あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

プログラミング教育と作文教育とかの雑感

こんな記事を読んで思うことをつらつらと。

 

qiita.com

 

はてブの反応は厳しい。確かに筆者は口が悪いけど、「全くやる気のない奴に何かをイチから教える」という作業をやったことがあったら幾分かは筆者のマイナスな物言いに同情したくなる。


実はこれ、「勉強が出来ない子の傾向」として出しても全く違和感がない。以外筆者の上げた傾向をいくつか「勉強全般」に置き換えてみる。


知的好奇心がない

勉強が出来ない、というより未知の物事に対して興味がなかったり知ることを恐れていたりする。物事の仕組みを理解しようとするのではなく、答えを丸暗記してその場をやり過ごす癖がついている。


そもそも考えることが好きではない

好きとか嫌いという次元ではなく、「思考する」という概念が存在しなかったり考えることに罪悪感を覚えている場合がある。例えば過干渉家庭の子供は親の顔色を伺うことに慣れて自分で考えることが出来なかったり、全て親が先回りするので考える習慣がなかったりする。勉強全般の話にすると、例えば「どうして雨が降るの」「夏と冬で昼の時間が違うのは何故か」という生活に密接した疑問が浮かばない子はいる。これは考える力の他に観察力がないことも原因として挙げられる。視野が異様に狭いため、疑問を疑問と感じない。


検索する癖がない、分からなかったことを分からないままにしていても生きられる

勉強全般の話にすると、わからないことを調べる習慣がない。またはわからないことを質問するという概念が存在しない。そもそも「わかった」が存在しないため「わからない」という概念も存在していない。

 

エラー文や警告文を恐れている・読まない・目に入っていない

丸暗記による0か1かの世界で生きているため、トライアンドエラーを嫌う傾向にある。計算ミスをして「どこで間違ったか確認しよう」という手順を踏まずにただ答えを丸写しする子は意外と多い。


日本語じゃないと諦める(英語を読みたがらない・恐れている)

数学が嫌いな子は「数字がたくさん出てくるのが怖い」と思っている子が多いと思うし、国語が嫌いな子は「文字がたくさん出てくるのが怖い」と思っていると思う。


分かっていないのに分かったフリをする

誰かの回答を丸写しする、家の人に全部宿題をやってもらうなど分かったフリをしてそのままやり過ごすと、中学の真ん中あたりから怪しくなってきて、高校に行く頃にはどうしようもなくなっている。

 

プログラミングができる人やハッカーのことを雲の上の存在だと思い込んでいる

勉強できる人は別の人種だと思っている。故に「できる」というビジョンを描くことが出来ず、勉強に限らず成功体験を得ることが難しくなっている。ここでコンプレックスをこじらせると人間関係のトラブルに発展する可能性もある。


とまぁ読んでいて「プログラミング以前の問題じゃん」という感想を持った次第という話なのですが、どうもこういう話をすると「そんなことない差別だ」という話になりやすい。

 

anond.hatelabo.jp


そんなこと言ったって、出来ないものは出来ないしやろうとしないことは出来ない、もしくはやる気があってもやり方を理解していなかったら永遠にできるものも出来ないわけで。「懇切丁寧に手取り足取り教える」をしても出来ない人は、そこそこいる。もうこれはどうしようもないことで、それを踏まえた社会設計をしていくしかない。


そんなことをつらつら思っているうちにこの前書き損ねたことを書いておこうと思った。「やる気のない人へのアプローチ」のつもりで書いていく。

 

blog.tinect.jp


しんざきさんの勉強アプローチの記事は毎回ためになるけれど、要求する水準が少し高いのでこういうブコメがトップになるのはいたしかたないことなのかもしれない。

 

小学2年生の次女が、サクサク作文の宿題をこなせるようになった「技術」についての話。 | Books&Apps

一番楽しかったことは?「忘れた。」がんばったことは?「がんばってない」じゃあインタビューしてみよう。「えー何を質問すれば良いかわからない」たとえば~「えーめんどくさい」これがうちの子やで。

2019/11/01 10:58

 

しんざきさんのケースの場合は「材料と調理器具はあるけれどどう料理していいかわからない」という場合で、ブコメの場合は「そもそも材料の調達方法すらわからないし調理器具もない」という場合なので話が噛み合わない。ここからは材料の調達と調理器具の適切な使い方を少し考えていく。


予め雛型を作っておく

作文の場合、「はじめに」「つぎに」「それから」「さいごに」の段落構成さえ出来れば大体は見栄えのする作文になる。作文の宿題が出た時、まずは指導者がこの雛型を作成し、そこに意見を入れていくスタイルが重要になる。自由な発想力? そういうのはやりたい人だけやればいいと思います。出来ない人はまず指示通りにすることからです。


質問は「具体的に」「答えが決まっているもの」を

ブコメのやり方の何がまずいかと言えば、「楽しかったことは?」という設問に対する答えがたくさんあるということ。思考する癖のない子供だとこの時点で面倒くさくて後のことはどうでもよくなるので、必ず答えが決まっている質問を設定してください。例えばしんざきさんの場合は運動会の振り返りという題材なのでそこからこんな風に展開できる。


「運動会の日の天気は?」「晴れ」
「最初に出場した競技は?」「徒競走」
「その結果は?」「4位」
「次に何に出場したの?」「玉入れ」
「勝った?負けた?」「負けた」
「その次は?」「騎馬戦」
「結果は?」「帽子を取られたけど勝った」


これなら答えがひとつしかないので答える方もスムーズに質問に答えていけるだろう。しんざきさんの場合はたまたま子供に質問力があったので自分で考えさせることが出来たが、子供がそこまで意欲のない場合には指導する側が質問をするしかない。本来は学校でここまで済ませて置いてもらえればいいのだけれど……。


出てきた事実を元に感想を考える

具体的な出来事がわかったら、それにひとつずつコメントを付ける方式で感想を考えればとても立派な作文になる。「天気が晴れて気持ちよかった」「徒競走が4位で悔しかった」「来年は勝ちたい」など話しているうちに「なんで開会式でラジオ体操をするんだろう」「友達が転んでビリになったけど最後まで走って偉かった」「6年生のダンスがかっこよかった、自分もあんな風に頑張りたい」など質問以外の出来事にも触れることができるかもしれない。


この辺は作文指導以外に普段からの会話力やコメント力が試される。素朴に「よかったね」「かわいそうだね」「それは怒りたくなるよね」「これはそんなに興味ないね」など、子供から引き出したり指導する側の感想を伝えるなどして「こういうときはこういう言葉があるんだ」という学習が出来れば良いと思う。引き出しを増やすのも立派な作文教育。


紙に清書するのは一番最後

実は作文を書くのが嫌いな子にはいくつかパターンがあって、「意見を考えるのが苦手」なパターンや「文字を書くのが苦手」というパターンやその複合型などがある。だから作文に苦手意識があると指導する側が思ったら下書きなどはタブレットの文字入力機能を使ったり、指導する側が代わりにメモを取ったりして文字を書くことを最低限減らすことが重要になる。書くことが決まっていてあとは字を書くだけ、となれば子供の心的負担もかなり減る。


以上、ブコメを見て「こんな指導が出来ないかな」と思ったことでした。もちろんこれもいち指導例で、お子さんの状態によってアプローチを変えなければいけないことはたくさんあるでしょう。常にケースバイケースだから教育とは難しい分野なんですよね。


まとめ

最初の話は「学習出来ない人」というのはどの分野にもいて全体的に学習自体出来ない人であるということで、個人的にプログラミング教育なんかやってる場合じゃないと思う。次の話はそんな場合は相手の出来るところまで降りていってじっくり学習することが大事ということで、そんなこと言っても出来ない子は全く出来ないし、無限にアプローチを変え続けるのも大変なので教育ってやっぱり大変っていう話でした。おわり。

 

最近「感想」について思ってること

ちょっと思ってることをまとめておく。話題がふたつなので話が長いです。前半は宇崎ちゃん、後半はジョーカー絡みですが言ってることは大体一貫してるつもりです。長い話が嫌な人は結論だけ読んでください。あと宇崎ちゃんの絵がセーフとかアウトとかいう話では全くないのでそういうのが読みたい人はお帰りください。


結論

万人受けする表現もないし、万人が納得する批評もない。「これは不快だ」という意思表示含めて表現に反対する人は必ずいる。それを踏まえて話をしないと何を言っても議論ではなく喧嘩にしかならない。


以下本文です。

 

お前らってクラスの女子に面白い漫画貸してって言われたら宇崎ちゃん貸せるの?

