悪役令嬢ものとか、ネット小説では異世界の恋愛ものが大人気。
なぜだろうなぜかしら。
恋愛の前に、そもそも異世界って何だろうね。
ここではないどこか、こことは約束事の違う世界。
きれいなドレスを着たお姫様が存在する世界。
キラキラお目目のお兄さんがエスコートしてくれる世界。
みんなそんなところに行きたいよね。
先日リトル・マーメイドを久しぶりに見て思ったんだけど
エリックって王子だよね。しかも多分一人っ子。
王国の世継ぎ、ずいぶんフランクに出かけすぎじゃない?
護衛の一人もいやしない。どんだけ治安がいい国なんだ。
そんでどこの馬の骨ともしれない娘を拾ってきて「僕の奥さんにする」なんて正気の沙汰とは思えない。いや、白雪姫だって死体を拾ってきて僕の奥さんですみたいな世界だし、でもあれは世継ぎとは限らないか。野良王子。
そんなことを気にしちゃうから「お前は物語のあたりが強い」とか言われるんだけど、でもどうしても気になっちゃうの。「悪ノ娘」も気になってダメだったの。どうせ娘なんて黒幕いるんだからそいつら処刑しないとアカンわけじゃない、処刑したのは黒幕のしっぽ切りでしょとかボカロソングに向かって真面目に思っちゃうような人なのでダメなんです。王家とか世継ぎとか、そういうの異世界では重要視されてないの? 禅譲がすごい勢いで流行ってるの? それなら姫とか令嬢とか一体なんなの? なんなのだ?
いや答えはわかっている。ただドキドキする空間のために世界は存在していて、リトマメはただ人魚姫が独り立ちするための装置でしかなくて異世界恋愛の令嬢たちも転生してきてなんだかんだというけど、要はすべてが読者の妄想の奴隷なのである。そこに余計ななにがしかがしを持ち込むほうが野暮ってモンなのは百も承知で言わせてくれ。
妄想にきっと世界設定はいらない。ただキラキラとしていればよい。
煌めきを忘れてはいけない。そう、あの空に輝く星のように。
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おしまい。