さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

「日本史つらい」が読みにくい理由

 「文意がとりにくい」ということだけれど何がとりにくいのか。この文章を解析すれば「文意のとりやすい」文章が少しわかるんじゃないか。

 

anond.hatelabo.jp

 

 

原則として、以下の1および2の内容をすべて満たすことが必要である。
「世界史A」「世界史B」から1科目を選択必修
「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」から1科目を選択必修

地理歴史 - Wikipedia

 

 なお、教科のAとBの違いは「基礎的な学習か、入試対策レベルまでか」の違いです。基本的に入試科目にするのであればBを選択するのが一般的です。以上を踏まえておいてください。

 

 難関大学目指してる高3女子で文系。タイトル通りなんだけど、端的に言うともう日本史したくなさすぎて泣きたい。学校の指導方針?なのかは分からないけど、三年間で世界史AまたはBを選択することになってて。文系で地理選択はなし。社会の科目選択って入学したときにするから、将来やりたいことも特になかったのでなにも考えず一年で世界史Aを選択した。これがすべての始まり。悪夢。

 

 まず、一番のわかりにくさは「日本史がつらい」というタイトルなのに状況説明の最初に「世界史の選択」という話題を持ってきて、日本史がどのように履修されているか書かれていないところ。読者は日本史の話が始まるのだろうと思っているのに「世界史の選択が~」と始まることで混乱する。おそらく語り手は「時系列に正直に書かなくては」と思って世界史の話からしたかったんだろうけれど、そこで最初の混乱が起きている。最初に日本史を履修するようになった理由が端的に書かれていたり、タイトルが「世界史やりたい」だったらここまで文意不明にならなかった気がする。

 

もちろんA科目とB科目の差は分かってるつもりで、だけど自分は世界史好きだし向いてるなーと一年のとき思ってしまって。

 

 この文章の文意を一番わかりにくくしているのがこの文。「A科目とB科目の差は分かってるつもり」が科目選択時であるならば、何故その時点で世界史Bを選択しなかったのか。もし仮に「世界史A」という選択をしたのであれば、その後ろには「日本史B」という教科がセットで来ることも同時に考えていないとおかしい。「日本史をしっかりやりたいから世界史はAをとる」という選択をしていないなら、何も考えていないに等しい。確かに前の段落に「何も考えずに」とあるのでおそらく選択当時は何も考えていなかったのだろう。それであるならば「AとBの違いを知っていた」というのはどういう意味なのだろうか。

 

 おそらく、「A科目とB科目の差は分かってるつもり」というのは「世界史Aは基礎的な学習だけれども世界史は好き」というようなことが言いたかったのではないだろうか。しかし「AとBの差を知っている」ということを出すことで「私はB科目でないと入試に使えないというのは知っていました」ということになってしまう。じゃあ何故世界史のことばかりで日本史のことを考えなかったんだという話になってきまして。つまり「選択時はAとBの違いをわかっていなかった」ということでないとこのような事態は起きにくい。

 

 おそらく語り手は「選択時はAとBの違いを知らなかった」を「何も考えずに」で表現できたと思ったけど、その直後に「実は知っていました」というような文を入れてしまったために語り手の伝えたいことがわからなくなってしまった。結局知っていたの、知らなかったの? どっちなの? こういう事態になっているということは「知らなかった」と考えるのが普通なので多分知らなかったのだろう。

 

2年から今も日本史Bやってるけどクッッッッソつまんなくて泣きたい。文理混合クラスだから少ない文系の中でも日本史選択は2人しかいない。そして恐ろしいことに気づいた。大学に行って外国のこともいろいろ知りたい!と思ったとしても(もともと外国語学部志望ではなかった)、まわりは多分みんな高校で世界史やってるからわたしが大学で一から世界史を学ぶとか不可能。

 

 うーん、愚痴にしても今の時期に難関大志望をしている人の書く文章じゃないなぁという印象。「(もともと外国語学部志望ではなかった)」という文からおそらく外国語学部を志望していると思われるけれど、この情報はこの文章の中では非常に重要なのではないだろうか。カッコ書きではなく最初に「外国語学部志望」とはっきり書いておけばまだ「1年次は何も考えずに世界史Aを選択して後悔している」という文脈で読んでもらえたのではないだろうか。

 

 しかし「大学に行って外国のこともいろいろ知りたい!と思ったとしても」とあるので「大学に行っても外国のこと知りたいと思わなきゃいいんじゃない?」とも思ってしまう。この辺り、大学で何を学ぶのかまだよく決まっていないことが伺える。また「まわりは多分みんな高校で世界史やってるからわたしが大学で一から世界史を学ぶとか不可能」というのも謎。その考えの根拠が「自分のクラスでは日本史選択が少なかったから」であって、サンプル数の少ない決めつけである。しかも「私が学ぶとか不可能」というのも完全な思い込みで、「私が独学で学ぶのは難しい」というくらいなのだろう。ん? 世界史が好きなら独学でも勉強できるんじゃないの? 