人によるとしか。普段から映画観ない人に「ミュージカル映画教えて」と言われても基本的にダンサー・イン・ザ・ダーク勧めないし、人によっては勧めるとしか/「面白い漫画紹介」と「ポスター掲示」の関連性も微妙。

2019/10/28 09:42

 

こんなブコメをしたんだけど、漫画じゃなくて「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を選んだのには100字じゃ言えない事情がある。以前どこかのブコメでもした実話である。


「初心者向け」という看板

ちょうど「ラ・ラ・ランド」がヒットしていたあたりの頃、TSUTAYAに行ったら「初心者でも楽しめるミュージカル映画特集」っていう棚があって、大正義「サウンド・オブ・ミュージック」や「雨に唄えば」、そんで「ANNIE」や「ヘアスプレー」に混ざって「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も置かれていて、「これはちょっと……」と思ったという話。


普通に考えて、特集コーナーなんだから「ラ・ラ・ランド楽しかった~! 他のミュージカルも見てみたい!」って人が対象なわけで、「ミュージカル映画ならなんでもいいわ」って人向けではない。いや、ビョークの歌声は最高なんだけど、多分「ラ・ラ・ランド」見てミュージカル映画見たいと思った人は絶対見ないだろ、というか間違えて見ちゃってミュージカル映画嫌いになるかもよとも思う。


だけど、じゃあその棚に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を置いちゃいけないのか? と言われると排除するまでのことは無い気がする。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は映画として面白いし、ミュージカル映画に興味のある人には是非見てもらいたい作品ではある。でも「初心者」と看板を立てられると、どうもしっくり来ない。そもそも「初心者」とは何なんだろう。


万人受けする表現はない

ここでは初心者を「あまり作品の記号に触れていない人」だと思って話を進める。とにかく物語やキャラクターというものには記号的な決まり事や「お約束」という物事が多い。だから記号を理解していればとても面白く、逆に記号を理解できなければ途端に難解になってしまう。


そこでお約束を理解していない場合、途端に面白さは半減する。ひとつは単純に面白さが理解できないというところ、もうひとつは「面白がる前提条件がある」ことに納得がいかないというところにあると思う。後者は内輪ウケなんかが理解できなくて蚊帳の外に出てしまったような寂しさがあるのだろう。まあ面白くないよね。


ここで自分の「面白くない」をいくつか例に上げてみる。初めに「カードバトルものアニメ」。カードゲーム自体にそれほど興味が無いのでこういうアニメをたまにテレビで見かけても「うーん、何が面白いのかさっぱりわからない」となる。もちろん「カードバトルめっちゃ好き」という男子の気持ちは尊重したいし、自分にとって面白くないからと言って滅べとも思わない。


また、超万人受けすると思われるコンテンツ「アンパンマン」も個人的にはちょっと受け入れ難い。子育てに関わっている人ならわかると思うけど、基本的に幼児グッズというのはアンパンマンに駆逐されている。おもちゃ売り場にはかならずアンパンマンランドが建設されていて、一歩中に踏み入れたら価値観全部がアンパンマンになってしまう。


他にも苦手なところがあって、話が「キャラクター頼み」で特に話の展開がないというのも辛い。なんとかマンが出てきてバイキンマンがやってきてなんとかマンの邪魔をしてアンパンマンが「やめるんだ」とか言ってバイキンマンが攻撃して「新しい顔よ!」となってバイバイキーンになって、おわり。これ以外にもいろんなパターンはあると思うけど、どうしてもなんとかマンを魅せたいので話が単純にならざるを得ない。幼児向けなんだから仕方ないと思う反面、アンパンマンに慣れすぎるとキャラクター把握でしか物語を理解できなくなるのではという危惧もしている。実際昔からの童話をアンパンマンに置き換えて話を作っている動画なんかもあって、もう世の中がそのうちアンパンマンに駆逐されるんじゃないかと気が気でない。そういうわけで個人的にアンパンマンは好きじゃない。だけど子供が無邪気にアンパンマン好きなところに上記のことを言いながら入っていく気もない。完全にマイノリティである自信はある。


何が言いたいかといえば、公共のポスターにカードバトルもののキャラクターが使われていれば「同じようなものを量産して楽しいのかな」と懐疑的になり、アンパンマンが使われていれば「こんなところにも増殖してきたかイースト菌野郎が」くらいは思う。思うけど、公共性の高いものなんだろうと思って何も言わない。彼らにも露出する権利があるし、彼らのファンに突っかかるように言うのもかなりの野暮であるからである。


宇崎ちゃんのポスターについて

でも宇崎ちゃんのポスターの場合は違う。宇崎ちゃんポスターを批判している人は「巨乳の表現に傷ついて、巨乳を性的消費している人たちに怒っている」という構図である。ぶっちゃけそこに宇崎ちゃんは存在しなくて、「宇崎ちゃんを見て傷ついた私に謝れ、取り下げろ」となっている。だから議論するべきは「宇崎ちゃんはエロいかエロくないか」ではなく、「いち表現に傷ついた人をどこまで救済するかしないか」ではないだろうか。


その時大事なのは「その作品を見て、どう思ったか」ではないだろうか。そこに作者の意図なんていうのは存在しなくて、どんなに誤読があっても「私がこう思ったからこうなんだ」っていうのは尊重しないといけないと思う。ただ宇崎ちゃんの場合、一足飛びに「環境型セクハラ」と断ずるのではなく「私はこのポスターを不快に思う、次からはこういう場所に掲示するならこういう構図は辞めてほしい」と主語を明確に「私」にしたほうがよかったと思う。当たり前だけど宇崎ちゃんが嫌だと思う人もいれば、宇崎ちゃんの漫画が好きな人だっているからね。「環境型セクハラ」だと「私以外にも傷ついている人がたくさんいるんですよ!」というニュアンスが含まれてフェアじゃないと思う。


元の宇崎ちゃんを女子に貸せない増田は「俺は無理」って言うけれど、それはクラスの女子が「宇崎ちゃんのような漫画はきっと好みではない」という偏見を持っている時点でフラットな視点ではない。もしかしたら宇崎ちゃんみたいな漫画が大好きかもしれないし、もしかしたらよく知らないクラスの女子はエロ同人書いてるかもしれない。ワンピースオタクかもしれないし、そもそも漫画なんて読んだことないかもしれない。


だからこそ、個人と個人の貸し借りは「人による」としか言えない。その人がどんな人かわからないのに個人に何かを勧めることは相当難しい。万人受けすると思って「HUNTER×HUNTER」を貸しても「絵が好みじゃない」とか「話が難しい」とか言われるかもしれないし、「サザエさん」を貸しても「読むのがダルい」と言われるかもしれない。ちなみにサザエさんにとあるトラウマがあってサザエさんを見るだけで嫌なことを思い出すという知人がいる。サザエさんだって誰かの地雷になりうるわけで、本当に万人受けするコンテンツというのは難しいということをとりあえず言いたいわけです。


だから、まあ、宇崎ちゃんをあんまり責めるのもどうかと思うし、逆に「お気持ち」と揶揄しすぎるのも失礼だと思う。宇崎ちゃんを見て嫌な気持ちになった人がいるのは事実だけど、その事実を客観的に証明しようとすればするほど「何故私はこの表現が嫌いか」ということになり、その表現が好きな人をまた傷つけていく構図になってしまう。まあ不毛だよね。誰も幸せにならない。


どちらかと言うとこの問題の根っこは表現の方法というより「双方やたらと喧嘩腰になる」方が根深い気がするのだけど、その辺は何故なんだろうね。多分お互いを仮想敵にして勝手に憎悪を募らせているだけだからだと思う。一緒にご飯でも食べて話し合えば案外解決するんじゃないかと思ってる。無理か。


「感想は自由」なのは本当?

ここで宇崎ちゃんの話から離れて「誰がどんな感想を抱いてもいいのか」という話になる。確かに心情の自由はあるし、どんな感想を持とうが誰も知ったことではない。源氏物語を「罪の子持ったらお前も浮気され返されてやんの、はい勧善懲悪」と昔の人は言っていたけど、今はそんな風に解釈する人はほとんどいないだろう。だからといって昔の人が劣っているとか間違っているとかそういうことではない。かくも感想とは難しい。

 

note.mu

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少し前に話題になったこのジョーカー評とそのツッコミだけど、読めば読むほど「個人の感想というのはどこまで許されるのか」と不安になってくる。


正直槙野さんの記事を読んだ直後の感想は「この人ちゃんと映画見たのかな」だし、映画でも明示されていないわからないことをさもわかったかのように書いている時点でジョーカーよりも信用できない。ついでに言うとTwitterで「映画はほとんど見ないけど小説はいっぱい読むから物語の構造はわかるよ!」みたいなことを言っているけど、とっても恥ずかしい台詞すぎてわざとやってるのかなと思った。

 

 


槙野さんのジョーカー評については増田のほうで丁寧にツッコミがなされているのであまり触れないけど、ひとつだけ言うとするならジョーカーがジョーカーになったのを、

「自分にはもっとすばらしいものが与えられるべきだったのに、そうではなかったから、自分が与えられるべきだったはずのものをもらっているやつらを燃やす」


と書いているけど、実際はとある明確な出来事がきっかけでジョーカーに変化する。その出来事に触れないで憶測でこのようなことを書くのは不誠実であると思う。「北斗の拳」のサウザーのことをお師匠様のエピソード抜きに最初から慈悲のない男と言い切るようなものである。


しかし、槙野さんは「そう思った」んだろうから、その感想は尊重しないといけないのかもしれない。実際槙野さんの感想に「共感した」というコメントもいくつか見受けられる。とはいえ、相当映画の内容を逸脱している。これはこれで許してしまっていいのだろうか。


