あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

ドラえもん映画感想 Part2

別にリメイクを全部こき下ろすわけではないですよ。

 

目次と注意

この映画レビューは個人的な主観と思い出補正と私怨で出来ています。まともに読まないでください。

 

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*基本五段階評です*
☆5  特に大好き。所謂推し。

☆4  好き好き大好き愛してる!

☆3  好きだよ!

☆2 ナンダカナー

☆1  ふざけんなオイ(以下罵詈雑言


2 のび太の宇宙開拓史(☆4)

畳の下の西部劇。

チャミーがかわいくて好きというぐらいだったのですが、後から見ると完全に西部劇やってるなあと思います。開拓地の資源などを狙ってやってくるならず者企業。あの手この手で嫌がらせをするところに現れるスーパー保安官。派遣される凄腕の暗殺者と対峙する保安官。もう完全に西部劇ですね。これを一生懸命見ていた時は「よくある西部劇の筋書き」というのは理解していませんでしたが、後で「宇宙開拓史って西部劇だったのか!」と気がついてドラえもんの懐の広さを感じたものです。

 

そしてロップル君とのび太の友情がいい。銀河を超えてたまたまリンクした、というのがロマンです。ドラえもん映画にはこういう「究極の一期一会からののび太との友情」パターンも結構ある。ロップルくん、チッポ、サピオなんかは偶然野比家にゲートが開いたから会えたようなものだと思う。特にコーヤコーヤ星で月日を重ねたというのも二人の友情に説得力があって好き。

 

あと初期しずかちゃん(のび太くん、ジャイアン呼び)が絶妙に冷たいのもいいですね。そしてものを無くした時、夢の中へ行ってみたくなる人も多いと思うのですが、ドラマニアは心を揺らすのではないだろうか。あの別れのシーンはドラ映画至上の名場面だと思う。明日ーものぞーいてー。

 

10 のび太の日本誕生(☆4)

ドラえもんも家出!?

ドラえもん映画のトラウマランキングで上位確実の日本誕生ですが、これ「のび太の恐竜」と話の構造が大体一緒なのですよ。舞台が白亜紀から7万年前になっただけで「のび太が変なペットを卵から育てる」「大昔を長距離移動する」「時間犯罪者と戦う」「のび太とペット別れる」みたいな感じ。プラスして大根のうまそうな弁当や集落作りなどのワクワクに神隠しやギガゾンビのおどろおどろしい点もドラ映画の定番と言った感じで、「ドラ映画とは」という時に入れる要素が大体揃ってる気がする。「恐竜」からの試行錯誤の結果、ここがひとつの頂点なんだと思う。本当に無駄がない。

 

個人的に未来の道具で秘密基地を作るドラえもんたちに対して人力で集落を作り、牛の丸焼きと果物、ドラゾンビ様に捧げる歌のシーンを連続させて原始社会を表現しているのすっごく好き。クラヤミ族ネアンデルタール人をモチーフにしてるとかちゃんと更新世の世界を描いていて、「ドラえもんを通して科学的なことを伝える」のが本当にすごいなと思う。さりげなく「建設大臣」「農林大臣」「環境庁官」とか難しい言葉も子供に植え付けてるのもすごい。

 

余談だけど時空乱流のドラえもんの説明シーン、あれで「神隠し」に興味を持った子供も多いと思う(ハイ!)。「海底鬼岩城」でムー大陸アトランティス大陸の話をしたりと意外とオカルト的な話もドラえもんが入口になってたりしてドラえもんは本当に説教臭くないのにお勉強になるものだと思っていたのだけどな……。

 

18 のび太のねじ巻き都市冒険記(☆3)

都市計画映画。

個人的に「アニマル惑星」のやり直しで、ドラえもん映画の中でもかなりスケールの小さい世界での話だと思っている。もちろん神様とか小惑星帯とか舞台はデカいのだけど、対峙するのがぬいぐるみと凶悪犯(1名)だからね。後半の熊虎鬼五郎軍団VSぬいぐるみファミリーは結局個人VSおもちゃなので広がりが全くない。ただ前半の都市計画は今までの秘密基地系の集大成のようなところがあった。ただ闇雲に「環境破壊反対!」というのではなく「堤防など治水対策も大事」という視点を子供たちに投げかけたのは斬新だったと思う。

