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さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

貧困JKにおける雑感

 最近は真っ当な時間に朝家を出て夜オリンピックが始まるころ家に帰ってきて、そんでオリンピック見ながら寝て起きてまた出かけてを繰り返していたので微妙に体が痛くなってきました。忙しいって奴です。じっと手を見る。

 

 で、今ネットで話題になっている貧困JKの話題なのですがあの番組をちょうど見てやっぱり「これは……」と思ったのですが、それと違うことで炎上しているので自分の思っていることをざざっと書きます。

 

 絶対的貧困や相対的貧困、過剰な演出など争点はたくさんあるのですが一番の疑問は「なぜ彼女の実名と顔出しをしてこれを報道したのか」ということなのです。「子供の貧困の現状を知ってもらいたい」というのはわかるのですが、あまりにもケースが特殊で一般の共感を得られないと思うのです。また、報道内での彼女の主張には幼いところもあり「こどものこえ」としては正しいけれど「主張」には至っていない。

 

 以前あさイチで「子供に計画的にお小遣いを使わせるには」というものをやっていた。例として紹介された家庭の小学生は「友達が持っているから」と与えられた小遣いをもらったらすぐに使ってしまう。「これが欲しいから貯めよう」という意識がない。指導員らしき人と表を作って「これを買うとこれは買えないから我慢しようね」と言うと「やだー」と泣きだす。そんな子供の金銭感覚を責めても仕方ない。

 

 すごく嫌な考え方をすれば、彼女が貧困である原因は彼女の親が貧困であるからであり、責めるべきは子供ではないと思う。何故彼女の母親は女手ひとりで子供を育てなければならなかったのか。アルバイトしか収入がなく、もっと収入の多い職業につけなかったのか。離婚しているのであれば養育費は相手からきちんともらっているのか。単純に「お金」の問題だけで考えればそういったところを解決するしかないし、「お金」の問題において子供に責任はない。だからお金の使い方で未成年の彼女を責めるのはどうかと思う。

 

 ただ、今のご時世「私は貧乏です(だから金持ちは恵んでください)」というようなメッセージを全国に流すと反発があるのが当たり前だ。彼女の身に何があるかわからない。せめて顔モザイクやイニシャルに出来なかったのだろうか。こういった反発を予想できずにこの企画を通したNHKも甘いと思うし、おそらく裏にはこの子の所属する「かながわ子どもの貧困対策会議」のスタッフも絡んでいると思う。NHKが独自に争点の女子高生に取材したと言うより、この対策会議で報道してもよいという子を選んだのではないかと思っている。第一回の議事録を読む限り、平凡な会議だと思うし「当事者のマスコミへの顔出しは慎重に」なんて意見もある。はて、この意見はどこに行ったのだろう。

 

第1回かながわ子どもの貧困対策会議 - 神奈川県ホームページ

 

 「子供の貧困があるんです」という問題はわかった。だけど報道内で「じゃあどういう解決策があるだろう」という方向性が全く示されていなかったことも炎上の原因になっていると思う。「お金がなくて困っています」はわかる。でも、それだけで終わると「お金があればいいのでお金ください」になる。つまり全国メディアを使った乞食行為に見えないこともない。「進学費用が足りないのでもっと使いやすい奨学金制度を」とか「女性のひとり親家庭の収入が低いのはなんとかならないか」とか、そういう方向を見出さない限り例の報道だけでは「だからおかねください」「かねのあるおまえらずるい」にしか見えない。もちろん「まずは知ってもらおう」というところが落としどころなのだろうけれど、それにしては「当たり前のことが当たり前でないんです」なんて強い言葉を切り取るから変なことになっている。

 

 それと気になったのが会議に出席した高校生の意見。「勉強とか大変な人がいたら力になれるのではないか」というのは「自分に出来ることがあれば力になりたい」ということなのだろうけれど、「お金」の問題で「勉強とか」というワードを持ってくるのは話が全然理解できていないという印象だし、「胸に突き刺さる思いだ」という意見は「かねのあるおまえらずるい」を真に受けてしまった印象を受ける。なんとなくイヤだなぁと思うのが、こういった話を聞いて「お友達は進学できないから私も進学はやめよう」と遠慮してしまうことで、「貧困の解決」ではなく「みんなで同じラインに立ちましょう」が優先されては貧困の再生産にしかならないと思う。

 

 でも一番気になったのが、「イラストが趣味でデザイン系の仕事に就きたい」なんて言って描いたイラストを全国放送してしまったらずーっと「黒歴史」が残るんじゃないか……っていうところ。キーボードの話を抜きにしてもこの報道の要約が「私がワンピースの絵が描けないのはどう考えてもおまえらのせい」になってしまったのはやっぱりよくなかったよなぁと思う。

 

 子供の貧困はやはり親世代の貧困であり、貧困を生み出したのは何かということも考えていかないといけないよなぁと思っている。金銭感覚の教育だったり学歴の有無で就ける職が変わるとか、そういう奴のツケが回ってきている感じがするのです。あとアニメ系の専門学校などは「夢」を売っていて夢では腹は膨らまないということがもっと周知されたらいいんじゃないかなぁと思うのです。お金の問題は「俺の方が不幸だ」になるからマスコミであまりしないほうがいいのかもしれない。おわり。

 

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