「カッコイイ」のみの感想

話は変わるが、民放の連ドラを見ていたときの感想に纏わる話をする。Twitterハッシュタグでドラマの感想を探してみたら「俳優の誰々がかっこよかった」という情報しか入って来ないという事態に当初は困惑し、「この人たちは本当に同じ作品を見たのか」と不安になった。もちろんちゃんと探せばそれなりの感想を探すことはできるけど、「かっこよかった」のノイズを除去する作業はなかなか大変だ。ヒロインの苦悩とか問題の解決とかお話として見るところはたくさんあるのに、「俳優がかっこよかった」しか呟かれないのはどういうことだろう。


対照的に朝ドラや大河ドラマなどは「俳優かっこいい」のツイートもたくさんあるけれど、「どこどこのシーンの誰がよかった」「誰々がかっこいい、次回はどうなるのだろう」とストーリーに言及する形で呟かれることも多く、感想を探すことでノイズを除去するという感じはあまりない。


これは動機の違いなのだと思う。朝ドラや大河ドラマは「ドラマ」を見たい人が見ていて、俳優がかっこいいのは副次的なものだから自然と内容に言及したツイートが多いのだろう。先程の民放の連ドラは内容よりも「俳優」を見たい人が見ていて、ドラマの内容よりも俳優がどんな動きをしたのか、どんな顔をしていたかのほうが重要なので内容についてのツイートはあまりしない。それどころか「とある人物はかわいそうな境遇であるので何か手助けを」という話なのに「あの人物かわいそうぶってムカつく!」という製作者の意図を大幅に汲み取れない感想も出てくる。


当たり前だが、「かっこよかった」だって立派な感想であり、真面目なストーリーの考察の邪魔だから呟くなというのは相当おこがましい話である。しかし、個人的な心情を述べれば「製作者の目に入るものは製作者が喜びそうなことを書いた方がよい」と思ってしまう。せめて「どこどこのシーンがよかった」「このセリフは心に響いた」「来週の展開が気になります」など、一言でもいいから内容に触れてあげて欲しい。ドラマは俳優のPVではないのだから……。


ちなみにWebでテレビドラマの感想を探すと「あらすじネタバレ感想」というサイトが大量に引っかかり、半分くらい出演者の名前であとは本当にあらすじだけ書いてあって感想は「ハラハラしました!」くらいで終わりというものがまだまだ多いのでTwitterよりノイズ除去の心的なハードルが高くなるのであまりオススメしません。頑張ってるブログもあるんだけど、現状かなりキツいのと自分に合うレビューブログをまだ見つけていないのでぼちぼち探していきたいなと思います。


映画感想を書いてる人たちが気をつけていること

そんなわけで「面白い感想が見つからないから自分で書いてやる」とずっと映画感想のブログを続けてきているのですが、映画の感想になると「かっこよかった」オンリーの感想ってすごく減るのが興味深い。俳優目当ての感想であっても大体ちゃんと映画全体の感想になっている。この差はテレビドラマと映画という媒体の違いも大きな要因だと思う。CMを挟みながら数十分の物語を何週も見ていくのと、二時間まとまった内容の話を見るのとでは湧き出る感想も違ってくるのだろう。


自分が好きで見ている映画感想ブログを書いている人たちは文章が上手というか、思ったことを的確に書くことができていると思う。同じ感想だと嬉しいし、違う感想になったとしても「この人はそう見たのか」と違う視点を貰った気分になる。そんな人たちを観察して、「これが感想を書く上で大事な視点かな」と思うことをいくつか発見した。


ひとつは、基本的に肯定的な意見を書くということである。正直映画の悪口ばかり言っているブログはそんなに面白くないし、特に監督や役者の悪口に徹しているものは不快である。ただ、時には面白くない映画の感想を書くこともある。その時は「この点がつまらなかったが、この点は面白かった」とプラスの点も併記してあることが多い*1。そういう記事はきちんと映画を見ている感じがして好印象である。


もうひとつは、主語を「私」に限定してあることである。「私はこれを面白いと思うけど、つまらない人もいるかもね」「これは私の好みではないからつまらないと感じたけど、こういうのが好きな人は是非見てみて」と、どんな人が読んでも「個人の感想だから参考くらいにしてね」という感じがある。いろんな人が読むのを想定して書いているのは誠実であると思う。


ここで槙野さんのジョーカー評を思い出す。確かに冒頭に「個人の感想です」と書いてあるが、槙野さんの文章には2回も「おわかりいただけただろうか」というフレーズが出てくる。個人の感想であるのに、読者に「私の見解は以上のように正しい」という印象を与えてしまうし、そのように書かれているように見える。これは感想ではなく批評に近い。批評であるならば「個人の感想」では済まない。いろんなところから怒られても文句は言えない。ついでに言うなら、そういう反応を期待してわざとこういう記事を書いたと言うならそれはそれで悪質だなぁと思うし、無邪気に書いたのであってもやっぱり救われないなぁというのが個人的な印象です。


しかし、槙野さんは「そう思ってしまった」のだから、それには自信を持って欲しいし、変に撤回などはしてほしくない。ジョーカー評の増田が変に個人攻撃していることは気になったが、それに負けずに槙野さんの詳しい小説の分野などでちゃんと作品レビューができることを証明されたらいいのではないかと思いました、はい。

 

まとめ

長々と書いてきたけど、要は「どんなに気をつけても万人受けする表現はないし、万人が納得する意見もないんだからその都度折り合いを付けていくしかないだろう」ということです。宇崎ちゃん*2や変な感想を見つけて「嫌だな」と思うことはあっても、「不快だから取り下げろ」と言うのはちょっとどうかと思う。その代わり「私はこの表現が嫌だと思った」ということを伝える権利はあると思う。ただ、万人が納得することは絶対ありえないのでどこで落とし前をつけるかはその時次第、ということでいいんじゃないのかなぁと思う。長くなりすぎた。おわり。

 

*1:もちろんこき下ろす時は徹底して論拠を出してこき下ろしている。

*2:明確にセクハラかどうかとっても微妙な奴。

自分軸他人軸と空気を読みすぎることについて

みんな考えただろうことを敢えて書いてみるスタイル。先に結論を出してあとはグダグダ行きます。

 

 

togetter.com


【結論】

Twitterでガバガバな啓発漫画は公開しないほうがいい*1。おそらく「You should~」という内容の発信するのに相当向いてないし、発信者自体がよく内容をわかっていないことも多いのではないだろうか。ゆえに現状では避けた方がいい。とはいえ自分の思ったことを発信したい、という気持ちを抑えるのもとっても難しい。そこはやっぱりTwitterというメディアの暗い部分なんだろうな。おしまい。


【自分軸と他人軸の漫画について】

個人的な見解を先に述べれば、ただの白ハゲ漫画じゃんということにしかならないのですが、ブコメにも書いた通り「漫画にする必要はどこに?」というのもあります。


本人としては「思ったこと」を漫画に吐き出したかっただけなんだろうなと思う。でも漫画にするには文字が多いし、絵があることで自分軸のタイプに変な印象がついてしまっている。自分軸のメリットである「安定感」が絵から伝わらず、逆に他人軸の不安定さも伝わらないためにボワーっとなったんだろうなと推測する。


いきなり自分の話になるけど、自分は生まれつき爪が弱い。少し伸ばせば先が割れるし、マニキュア的なものを付ければ爪が波打つ。そんな自分基準で生きてきて、ある日マニキュアを塗りっぱなしの人に「よく爪が傷まないですね、何か特別な手入れでもしてるんですか?」と尋ねたところ「え、爪ってそんなに頻繁に割れたり傷んだりする? 今まで1回もそんなことない」と相手もびっくりして答えてくれました。このエピソードから「自分では当たり前のことでも他人からすればそうでもないし、逆に他人の当たり前は自分にとってはそうでもない」ということを学びました。


つまり他人軸だろうが自分軸だろうが最終的に「自分の世界のことしか自分は知覚できない」ってことだと思うんよ。他人軸の人だって自分軸の人の気持ち全く考えてないじゃん。「自分はこうなのに、なんで相手はこうしてくれないの?」って、それすごく自分軸じゃん。この話題を書くんだったらもう少し頑張って燃えないように予防線張っておくべきだったなとは思う。


というか、自分はおそらく自分軸の人間だからなのかもしれないけど漫画の中の「要望を命令だと思ってしまうので要望をはっきり言わないことで相手に選択の自由を与えようとしている」っていう部分がなかなか意味不明。いやそれ自分とか他人じゃなくて、アナタ自身の問題なんでは? とか思う。まぁ自分の性格かなと思わないで自分の性格は人類を分類できると思っている時点でかなり他人に価値観を預けている気はする。


【空気を読みすぎたJK漫画について】

そんで同時期にこれがヒットしていたのも偶然ではないのかもしれない。お話としてはどちらかというとホラーテイストなのでタイトルで失敗した感じがします。


まず、主人公は全然空気を読んでいない。「空気を読む」ということはその場で最善とされる選択をすることだと考えると、意に反してなし崩しに恋人関係になったり自分を好きだと言ってくれてる人に対して自分の気持ちを伝えないというのはあまりにも空気を読めていない。


おそらく、主人公は自己と向き合うことがどういうことかよくわかっていないのだろうと思う。パンケーキが食べたかったのなら松木くんとパンケーキに行けばいいし、浴衣が嫌だったらはっきりそう伝えなければいけない。恋愛以前に友達ともしっかりコミュニケーションがとれているかどうかも非常に怪しい。主人公の行動パターンは「~してほしい」という要望に自分の意志を挟まずなんでも安請け合いをして不都合があっても我慢をするということの繰り返し。学生だからこれでいいのだろうけど、この先社会へ出て真っ当に生活を遅れるのか不安になる流されっぷりだ。