 

で、ドラえもんでは度々「建国に必要なものとは」「土地を開発したら必要なものとは」みたいな話が出てくる。地下王国の建設や地底人や火星人の集落の発展とか。秘密基地が発展して村や街になる感覚がなんか好き。神様のようにないところに「有」を作るということが尊いことなんだなぁとしみじみする。

 

最初に「アニマル惑星」のやり直しと書いたけど、植物が意識を持って反撃するとか悪役が森に火を放つとかその辺がアニマル惑星と同じ展開なんだけど、あっちはニムゲという人間全体の業を背負ったような存在だったのに対してこちらは一人の犯罪者と個人的な悪者になっている。そしてその犯罪者にも良心があるという結末こそF先生が最後に描いた希望なのかもしれない。

 

26 のび太の恐竜2006(☆1)

ピューイ(涙)

多くは語るまい。

 

新ドラ一発目なんだけど、いかんせん一発目なので新ドラ自体の方向性が定まっていないのを感じる。ただ2022年に見てるからなのかもしれないけど、恐竜の描き方がなんかダサい……ティラノサウルスのデフォルメちょっとキツい。「恐竜」のいいところは最後のティラノサウルスで悪者を追い詰めるところなのにどうしてこうなった。スピノサウルスはなぜ出てきたの?当て馬?ドルマンスタインのヘアスタイルは何?ギャグ?

 

恐竜の研究が進んで最新の恐竜にアップデートしたかったのはわかる。わかるけど、初代恐竜の楽しみと感動のラストを奪った罪は深い。わかる、そう、当世風にしたかったのはわかる。でもそれはかつてのドラえもんではなく、「泣ける」を念頭に置いたドラえもんだったしティラノサウルスの前でおしりペンペンとか始めちゃうメンタリティだったわけで。「最後のあったかい目に感動した」という意見をよく見るけど、お前ら旧作のお月様見てねえな、あのエモいシーンを「あったかい目のつもり」のギャグでエモさ演出してるんだろうけど結局演出であって「ピー助を案じるのび太」じゃねえんだよな。わかるかい? 旧作はあの素っ気なさがいいんじゃねえかい? ドラマチックな映画が見たかったらドラマチックガスでも吸ってればいいよもう。知らない。

 

34 新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~(☆4)

だからみんなで強くなれるよ。

個人的に1番よくできてるリメイクだと思う。何がいいかというと「原作をリスペクトした結果ほぼ改変がない」というところに尽きる。そう、ドラえもんにはかなり無駄がないんだから余計なことするとすぐ物語破綻するのよ……今作は追加のシーンはあっても物語本編の邪魔をしないしちゃんとキャラクターに深みが出るようになっていた。正直「推し映画が魔界大冒険とか宇宙開拓史みたいになったら僕は死んでも死にきれない」という境地だったので本当によかった。それだけで涙が出る。

 

そしてちゃんとこの映画がジャイアン映画であることがわかってるスタッフがジャイアンをちゃんとピックアップして、追加でバウワンコ王国のワンシーンを入れたりペコとのび太のシーンを加えたりして「大魔境」を壊してない。更に巨神の心のシーンで「みんなで力を合わせろ!」とジャイアンが言うのは「これぞリメイク!」と思った。旧作でカットされたお風呂シーンなどもあって、旧作ファンも原作ファンも満足。サベールとの対決が消化不良だったりゲスト声優枠がちょっと出番多いなとは思ったけど、後はリメイク枠では満点。追加要素で変な感動路線に持っていかなかったのは本当に偉い。

 

余談だけど、作中「夢を叶えてドラえもん」のアレンジが流れたところで「これ今のドラえもんのOPだと難しくないかい?」と思った。旧作だと勇ましいぼくドラアレンジ、今作だと夢ドラ合唱でエモい感じ。じゃあ今のドラえもんのOPだと……?やればできるよね、多分(新恐竜や新宇宙小戦争怖くてまだ見れてない人の感想です)。

 

次回

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