから、とりあえずの理由付けでもまあいいかなと思います。
それから個人的にすごくよかったと思ったのが、エルのバディがしっかり登場していたことです。旧作ではエルと一緒に行動していたのにモブその1みたいな扱いでちょっと気になっていたのですが、今回やっと彼にも少しスポットが当たりましたね。こういうのがリメイクでやってもらいたいところなんですよ。変なまずいキャラをねじ込んだりストーリーを完全に変えたりすることではないんですよ。お分かりですか?
なおトリラインさん主導の海底国からの脱出シーンは「大魔境」のモチーフですね。こういうので往年のドラファン(拗)はにやりってするんですよ。オシシ仮面はゲストキャラね、最終回をするなら作品名は「ライオン仮面」だよ。あとのび太が嘆くなら「宇宙ターザン」だと思うな? オーライ?
【とはいえ残念なところも】
松茸がカットされて悲しいという意見をよく見ましたが、個人的には元の映画からにぎやかしのシーンだと思っていたのでカットでいいと思います。元映画に比べて飯要素が結構減っていたのですが、「ドラ映画と言えば飯」をやるために「新宇宙小戦争」で大統領をピリカ星まで同行させたのかと思うと俺はぶち切れるので飯のシーンはカットでいいと思います、本当に。バーベキューやったんだからいいだろ。エルに「地上の飯はうまいな!」を言わせる必要もないしね。
あとカットで微妙なところはのび太の宿題でしょうか。三日で終わったのが一日で終わったように処理されているのはちっと残念かもしれないと思いました。あと元映画にあったママの似顔絵が大好きだったのであれは継承されなかったかと残念に思いましたが全然本筋じゃないので問題ないです。確かに旧作に比べて海に行くまでのテンポがちょっと間延びしてると思いましたが。
それと先にドラのび二人で出かけたために旧映画で個人的に好きな「テキオー灯を忘れるドラえもん」がなかったのも残念と言えば残念ですが、別になくてもいいと思います。それより五人で海に飛び込むシーンが最高でしたから。
あと個人的にバギーちゃんの特攻シーンはもうちょっとかっこよくてもいいかな、とは思いました。いやこれはこれで悪くないんですけど。あの旧作の燃える展開を再現するのは難しいよねー!
【誰も話をしない、アレの話】
なんでこんなにドラ映画に怒り狂うはずの人が高評価なのかと言えば、実はメタな視点が必要になります。そもそも「海底鬼岩城」のリメイクという時点で割とテンションが上がったんですよ。
「人魚大海戦」をなかったことにするのか!?
この忌まわしいタイトルは、ドラえもん映画を40作品見てきて下から数えた方が早い作品のひとつです。「カブトムシクレム御者座キー坊」この辺の作品になります。この辺の作品への呪詛は過去に書きまくったので他の記事で楽しんでください。
そういうわけで「人魚大海戦」ですよ。ドラ映画30本目ということで武田鉄矢が帰ってきた、という触れ込みでやったアレですよ。餃子ですよ餃子。覚えていますか、御者座。あの何かやろうとしてとっちらかった上に海底鬼岩城のリスペクトだかオマージュだかして「そんならいっそ海底鬼岩城のリメイクやれや」ってぶち切れたアレですよ。
そう言えば感想書いてたなと当時の記事に確認しにいったら「オマージュするならリメイクしろ」って本当に書いてあって、当時の自分に「ちゃんと海底鬼岩城のリメイクやったぞ!」って言いに行きたい。
あと40作品一気見したときはゴールデンカムイの実写化が発表された直後だったので世間の雰囲気はお通夜モードだったんだけど、成功しているぞ。やあ当時の自分、未来は明るいぞ。2025年になるとコロナはインフルエンザレベルの脅威になって国宝って大作映画がバチヒットして良質なアニメ映画がバンバン出てくるんだわ。明るいぞ未来。アメリカが戦争してオイルショックやってきてるけど。
実際問題、「人魚大海戦」を見ると「海底鬼岩城はリメイクが難しいからオマージュでごめんね!」という体裁を感じます。それでいて「人魚大海戦」が良い出来だったのかと言うと、マジでドラ映画ワースト争いに参加できる代物です。ドラえもんの知識もなく何も考えないで空っぽ状態にして見れば楽しいのかもしれませんが、継ぎ接ぎな脚本に誤った科学知識(恒星に生物が住んでいるのか!?)、露骨な海底鬼岩城匂わせにかわいくないゲストキャラ、いらないドラミにねじ込まれた武田鉄矢とゲップが出そうな造りになっております。
特に海底鬼岩城のテントが登場したシーンで「ああもう海底鬼岩城はリメイクされないんだな」と絶望が上から降ってきたことは申し上げておこうと思います。あのテントが出てきただけで世の中にはNTRに近い感情を抱く人間が存在するということです。この私だよ!! あのテントさえなければ、もう少しお情け評価が下ったかも知れないのに(いや御者座のシーンでマイナス一千億万点ですが)。
ただですね、つまるところ「人魚大海戦」はなかったことにして「海底鬼岩城」をリメイクしたってことはですね……。
「竜の騎士」のリメイクの望みが見えたってことか!?