ここで自分軸と他人軸を持ち出すと、この主人公は自分というものを表現する術がないので自分軸とは呼べない。では他人軸かと言えば「気配り」とはほぼ遠い位置に存在する。「その場を誤魔化す」ことと「周囲の人のことを考える」は全然違う。さてこの主人公をこの分類で分類するならどうなるのか。


まず、そもそも自己の軸が存在しないので軸という言葉は使わないほうがいい。それを踏まえると「他人に依存して自己を誤魔化す」タイプだろう。現実では親に抑圧されている人がこのタイプに陥りやすいのだけど、漫画の中では親にはしっかりNOを伝えているのでこのどうしようもない性格は彼女本来の性質ということが強調されている。


しかしこんなに面倒くさいコミュニケーションしか取れない人物がここまでよく無事に大きくなったものだと感心する。小学校とかで壮絶にいじめられそうなものだけど。その辺も転生後に出てくるのだろうか。


まとめると、お話としてはホラーとして面白いんだけど「空気を読みすぎて」というタイトルがミスリードすぎるのがちょっと鼻につく。「断るのが下手な」「流されがちな」あたりにしておけば無難に浸透したのではと予想する。


【まとめ】

上記の結論で言いたいことは全部言いました。おしまい。

 

 

*1:医療系や特殊な体験談など異論のないものはまぁいいんじゃない?

今更逆転裁判4プレイ記録 後編

お待たせしたのか後編です。まぁ想定通りのリアクションしてます。もちろん全てにおいてネタバレしまくってるのでプレイ予定のある方はお帰りください。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

逆転裁判4 - 3DS

逆転裁判4 - 3DS

 

 

【3話 逆転のセレナード】

今度はライブ会場で殺人事件とかですか。毎回第3話はトンチキな設定なんだからその辺期待していいんだよね! さっきの北木一家にムギツラさんでかなりアクの強い人出てきたけど、大丈夫だよね?


そういうわけでライブシーンのムービーなのですが、やば!かっこいい! 流石DSで出してるだけあって、この辺凝ってるよなぁ。派手にギター燃えてめっちゃ慌ててるけど、これ事故とかじゃないよね。もう一回見たいなあ。

(追記:この時はそう思っていたのです。プレイ記録なのでこの辺のことは正直に書いています)


そんで殺人事件発生。今回の被害者はマネージャーのレタス氏。また適当な名前だな。しかも45口径とか穏やかじゃない。心ゆくまで楽屋を調べてからあちこちを巡ることに。あのヘッドセット拾えないのかな……。


ステージでミキサー調査。正直事件とどう絡むのかよくわからないのでやる気が一切出ない。ただ牙琉検事は少し気に入ってきた。鍵を失くすしギターは燃えるし、かわいそう。ダイアン刑事はとっても面白い髪型。今回チョイ役じゃなさそう。


あちこち移動するんだけど、楽屋とステージだけで狭いな。2-4みたいなイメージなんだけど、あそこより狭い気がする。話す人物が少ないからかもしれない。変なオッサンが出たり入ったりするのはどうせ後でなんかあるんでしょ。


そして、やっぱり茜がイトノコポジで確定っぽい。なんでかりんとうサクサク娘になって帰ってきたのかよくわからないので悲しいけど、茜ちゃんお姉さんみたいなかっこいい検事を目指してたんじゃなかったのかな……1-5で感動した笑顔を返して。


そんで死体が消失して、何故か舞台の上に。おお、びっくりした、と思ったらもう裁判?


はやくね!!!????


しかも被告人、状況だけで逮捕されてね? 過去シリーズでは「絶対的な証拠」とか「揺るぎなさそうな目撃証言」とか、そういう絶望的な状況だったんだけど、今回は本当に状況証拠しかない。これ、弁護するのカンタンなんじゃない……?


そんで早速ラミロアさん登場なんだけど、絶対「めがみ」は「女神」じゃなくて「目が見えない」とかでしょ。逆裁シリーズファンじゃなくてもある程度予想できるでしょこの展開。だからマキ・トバーユは大事な目撃者で真犯人じゃない、エンドみたいな話でしょ。


つーか「みぬく」むずい。わかんないよ! 20分くらい格闘したよ! っていうか、今まで思ってたけど裁判でこれやったら完全な言いがかりでしょ。「そこだ!」じゃないよ。っていうか、目撃者追い詰めてどうすんの。先が見えないよ。


そんでなんで法廷でルミノール試薬使うんだよ! そういうのは探偵パートで済ませておけよ!!!!! てっきり次の日に持ち越しになってるもんだと思ってたよ!!そんでなんでレタスはそんなん書いたんだよ!!!犯人に繋がる何か書こうよ!!!


え、ラミロアさんが目が見えないの!? 目撃者は目が見えない、ってラミロアが目撃者でFAなの? っていうか、真犯人お前か!あ、でもスピーカーの声を勘違いしたということはない?ない? でもラミロアさん目が見えないし、話し声とスピーカーを混同したって考えるのは難しいな……。


法廷終わって、7年前の話来た。やっぱりみぬきちゃんは養女だ。変なおっさん、或真敷バランからビデオテープを貰う。まだ12年前はビデオも存在してたのかな……。


スタジアムに向かって行ったらタイホくんが風船配ってるwwwwww 背景だけで笑わせに来るとか卑怯でしょ。タイホくん、1-4の1発ネタで終わる可能性もあったのに、よくここまで浸透したな。やっぱりうごめくタイホくんがみんなのトラウマになってるからかな。


茜と捜査すると、発火装置が見つかる。これでギターを燃やしたのか。しかし何故? あと部屋に発火装置があったことから爆竹か何かを使って発砲音を作った可能性も出てきたな。


外に出たらダイアン刑事に会うんだけど、こいつむちゃくちゃ怪しいな。でもアリバイは鉄壁だし、まさか爆竹で誤魔化して……とか? その辺はこれから明らかになっていくな。


牙琉オフィスかっこよすぎ。みっちゃんのオフィスとはまた雰囲気が違うな。そんでこの人トンチキ検事だと思ってたけど、彼なりに努力してるんだなーと少し見直した。兄貴があんなんなっちまったからなぁ。


そんで今回の動機っぽいボルジニアのマユ……多分これが犯行の原因でしょ。レタス氏はこのマユを追いかけていて凶行にあった、と。この動機があとから分かってくるの3-3みたい。あっちは最初からもっと伏線張ってあったけど。


結局マユのことをあまり教えてくれず法廷突入……マキの話聞かせてくれよ。っていうか、マキとほとんど意思疎通できてないし。これで弁護人ってどうなん? 通訳つけてもらえないの? どうなん? てかこのタイミングで出てきたダイアン超怪しい。お前が犯人だな(確信)。


とか思っていたら、マキ日本語喋れんじゃん。マキの「みぬく」が簡単でよかった。殺人犯にされてんのになんで黙ってたんだ。やっぱりお前、なんか後暗いところあるんだろ。


ラミロアさんの尋問続けてて、事件の謎がなんか見えてきたぞ、ラミロアさんが見たのは通気口の上からで、見たのは消失トリック中か。そんでブローチが落ちてレタス氏はラミロアさんが犯行時に通気口の上にいたのを知っていて「めがみ」発言をしたのかな。どうなんだろ。


ここでビデオテープ検証。ブローチは一発でわかったけど、トリックのことを証言して欲しいならバラン呼べばよくね??? バランと連絡とれないの??? なんでこの人たち自分で解決しようとしてんの??? バラン呼べよ。もう何回も映像みなくていいでしょ。


そんでダイアン追い詰める所まで来たけど、ミキサー指摘面倒い! これ意味あるんですか、ってくらいめんどい。銃声が入ってました、はまだしも片手で弾いてます、っていうのが……足でもスイッチ操作できるんじゃない? っていうかマキ、スイッチは回収しておこうよ。


そもそもココロのカギを盗める人が犯人と考えると、真っ先にガリューウエーブのメンバーが怪しいよな。誰もその点に触れていないのが非常に気になったし、誰も牙琉響也を疑っていなかったのも気になった。みっちゃんレベルでやばかったと思うんだけど。


結局状況証拠だけで自白したダイアンが真犯人ってことになったけど、なんで密輸なんかしたの? そもそも特効薬にしてから日本に販売すればよくね?? それにしてもチリョーレスという名前がひどい。不治の病じゃん。


そもそもレタス氏は何故殺されたのか。ダイアンはどうして密輸なんかしたのか。ギターを受け取った牙琉響也に責任はないのか。ラミロアさんばかり喋っててマキがどういう人物なのかさっぱりわかんないし、とにかく謎が多すぎる!! 全部よかったよかったで終わらせないで欲しい。最低限の回想くらい欲しかったよ。


つーかダイアン逮捕されて大丈夫なん?一応警察官の不祥事だし、ガリューウエーブのダイアンメンバーじゃん。やべぇじゃん。大丈夫なん?