 

 もしかしたら「日本史勉強したくない」っていうのは「日本史がつまらない」からではなく「周りが勉強してないから」じゃないだろうか。「大学でもみんな世界史の勉強が終わっているのに自分だけ勉強したくない」から「不可能」って思っているのではないだろうか。そもそも大学っていうのは自分の勉強のために行くものであって、周囲の顔色を伺ってみんなに合わせて学習する場所ではない。「私は日本史勉強しちゃったから世界史よくわからなくてさー」と勉強すればいいだけなのに、それを「不可能」と思っているということは何かすごく高いプライドが語り手の中にあるんじゃないだろうか。そんなことないし大学と言う場所は基本的に寛容であることを前提に勉学に励んでもらいたい。

 

 そして気になるのは、受験科目ですら入学時に決定してしまう高校のカリキュラムで、普通は2年次や3年次に上がる時に志望校の変更などで都度コースを選択したり変更したりが出来る気がする。「文転」「理転」なんて言葉もあるくらいだし、日本史がつまらないと思った時点で担任なり誰かに相談できなかったのであろうか。履修の問題もあるけれど、まずは入試科目が大事だからある程度は配慮があったかもしれない。その辺の背景もわかっていると、読んでいる人も語り手の言いたいことが伝わるのではないだろうか。

 

このへんの方面に詳しい方とか経験したことある方とかいませんかつらいです。

 

 「このへんの方面」という言い方から語り手の中で「問題は何か」がまとまっていないことが見える。「1年次の選択ミスで不本意な履修をしてしまった」なのか「外国語学部で日本史履修は少数派でないのか」という不安なのか単に受験生としての焦りと不安なのか。まぁ増田なんて思ったことを思ったまま書けばいいんだろうけど、最低限「今の状況」と「何に困っているか」を自分なりにまとめないと共感もアドバイスも何も起きない。ただ「何でそう思ったの?」と聞くことしかできない。

 

日本史大っ嫌い。やめたい。でもセンター8割とりたいよーーーーーーー日本史つらい

 

 ここまで「日本史がつらい」がタイトルなのに「日本史の何がつらいのか」という話が一切ない。あるのは「日本史はつまらない」と「世界史Bを履修すればよかった」ということだけ。トラバやブコメで日本史の学習法を書いてくれている人もたくさんいるけれど、そもそも「日本史の何が嫌なのか」がわからなければ学習法も何もないと思う。「世界史が魅力的だったから未練がある」なのか、「日本史の学習法がわからない」なのか、「日本史に興味がもてない」なのか、まずはそこを何とかしないとどうしようもない。不本意な学習ほど身につかないものはないので早急に学校の先生などに相談しておこう。増田に愚痴なんか書いてる場合じゃないだろう。

 

 

 以上を踏まえて、リライトしてみました。「日本史する」などの謎の動詞を直して、語り手の心情を抑えて問題点を「世界史を履修すればよかった」ということに絞ってみると多分ブコメの付き方が変わったんじゃないかと思う。

 

難関大学の外国語学部目指してる高3女子で文系。もう日本史勉強したくない。入学時に三年間で必修の世界史AまたはBどちらかを選択することになってて、文系に進むと地理は選択できない。その時は将来やりたいことも特になかったのでなにも考えず1年で世界史Aと2年から日本史Bを選択した。2年や3年での途中からの履修変更はできない。
だけど自分は世界史好きだし向いてるなーと1年で世界史Aを勉強しながら思ってしまって、2年から日本史Bやってるけど世界史よりつまらなくて泣きたい。うちのクラスは文系の中でも世界史B選択が多くて日本史B選択は少ししかいない。もともと希望していなかったけれど世界史に興味を持ったから外国語学部に行きたいと思ったのに、大学に行って外国語を勉強するのに同級生は多分みんな高校で世界史を勉強してるからわたしだけが知らないことが多くて、大学で一から世界史を学ぶとか恥ずかしい。
履修科目と希望科目のズレが苦しくてつらいです。日本史を選択しなければよかった。
日本史勉強するのやめたい。でも大学には合格したいから日本史でセンター8割とらないと。どうしよう。

 

 リライトして思ったんだけど、この文章を締めているのが「状況の説明」じゃなくて「語り手の叫び」だったということが文意を滅茶苦茶にしている。「泣きたい」とか「クッソつまんない」とか、言いたいことはわかるんだけど主観でしかなくて「何故その感情に至ったのか」がほとんど書かれていない。「世界史履修したかった」とか「日本史の人名覚えにくい」とか、具体的なことが書かれていない上に「大学に行ったら世界史勉強できない」とかかなり焦った心情も書かれていてアドバイスとしては「まずは落ち着け」としか言いようがない。多分語り手は非常に焦っている。焦っているけれど、受験に焦りは禁物だ。まずは落ち着いて、現状を把握して解決策を考えるしかない。つまり先生に相談するしかない。対話でも焦ってしまうなら、この増田をプリントアウトしていくのもいいと思う。

 

 あと、小論文が受験科目であるんだったら今すぐに対策を始めたほうがいいと思う。真面目に、今の語り手の思考力と伝える力では難関大に行くのにちょっとした対策じゃ厳しい。今のうちから天声人語丸写し100字要約とかそういう泥臭いレベルのことやっていかないとセンター終わってからもっと焦ることになると思う。まずは日本史との感情の折り合いをつけるところからだろうけど、よい受験生ライフが送れるといいね。もう増田なんかに書き込んでいる暇はないぞ。