はい、これです。「海底鬼岩城」にとって「人魚大海戦」がリメイク未満の作品であったならば、「竜の騎士」は「新恐竜」に吸収されたと個人的には思っております。だって、彗星つかっちゃったんだもん。「新恐竜」にて当時は最新の研究だった6500万年前の隕石衝突をテーマにしちゃったら、「竜の騎士」は今後リメイクされませんって言うようなものじゃないかって俺は「新恐竜」に憤慨していたわけですよフンガフンガフンガ
「新恐竜」の悪口を書くと止まらないのでこのくらいにしておくのですが、つまり「竜の騎士」をなかったことにしたのが個人的に腹立たしいのですよ。インタビューでも「新恐竜は恐竜、恐竜2005に次いで恐竜モチーフの映画」とはっきり「竜の騎士」をなかったことにした「新恐竜」が、ですよ!? なんで隕石衝突モチーフにして「竜の騎士」のりゅの字もインタビューにないんですか!? そういうところですよ!!!!! インタビュアーの問題かもしれないけど、おかしいやろ!! バンホーさん勝手に殺すな!!!
つまり「人魚大海戦」のせいで令和のバギーちゃんとエルはかなり望みが薄かったところにこういう形で復活がなされたので、「竜の騎士」もワンチャンあるんじゃないかって思ったところです。令和のバンホーさんを見せてくれ、頼む。エンディングの小包はやらなくていいから、ノゼローゼをやってくれ。頼む。
【とどのつまり】
「大魔境」に続いてようやく「リメイク」らしいリメイクを見れて大満足です。世間では「無難」と評価されがちだと思いますが、正直「リメイク」なんですからこれくらいがいいんですよ。設定をぐちゃぐちゃにしたり新キャラをねじ込んだり、そういうのは「リメイク」って言わないんですよ。おい聞いてるか「魔界大冒険」よ。どうせ「新海底鬼岩城」をイマイチっていう奴は「新日本誕生」や「新宇宙小戦争」が好きなんだろう。わかってるよ。
次作はビッグベンと機関車が出てきたので、オリジナルなんだろうか。「絵世界物語」はとてもよかったので次作のオリジナルも期待ができる。リメイクも個人的に気に入らないとは言え、映画自体の質はいつぞやの映画として破綻しているレベルをようやく抜けたとは思っている。嘘だと思う人、マジで「奇跡の島」を見てくれ。嘘じゃないから。
この辺の子供向け映画暗黒期についてちょうどネットで話題になっていたので「クレヨンしんちゃんも暗黒期があったのか」という視点でちょっと見てみたいと思っている。実際にやるかどうかはわからないけど、クレヨンしんちゃんの映画は10本くらいしか見ていないのでちょっと楽しみ。「オトナ帝国」「アッパレ戦国大名」「カスカベボーイズ」の次は「B級グルメ」「ユメミーワールド」だけ見ていたので「その間の暗黒期とは……(ごくり)」とオラワクワクするゾ。クレしんにはドラほど思い入れがないけど、ちょっと気になるゾ。
さて、長くなったのでこの辺で終わる。多分来年までに「空の理想郷」と「地球交響曲」を見てどう思うかの話が出ると思う。「新ドラを楽しめなくて不憫」という意見をたまにもらうけど、別に声優が変わったのが嫌だってんじゃないの。映画でとっちらかった脚本とかお涙系の追加要素とか、そういうのがホント苦手なの。それを(数行書き散らかして消した跡がある)
まとめると、「新海底鬼岩城」は良いリメイクでした。メッセージ性ヨシ、作画ヨシ、脚本ヨシです。細かい文句もありますが、あの暗黒期から比べると盛大な花丸です。それでいいんじゃないでしょうか。長くなりましたね、お疲れ様でした。またどこかで会いましょう。
*1:そういうわけでロコロコがかなりナーフされた新宇宙小戦争はそれだけででっかいバツが下っております。ミクロスナーフもかなり悲しいね。
 [DVD] 映画ドラえもん のび太の絵世界物語 [DVD版](特典なし) [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/514pnXX-TsL._SL500_.jpg)