あとこれは第2話もだけど、弁護士と被告人のコミュニケーションがない! なるほどくんはかならず被告人に「あなたはやってませんね」って確認して信頼を置いてから法廷に立っていたけど、王泥喜くんというか被告人がコミュニケーションとれなさすぎてプレイヤーが不安になってくる。滝太もひどいと思ったけど、脳内で美波を庇っていたという設定にすればあの態度もなくはないんだけど、今回のはちょっと、どう反応したらいいのかわかんないよ……それに状況証拠で自白って、それ「逆転」なんですか……最終話が不安だ……。

 

【4話 逆転の後継者】

いよいよ最終話。なんか変な導入なんだけど、妙ちくりんなことにならないといいな。

裁判員制度。そういえばそんなものが導入されたころの話だったのか。しかし一介の元弁護士(しかもバッチ剥奪)がそんなのを仕切ることができるんだろうか。みっちゃんの手でも入っているのだろうか。


被告人のまことちゃんかわいい。それに名前がまたいい。名前からもうどぶろくスタジオが贋作工房とわかってしまって辛い。明らかに怪しい絵もおいてあるし。


部屋の中を科学捜査するんだけど、ここが面白い。X線とかこういう作業系はワクワクする。4で1番盛り上がるところじゃないだろうか。


タイホくんがいるスタジアムに行くとバランがいるけど、相変わらず胡散臭い。こいつも何か隠しているな。ハミガキを毛嫌いしているのもなんなんだろう。とにかくハミガキに会ってみよう。


うわ。


逆転裁判の悪い部分を煮詰めたようなクソ怪しいおじさん出てきた。話を聞かない、自分の話はしまくる、仕草がキモイ。完全に逆転裁判のために生み出されたおじさんじゃん。


どぶろくスタジオに戻ってきて絵を調査すると、下から今までの裁判で扱った事件が浮かび上がってくる。え、普通に気持ち悪いんですけど……謎というよりドブロク氏ストーカーかよという気分になってね。


早速裁判でハミガキ氏の尋問しながら真相が見えてくる。切手を舐めて死んだのかな。手紙を書いていたとか切手を探しいていたとか。あの額の中にあったのは切手だったのか。


とこでハミガキのみぬく、難しくない? 30分くらい格闘したけどダメで結局答え見ちゃったけど、無理でしょこれは。そんでそこを「そこだ!」とかってドヤっと突っ込むのも法廷ではダメでしょ。完全な弁護側の言いがかりでしょ。


でも贋作を作っていたのはまことさんっていうのは意外。ドブロク氏はまことさんを庇って亡くなったのかな。それとも間違って殺されたのかな。そしたらまことさんが倒れて、法廷は中断。爪に毒が塗ってあったのか……マニキュアかぁ。


そしたら7年前の裁判に飛んだ。全てはここから始まったんだもんなぁ。さっさと7年前に何があったのか教えてよ……って、或真敷ザック、お前裏伏じゃねえか!!!!??? ボーンチャイナじゃん!!! ああああ、事件がめっちゃ繋がったよ。


事件は或真敷天斎の射殺事件。余命幾ばくもない老人を殺してどうするんだというところではあるが、とりあえず審理を進める。イトノコさんが出てきてすごく安心感があるけど、多分この事件だけなんだろうな。


推しがイトノコ刑事って前置きで書いたけど、彼はただのうだつの上がらない刑事だけじゃなくて、ちゃんと信頼しているものは信頼しきるっていう熱いところがあって、そこが好きなんだよね。1-4で皆が御剣を疑っていた時、警察で1人だけ御剣を信じ続けていたり(ここでめちゃくちゃ株が上がった)、から回っていながらも3-3でマコを支えようとしていたり、なんだかんだでなるほどくんを信用しているとか、そういうところが人間臭くて好きなんだよね。3-5の捜査中の歌とか小ネタも好き。


イトノコ談議は置いておいて、バランを尋問するとむちゃくちゃ怪しい。まさかこいつが殺してザックに罪を擦り付けようとしたのか……? てゆーか、病院なのに誰も銃声聞いてないのおかしくない???? 点滴の残量とかそういうのよりもっと直接的な目撃証言あってもいいんじゃないの??? 仕掛け銃なんだから、サイレンサーなんてないだろうし。


そんで出せるものもなくなって仕方なくノートの切れ端を出したら、即座にドブロク氏が法廷に呼び出されて「それはワシが作った」と証言。


いや色々おかしいでしょ。なんでドブロク氏いるんだよ。誰だよ垂れ込んだの。まずみぬきちゃんを証人喚問して誰から証拠を貰ったのか話させようよ。証拠が全てなのに、この人たち状況証拠でなるほどくんを犯人にしたな……。


その辺細かく突っ込むとキリがないから先に進もう。


先に進んだら謎のシステムとやらが出てきて、なるほどくんがカッコつけてて「事件の全容を」と言い始める。それから過去や現在に移動してサイコロックを解きまくるんだけど、なんで現在で手に入れた証拠品を過去で突きつけられるんだろう……ここは深く考えちゃダメだ。ザックが何で逃げたのかも結局納得出来る理由が思い浮かばなかったし……ハラバイススムが出てきたのも特に意味がわかんなかったし……。


現在の裏伏ザックと話していて「実はノートの切れ端持ってたんだよね」って言われて、いやそれ7年前に出そうよ! って声に出てしまった。そんで王泥喜くんがなんで「みぬく」が出来るのかって話もちょっと唐突すぎてよくわかんない。或真敷一族の力っていうけど、いきなりすぎてよくわからんよ。まぁ霊媒がある世界だし、まぁいいか……。


しかも或真敷天斎が自殺という話で、何だか一気にバランが気の毒になってきた。偽装したバランも悪いけど、一番悪いのは変な殺し方頼んだ或真敷天斎じゃん。娘の復讐の意味も兼ねていたのかな……。


あと牙琉霧人の独房が面白すぎた。独房にしては豪華で超ウケる。黄色い封筒が置きっぱなしなのもお茶目で好き。


何とかシステムとやらを突破すると最後の法廷に突入。ここで牙琉霧人をギャフンと言わせるって寸法だな。しかしこの先生、状況証拠だけならクロだけど決定的な証拠ってあるのかな。黄色い封筒?? それとも3-3みたいに口を滑らせるのを狙うとか1-4みたいに「発想を逆転させて」追い詰めるのか。


しかしここにきて牙琉響也の株がちょっと上がった。彼は彼なりの信念で検事やってるんだなぁって思うとなんだか憎めない。響也自身も隙だらけのポンコツなんだけど、それ以上に周りがポンコツすぎて相対的に株が爆上がりだ。


そんで法廷でも「そんなの状況証拠に過ぎない」で一蹴されまくる。まぁそうだよな。法廷で語るのは証拠品のみだからなぁ……案の定黄色い封筒だって「牙琉霧人が手を下した」証拠にはならんのだよなぁ……あ、これ裁判員裁判だから証拠品がどうとかいうより、裁判員の印象で有罪か無罪か決まるって奴か。


え、ということは特に証拠品なくても先生の有罪決まるわけ? この裁判はまことさんの裁判だからまことさんは無罪、と。


え、それでいいの? 先生ブレイクしているけど、本当にそれでいいの? 大丈夫? これで終わり? 終わり? うわ、本当に終わった!!!!!


なんにも証拠品突きつけてないのに終わった!!!!


めでたしめでたし、じゃないよ!!!!


ラミロアさんが或真敷優海だったとかもうどうでもいいよ!!!!


なんだいなんだいなんだいなんだい!!!!!!!

 

【総評】

プレイして、評判が低い理由がよーーーーーくわかりました。これは発売当時プレイしないでよかった。修羅パンツレベルの暴走行為をしていた可能性もあるくらい「逆転裁判ファン」の「逆転裁判感」を裏切りまくってて途中から笑えなくなってきた。


まず成歩堂龍一。新規キャラにすればよかったのに……それだけでこの作品の変なところの6割くらい解決すると思うんだけどなぁ。どうも新規キャラにしておくところを「成歩堂龍一を登場させろ」という指令でこうなったらしい。結局1話での偽証はなんも追求されてないし。これはひどい。茜のやさぐれっぷりも1-5やってれば「ちょっと……」というレベル。


それに或真敷一座もよくわかんなかったなー。まぎらわしい自殺に明らかな偽証、そんで法廷から逃げる前代未聞の不祥事にカッとなってディーラーを殴りつけるとか、本当に意味がわからない。イカサマサカイ、ちょっとかわいそう。というか、みぬくの力も法廷でイチャモンつけるだけの力だったのが痛いなー。探偵パートでやってほしかったなー、そういうのは。サイコロックみたいにさぁ。そういえば先生の黒いサイコロックは何だったんだろう。次回の伏線?


それに途中でも書いたけど、弁護士と依頼人の信頼関係がないから弁護する甲斐がないのと最後の証拠突きつけないで終わるのがもうどうしようもなくマイナス。もっと何とか出来たと思うんだけど、できなかったのかなぁ。


何より最終話、王泥喜くん何にもやってないっていうのが痛い。主人公なのに全てをなるほどくんに奪われて、めちゃくちゃ可哀想。みぬく能力持ってるのに、完全にイチャモン装置だもんなぁ。サイコロックとはちょっと違う、ロジカルじゃないのが辛い。


そういうわけで既にプレイされていた方は「そう言うと思った」とニヤニヤしながらここまで読んでくれたと思う。評判の悪さは自分で確かめないといけませんね。うん、ゲーム単品としては第二話とか面白かったんだけど、「逆転裁判シリーズ」としてみたらアウトですよ。特にラスト。ラストのあれで全てもうアレですよ。ダメですよアレだけは。論理的に考えた爽快感がないんだもん。真犯人がブレイクしたらいいってもんでもないんだぜ。


でも曲はよかったかな。ギルティ・ラブも聞き続けているうちに愛着沸いたし、或真敷のテーマもいいし、曲じゃないけどムギツラのハーモニカがめちゃくちゃよかった。そういうところはやっぱりいいゲームなんだよな。


この調子で「5」と「6」もプレイする予定です。それでは近いうちにさらば。

今更逆転裁判4プレイ記録 前編

最近生活に彩がないので今から逆転裁判4を始めることにした。このタイトルでいろいろ察する人はわかると思うけど、何が起こるかわからないので心持ちを記録していきたい。

 

逆転裁判4 - 3DS

逆転裁判4 - 3DS

 

 

なお、このプレイ記録には「逆転裁判4」及び「逆転裁判シリーズ」のネタバレが多大に含まれるので好きな人だけ読んでくれというスタンスです。


【前置き】

大前提として、自分は逆転裁判シリーズが大好きだ。しかし、それは「1~3」に限った話で、今回プレイする「逆転裁判4」が出た当時、「1~3のファンはプレイするな」という評判を真に受けてプレイを避けてきた。


しかし、あれから12年が経った。逆転裁判シリーズも「王泥喜編」が完結しているらしいし、みっちゃんのスピンオフが出ているし、なんかよくわからん時系列の作品とかコラボとかめっちゃしている。今なら、この作品の闇と向かい合えるんじゃないか。そんな気がする。君の闇を見せてくれ。


ちなみに推しエピソードは2-3、推しキャラはミサイルとイトノコ刑事、推しBGMはゼニトラのテーマです。逆転のレシピの曲はどれも大好き。


逆転裁判4」の前情報は極力仕入れてなかったので「主人公が王泥喜法介」「なんかすげぇ評判悪い」ということしか知らないし、覚えてません。


【1話 逆転の切札】

ついにスイッチを入れてしまった。12年の封印をとく時が来たのだ。今から12年分の闇と向かい合う。さあ来い王泥喜法介


逆転裁判名物、エピソード前の洒落たショートムービー。なんだこの洒落た感じは。そんで恒例の「そうだ、アイツに……」「そんな、僕じゃない!」的なのがない。オサレだけど、「これは逆転裁判なのか……?」という不安が過ぎる。不安になるには早すぎる。


場面変わって恒例の裁判所控え室。おそらく千尋ポジ的な先生が既に裏ボス感出てる。顔に「ポンポン」って書いてあるぞ。チョーさんと釣りに行きそうだな。それよりもサイバンチョの絵が気になってしょうがない。毎回サイバンチョに目が行ってしまう。


そんで被告人、え、なるほどくん ?


なるほどくん、7年の間に何があったの!!!!!


弁護士廃業!?はい!!???


既にこの時点で闇。前作の主人公がいきなりダーティになって登場とか心の準備が一切出来てない。お前みっちゃんにちゃんと相談したのか? みっちゃんは「弁護士成歩堂龍一は死んだ」とかやってんの???助けて冥ちゃん。


それよりもなるほどくんもよく被告人になる人だよなあ。ちいちゃんにやられたのと小中大にやられたので少なくとも2回被告人になってるよね。小学生も含めたら3回。真宵ちゃんを笑えない。なるほどくんの小学生エピが好きなのであの「有罪」攻撃で泣いてた少年がここまでふてぶてしくなるなんて……なんていうことだ。


そんな衝撃を受けながら事件の説明。ロシア料理店「ボルハチ」でポーカーのゲーム中に被告人が被害者を瓶でぶん殴って殺害。


ボルハチwwwwww


やっぱり「逆転裁判」はこうでなくちゃ。この考えてるようでなんにも考えてない系の名前大好き。これ系は星威岳哀牙が最強すぎてなかなか超えられない。


しかし、思ったよりダークな話。なんていうか、王泥喜くんに余裕が一切ないので面白い茶々が一切入らないで淡々と進んでいく。「ボルハチ」以外笑える要素がない。1~3では証人の名前などで結構笑わせてもらったんだけど。そういえば担当刑事の説明がないな。この法廷の癒しのイトノコさん……。


真面目に裁判しているうちに証人登場。従来ならこいつが真犯人。ていうか、またアクの強いキャラ来たな!! 逆居雅香、常にボルシチとカメラを片手にしている謎な奴。法廷にカメラ持ち込んでいいのか!!???


多分こいつが真犯人なんだろうなと思いながら証言を順調に崩していく。そのうちなるほどくんが意味ありげなこと言い出す。つーかこのなるほどくん、本当になるほどくんなのか? チャーリィくんに水あげてたなるほどくんなのか? またゼニトラが化けてるんじゃないのか……?


法廷が再開され、何故か王泥喜くんにオカルト能力が付与され、なんか活躍。なんだまたオカルトか。霊媒じゃなくて今度は超能力か。霊媒自体結構好きなシステムだったから今回もそんなに驚きはしないけど「またか」感が強い。


そんで証言崩して言ったら、「真犯人は千尋ポジ先生」という衝撃の事態に。ちょ待てよ、確かに先生の顔からポンポン臭がするって言ってたけどさ、大ボス的な意味でさぁ、そんな序盤に散るなんてひとつも思ってなかったの! もしかしてちいちゃんポジですか? この後先生霊媒されて登場とかワンチャンありですか???


そんで証言崩していくんだけど、半分くらいなるほどくんのおかげ。というか、なるほどくんが解説してくれて強引に進めていくだけ。逆転してる感じが全然しない……チュートリアルだと思って我慢しよう。


つーか1話からこんなダークな展開でいいのか。笑えるところがボルハチとアウチ検事の髪型だけだぞ。スタッフ毎回アウチ検事で遊んでるよな。


そんなんで先生が緊急逮捕されてなるほどくんは無罪。ちゃんちゃん……いいや納得できねえし! 証拠もアレだし、ムスメとか意味わかんねえし! 成歩堂龍一、あれお前の娘じゃないだろ、7年前の事件でなんか預かることになった的な奴だろ! あのなるほどくんにこんな娘がいるとは思えない! きっとこれは伏線だ、伏線なんだろう……。


耐えきれずネタバレしない程度に調べたら「最終話が最悪」と出てきた。ええええええ、第1話から結構闇を感じてしまったんだけど。大丈夫なん? これ大丈夫なん? 大丈夫、大丈夫???


次は王泥喜くんの探偵パートかぁ。パッケージ的に真宵ポジはなるほどくんのムスメ(仮)だよなあ。ううう……。


【第2話 逆転連鎖の街角】

早速2話もオサレムービーからスタート。ラーメンの屋台? 全然話が掴めない……。


訳もわからぬまま変わり果てた元綾里法律相談事務所へ行くと、なるほどくんが病院にいるということで引田クリニックへ。引田! おまえ堀田じゃないのか! 前作ファンのサービスだなこれは。なるほどくんが軽傷なのも、吾童川に落っこちて風邪こじらせるで済んだ人っていうところなのか。


引田クリニックから事務所に戻ってまたなんか癖のあるオッサンに絡まれてひき逃げ、屋台の盗難、パンツ泥棒の事件を一気に捜査することに。いやー、話が全く見えてこない。王泥喜くんじゃないけど、大丈夫なのかコレ。もう家に帰りたい。


話を進めると、やっとパンチの聞いた設定の御屋敷が。小梅さんのモーションに気合い入ってて笑った。キタキツネ一家にも笑った。ゴクドー怖い。


ラーメンの屋台探しに行くと、胡散臭い佇まいの家が。これこれ、逆転裁判に望まれているのはこういう感じの奴だよ、とか言いながら話したり調べたり。あのハーモニカ、すごく好きだから法廷で吹いてほしいな。先代の屋台になるほどくんがよく来てたのは、ファンならすぐピンとくる話。病室のトノサマンも誰のものかはだいたいピンと来る。あの子は元気かなぁ。

 

うろうろしていると茜登場。茜、大きくなったなあ!! でも王泥喜くんとは面識ないので今は何も話せず。


いろいろ歩いたけど、話が見えてこない。多分ひき逃げと屋台とパンツは繋がっているというのがこの話の本題なんだろうけど、いろいろとっちらかっていてどこに焦点を当てたらいいのかわからない。殺人事件が起きているというから、そっちパートになったらわかるのかもしれない。


ガレージでパンツを見つけたりしているうちにやっと殺人事件の依頼を受けて、現場に入ることに成功する。茜ちゃんに白いコナを渡して科学捜査をさせてもらうことに。科学捜査と言えば、「うごめくタイホくん」のトラウマが……。そういえば茜ちゃん、担当刑事って言ってたけどイトノコポジなのか? 検事はあのチャラいにーちゃんだもんな……あの先生の弟、だっけ。闇深いよ闇。


そんで今回の被告人が最高! 「北木滝太(きたきたきた)」このネーミングが超好き。見た目とキャラもなかなかいい。依頼人の「並奈美波(なみなみなみ)」もいいなぁ。でもこの依頼人のねーちゃん、なんか怪しいよなぁ。再会、そして逆転のアノ感じね。ちょうど第2話だし。


やっと裁判始まったと思ったら、またトンデモ検事だ。でも鞭とかコーヒーよりマシじゃねと思ってしまうのはいろいろ感覚が麻痺しているのだろうか。コーヒーより深い闇がこの作品に横たわっている。


そんで目撃証人、めちゃくちゃ怪しい。みぬきちゃんが見たことあるって言ってたから、お前がパンツ泥棒だな。多分そうだろう。そんで真犯人は美波さん。逆転裁判だからきっとそういうキャラ配置だ。オバチャンとかトミーとか豆じいさんみたいな「一件不誠実だけど目撃情報に嘘はない」的な奴。


新登場の「みぬく」がよくわからなくて何度かやり直ししたけど、案の定パンツくんだった。諸平野とオバチャンを足して2で割ったような、そんな感じ。


やって来ました2日目の探偵パート。何となくやるべきことはわかってきたのでいろいろ証拠品を集めて行く。多分滝太の医療ミスの関係で美波がいろいろやってて、そんで宇狩医師を殺したってとこだろうな。そもそも滝太と結婚したがっているのもすんごく怪しい。小梅さんじゃないけど、絶対裏がある。これはちいちゃんから教わったこと。


そして、相変わらずなるほどくんと話していると暗くなるったら暗くなる。このゲームに横たわる大きな闇が見える。あの冷や汗ダラダラのなるほどくんを返して。


なんて言うか、このなるほどくんの変わり様にちょっとついていけてない。まどマギで言うなら次回作品でほむほむがガングロギャルになってるくらいの変わり様だから。それが「公式です」と言われていることの悲劇だよ。


さて、やっと美波との一騎打ちだ。とにかく「みぬく」が難しい。やっと「みぬく」の操作がわかったけど、これ難しくない? また「みぬく」やるのだるいなぁ……。


無事に事件は解決したけど、滝太の手術が成功しないと心配で心配でしょうがないよ……滝太、生きてくれ!!! つーか滝太、お前皆から助けられてんだから少しは感謝しろ!


【後編に続く】

これ投稿した時点でとりあえず4はクリアしています。続けて5、6とやる予定ではあります。4全体の評価は………まぁ後編で。

 

「なつぞら」とアンチハッシュタグについて

※この記事は途中まで「なつぞら」を一切見ていない人にもわかる内容になっています。


朝ドラ「なつぞら」が佳境に入っている。いろいろあって広瀬すず演じるヒロインなつが「アルプスの少女ハイジ」に相当するような作品を手がける過程が描かれてるんだけど、とにかくすごい。


Twitterハッシュタグで見られるアンチの勢いがすごい。


広瀬すずの演技が下手」「私ならそんなことしない」「チャラチャラした服着て」「天陽の奥さんの演技がすごすぎて広瀬すずの下手が目立つ」「全体的にアニメーターとしての覚悟が見えない」「ヒロインだからって甘やかされすぎ」「母親失格」などなど……。


なんでこんな怖いコメントが湧くのか。そんなことを考えながら「なつぞら」のモヤモヤを振り返ろうと思う。

 

まぁどんなものか見てください

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アンチタグについての考察

内容に入る前にアンチタグの話をする。この項目は「なつぞら」の内容に触れず、何故こんなことになっているのかを考えていく。


朝ドラアンチタグは「半分、青い」のときも見受けられたけど、何故か今作はとにかくヒロイン広瀬すずに対する暴言が見受けられる。「半分、青い」のときは永野芽郁という役者ではなく鈴愛というヒロイン像(その奥にある脚本家)に対してのヘイトが中心だったのと対照的だと感じる。


また、現代を生きる自分と昭和のヒロインを混同して謎の愚痴を展開しているコメントもいくらか見受けられる。例えば「なつ様はみんなに助けてもらって自分では何もしてないくせに自分の手柄のように見せて不快」なんていうツイートが見受けられたけど、放送を見れば恣意的な見方であると断言できるくらい歪んだものもある。


そんなわけで「批判ではなく暴言は嫌だなぁ」と苦言を呈する人もいるわけなのだが、アンチタグを使用している人は自覚なく暴言を吐き続ける。


なんでこんなことになるのかと言えば、ハッシュタグのせいだろうと考える。「2ちゃん(現5ちゃん)」には「アンチスレ」というものがある。人気のあるものに対して不快感を持つものが集まり、愚痴を言い合うスレッドだ。アンチタグとの違いは、アンチスレは「アンチであることを自覚して」「隔離された場所で」愚痴を言うことでアンチの意見が拡散されないようになっているが、Twitterハッシュタグは別だ。


ハッシュタグでアンチの意見が増えると、「この作品には悪口を言っていいんだ」という雰囲気が生まれる。そして上手な難癖を付けるとRTやいいねされることでどれだけ過激な悪口を言えるかという雰囲気が出来てしまう。現在の「なつぞら」のアンチハッシュタグは作品批判というよりただの難癖、悪口、広瀬すずに対する誹謗中傷が見受けられるのも致し方ない。それがどれだけ恐ろしいことかをアンチタグ使用者は自覚しない。


こう書くと「思ったことを発言しちゃいけないんですか!?言論弾圧ですか!!」って怒る人がいるけど、まぁ話は最後まで聞いて欲しい。思ったことを思ったように言うことは大切だ。だけど太ってる人に面と向かって「デブ」とは言わないし、「あの人あなたのことデブって言ってたよ」と本人に伝える人もおかしい。そしてTwitterハッシュタグでの発言は確実に後者そのものだ。「みんな悪口言ってるから私も言っていいでしょ」という感じになっている。これは非常に良くない。「なつぞら」の悪口を言いたいならハッシュタグを付けないで呟くということも十分にできる。たまに公式のハッシュタグと併記してアンチタグを付ける人がいるけれど、作品を楽しんでいる人に悪口を見せて何が楽しいのかわからない。


アンチタグで呟かれる内容を見ていると、多分批判と悪口の区別がついていない人も多いのではないかと思う。「目が死んでいる」とか「コネでヒロインもらったのか、NHKも質が下がった」とか「どうせ現場でちやほやされて自分の実力もわからなくなった」とか、なんかそういうのが辛い。これらは作品批判というより、個人的な恨みつらみとカウントしたほうがよいと考える。また「作品にダメだしすることでNHKの鼻を折ってやる(と言いつつ建設的な批判は一切ない)」という意気込みのものも見受けられる。


彼らの言い分もわからないでもないところもある。しかし、ネットに個人的な悪口を書いてそれが賞賛されるようなことは基本的によくないと思う。そんなことを曖昧にしてしまうのが「アンチタグ」だと思う。


少なくとも「アンチタグ」を使用して集団で広瀬すずを叩いている人達はネットいじめをしている自覚を持って欲しいし、同じ顔で「いじめはいじめる方が悪い!」とか言って欲しくない。炎上というのは意地の悪い人間が示し合わせて行うものではなく、悪意に無自覚な大勢の悪意が結集するのが「炎上」なんだということももっと多くの人に知ってもらいたい。この話題終わり。

 

 


以下、「なつぞら」本編のモヤモヤを自分なりに整理しました。個人的には「脚本が荒いところもあるけど、とりあえず見れるドラマ」ということになっています。その荒い部分や批判が多い部分を取り上げていきます。


なつぞら」見てない人のために簡単なあらすじ

戦災孤児の奥原なつは父の戦友に連れられて十勝で育つ。酪農や十勝の自然や幼なじみの山田天陽に惹かれるが、アニメーターになるという夢を選び上京。東京で生き別れの兄と再開し様々な人と出会って何とかアニメ制作会社に就職する。そこで出会った坂場一久と結婚して娘を授かるが、責任ある立場にいたなつは仕事を休めない。元同僚に娘を預かってもらうことで仕事を続けるが、娘のために仕事を辞めることも考えていた。そんなとき、山田天陽が亡くなったという知らせを受ける。娘と十勝に帰ったなつは彼の死を悼む。

 

なつの母親業について

これは脚本がよくなかったと思う。具体的には、あまりにも「現代の問題を描こう」としすぎて不自然な描写が増えてしまったところだ。「困った働く母親」を描こうとして、「おれのかんがえるさいきょうのこまったははおや」になってしまった。


全体的に、なんつーか、話が出来すぎている。困ったイベントが来ているというより、困らせるためにイベントを起こしているという印象。それもこれもおそらく「保育園落ちた」がやりたかっただけじゃないのだろうか。


乳幼児の保育園問題と言えば思い出すのは「べっぴんさん」なんだけど、あれは赤ん坊の時期は会社勤めしてなかったからなぁ……龍ちゃん問題のあたりのべっぴんさんは本当にすごかった(だから子供たちが大人になってからの失速が本当に残念)。育てにくい子を抱えて孤立する母親の姿と子供を受容する周囲の姿がすごくよかった。現代も続く問題だけど、当時から悩みはあったのだろうと感じさせる説得力があった。


翻って「なつぞら」の子育て問題。どうにもゴールを先に設置してしまったから途中のイベントが消化不良になってしまった。というより、「現代も同じだね!ね!」が鼻につきすぎてキツかった。批判の中にも「昭和の話なのに女性の立場が現代的すぎて辛い」というものがある。


何故こんな脚本になってしまったのかというと、おそらく「朝ドラ」メイン層のご機嫌をとるつもりだったんだろうと思う。おそらく深い意味はなく「子供の預け先がなくて途方にくれる女」を描きたかっただけなんだろう。でもそれでは物語が進まないのでご都合的に茜ちゃんが出てきた、というわけ。ただその「ご機嫌取り」が全面に出てしまった結果、あざとすぎて批判を浴びているのだと思う。


ここから先は「なつぞら」関係なく、育児をする母親をフィクションで描写することは大変困難になることが予想される。完璧な母親像を目指せば「現実はこうじゃない!理想を押し付けるな!」となるし、かと言って雑な母親像にすると「ちゃんと子育てしろ!虐待!」と言われるし、無難な母親にしても「母親の影が薄い!」と怒られる。もう何をやっても怒られるんじゃないかと思う。

 

余談だけど、アンチコメントの中に「避妊をしなかったくせに子供が出来てから預け先がないと騒ぐのは滑稽」というのがあったのには驚いた。典型的な朝ドラを見ている層の発想ではない。確かに臨月に入ってから保育所探すとか赤ちゃん用品揃えるとかのんびりしているなぁと思ったけど、現実の女性にこれを言ったら確実に炎上するよね。


あと「指差し動画」や「ガソリン」の件はそんなに怒らないほうがいいと思う。そうやって怒れば怒るほど、京アニを破壊した憎悪と同質の憎悪が生まれる土壌になるから。そこは今怒るところじゃないと思う。

 

なつと天陽の関係について

なつと天陽は幼なじみで、天陽からすれば十勝で農業をしたいと思ったのはなつがいたからで、なつがアニメーターを目指す決心をしたのは天陽が背中を押したから。お互いに結婚しても心の中では「絵」を通して繋がっていた。天陽が描いた雪月の包装紙の女の子は自分の十勝の「原風景」であり、なつの絵を消した上に自分の自画像を描いたのはなつへの未練を断ち切るためと個人的に解釈した。天陽のなつへの思いは「恋慕」ではなく「憧憬」に近いものがある。


だから「なつと天陽は不誠実だ」という批判がよくわからない。ええ、結婚したら青春時代の初恋の思い出とかそういうの全部捨てないといけないの……? 昔の好きな人のことを1秒でも考えてはいけないの……? 結婚したら異性のクリエイターとして尊敬しちゃいけないの……? 結婚したら過去のことは全て捨てなくちゃいけないとか、そういう価値観こそ現代では炎上すると思うんだけどな。現在も続く不倫関係ではなく青春時代の思い出すら否定していいんだろうか。


勝手に天陽の奥さんに感情移入して「昔の女が亭主の絵と勝手に会話してた! ムカつく!」とコメントしていたり、なつ憎さに奥さんの演技を過剰評価して「だからなつは下手!」と言っていたり、それは返って奥さん役の人にとってもとっても失礼だと思うんだけど、なぁ……。


史実との整合性

いくつかツイート読んでて1番ビビったのは「天陽君が死んだのはなつの都合に合わせてで、なつのために死んだ天陽かわいそう」というもの。元々山田天陽のモデルの神田日勝は夭折していて、絶筆になった半身の馬の絵は有名。それに神田日勝の自画像も有名で、「気持ち悪い」と評判の自画像対話も「元ネタはあの自画像だな」と思えばそんなに気になるものでもない。


これは「まんぷく」や「いだてん」でも話題になるけど、実在の人物をモデルにしたドラマを作るとどうしても「史実をどう折り込むか」が課題となる。しかしきっちり史実を盛り込むと物語が進まなくなるし、放映できないものにもなってしまう。「なつぞら」で言えば史実の奥山玲子はできちゃった結婚で、「なつぞら」で言えば夕見子のように理詰めで労働争議を起こすような人物だったらしい。そんな物語だったらまた変なアンチが湧くこと間違いない。

 

ダラダラ書くと長くなるから今回は書かないけど、「なつぞら」の最大の敗因はこの史実や視聴者の想像力に委ねる部分の多いシーンが多いことだと思う。一言で言えば、かなりハイコンテクストな作りになっている。だから反感を買うのだろう。


あとなつが毎回服装を変えていたのも史実らしいです。そこで史実を取り入れてしまったのもアンチが湧く隙を作ってしまったなぁと思う。女性はオシャレな同性にめちゃくちゃ厳しい。「自由にオシャレを楽しもう!」という人は迫害される。怖いねえ。

 

朝ドラの方向性

ここまで見てくると、もう「朝ドラ」という形のドラマ自体に無理があるのではないかと思う。主婦がながら見できるドラマ、というコンセプトだった気がするけど最近はやたらと「女性が見るから女性問題に寄り添ってみよう」という気持ちばかり感じてしまって肝心の中身がついて行かないものが多い気がする。


個人的に「まんぷく」に目立ったアンチがつかなかったのは安藤サクラの隙のない演技と朝ドラ層に絶大な人気を誇る長谷川博己がずっと出ていたからだと思う。「半分、青い」では佐藤健が途中途切れるところはあっても基本的に画面に映っていた。しかし「なつぞら」は頼みの吉沢亮は十勝編にしか出てこない。岡田将生はクズ演技が上手すぎて朝ドラ民の心には残らなかったらしい。結局広瀬すずが集中砲火を浴びることになってしまったのではないだろうか。


ここまで来ると、既存の形でヒロインを据えた「朝ドラ」は1度解体してもいいんじゃないかと思う。幸いなことに次の次の朝ドラは主人公が男性と内定しているし、もうヒロインにこだわることはないと思う。というか、朝ドラの価値観において「ヒロイン」という言葉には「周囲がなんとかしてくれる甘えん坊」というニュアンスが込められている気がする。広瀬すず永野芽郁もそういう意味では正統派な「ヒロイン」だと思うけど、どうだろう。


余談だけど、アンチでもこれだけドラマの反応があるだけマシかもしれないと思う。民放のドラマのハッシュタグとかもっとすごい。下手したら「〇〇くんかっこいい」だけで誰も物語の感想を呟いていないドラマだってある。「健康で文化的な最低限度の生活」のハッシュタグ、物語の内容じゃなくて8割くらい「田中圭が出てた!」だったからね。ちょっとビビったね。あとアルコール依存性の回で「酒止められないクズは放っておけばいいのに」ってドラマの趣旨全否定しているツイートがあったのにもびっくりした。そういうのが可視化されるのがTwitterなんだと思う。Twitter怖い。


いろいろ書いたけど、「なつぞら」をとりあえず「現代の働く女性へのエール」だとするなら、それに対する酷評は完全に女性全体の立場を下げる行為だと思う。身の回りの人に助けてもらっているお母さんもたくさんいるだろうに、そういう人にも「なんでもやってもらってズルい!」と言うのだろうか。それっていつもTwitterでやってる学級会の内容と何が違うのかな? と思う。とりあえず悪口よくない。おしまい。


おまけ 「半分、青い」の評

nogreenplace.hateblo.jp

 

生きるのに真面目な人

生きるのに真面目な人はたくさんいると思う。もちろん真面目なほうがいいこともたくさんある。

 

この文を書いてる人はどちらかと言うと真面目だけど、自分に対してはそうでもないと思ってる。将来の展望もないしスキルアップなんてしないし、ただ増田読んで日々暮らしてるだけ。人から見れば本当に怠けた人に見えるだろうなと思う。

 

日々いろんなブログを見るけど、たまに「この人大丈夫かな」と思うことはたくさんある。その半分以上は「生きるの真面目すぎる」ということ。あれもやってこれもやって、誰にでも笑顔でニコニコきゅーんな関係を築いてそれでいてキラキラした未来を描いて……。あー、そんなん疲れちゃうやろコーヒーでも飲んでリラックスしてゴロゴロしてんしゃいとか思う。もっと適当な記事書けよ適当なー、もうとか思う。

 

見てよこの記事。クソだるいじゃん。「肩の力を抜いて生きなければ!」っておいおい、既に力入ってまっせという記事を読んで不安になる。完璧主義がほどほどを目指すのは非常に難しいのかもしれない。80点で合格パンパカパーンな世界をみんなで作った方がいいと思う。

 

真面目は悪いことじゃない。不真面目よりマシ。不真面目と道徳観がないのは別。真面目が人を滅ぼすのを何度か見てるので不安になる。頑張らないでいいよ。頑張ったってどうにもなんないもん。それより自分が心地よくなることを全力で探そうやと思う。趣味に没頭する、ひたすら寝る、メイクする、漫画読む。ご飯食べる。お風呂入る。まずは心に余裕を。

 

以上、連日の「学校行かなくていいよ」キャンペーンを見ていて思うことでした。不登校経験者が出てくるのはいいと思うけど、みんな真面目すぎるよ。そんな不登校の優等生みたいな不登校キャンペーン息苦しいわ。救われる子もいるけど、余計追い詰められる子もいる。少なくとも鎌倉の図書館のツイート時点から、この手の話題にはあまりいい印象を抱かない。不登校はケースバイケース。ケースバイケースを型に嵌めないでほしいし、あくまでも「一例」であることを強調して欲しい。

 

真面目な報道も難しいのかもなぁ。