あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

「遊郭って何?」と子供に尋ねられた時に考えること

増田で聞かれたので長めに答えてみようと思います。そんでいろいろ考えたらやっぱりいろんな視点が出てきたのでまとめておきます。

 

anond.hatelabo.jp

 

そもそもの話

増田で「自分で調べなさいはシャットダウンではないか?」と尋ねられたのですが、大前提として「あのブコメは5秒くらいで何も考えずにつけた」というのを心においてくれると助かります。それを踏まえてあのブコメを意訳すると「知らねーよバーカ」になります。ここテストに出るところです。


そもそも、そもそも。子供を拵えたということはそういうことをしたわけであって、子供を育てていく上でそういうことを教えなきゃいけないなんていうのはもうそもそもがそもそもじゃないですか。命と向き合うのにどうして命の始まりを誤魔化そうとするのか。「うちの子にどう説明したらいいかわかんない」じゃないですよ。子供生まれた時点でそういう時がいつかくるのを覚悟しておきなさいよ。


とまあ思いっきり「そもそも」の話を最初にするんですが、遊郭の説明が難しいのはセックスの話をしたくないからとかそういうことだったら子育てとしてまるで話にならないので却下。遊郭以上に難しい局面に陥ることなんざ大量にあるだろうに。男子なんて中学生とか高校生になったら友達同士の挨拶が「セックス!」になったりするぞ。そしたらどうする?


「自分で調べなさい」の話

シャットダウンの件になると、これまた大前提として「自分で調べなさい」をやるには信頼関係が大事という話が必要になってくる。ここから先は個人的な話になるのでいろんな人に適用できるものでもないと思うけど、参考までに聞いてくれ。


「図書館で調べなさい」には実は意味があって、図書館で調べられる年齢=知るべき年齢かなと思うわけ。ネットで調べりゃすぐなんだけど、それだと何をどう読んだかわかりにくい。それに「読んだけどわからなかった」というなら「じゃあ勉強してわかるようになろう」という方向に持って行ける。本当に興味のあることならどんどん理解を深めていくだろうし、逆にどうでもいいならそれ以上自分から深掘りはしないだろう。性教育ではなく遊郭についての話だけだったらそうやって興味をなくすのが面倒くさい質問に答える手間を省くには手っ取り早い気がする。


ここで図書館での調べ物の仕方について書こうと思ったけど本旨からはずれるからやめるよ。


調べ物が出来そうにない低年齢の子供の場合は、そもそもそういう質問が出来ないしきちんと説明しても理解できるかどうか怪しい。自分なら「見てりゃわかる」しか言わないかなぁ。そんで不明点を作品からピックアップできるようになれば大したものだと思う。漠然と見ていたらそういう疑問は湧いてこないからね。


図書館である程度調べられるようになると、ネットで検索して調べることもできるようになると思う。そして答えがわかったら必ず答え合わせをする。親が思っている以上に子供は吸収しているかもしれないし、変な方向に行っているようなら軌道修正が必要になる。


例えば「遊郭」を理解するためにはまず人身売買などの奴隷制度、そして人身売買をしなくてはならなかった当時の貧困や人権意識、更にセックスの知識が理解出来ていて初めて理解の第一歩が踏み出せる。そこは親が掘っていくより先にある程度知識として持っていて欲しいなとは思う。そういうのは口で言ったってわかんないのよ。


そんなことを前提に「自分で図書館で調べろ」と言ったわけですが、まーみんながみんな無理だよねえ、知ってる。個人的な話をするなら子供が遊郭に興味を持ったら「日本残酷物語」から「江戸の服飾史」とかそういう本まで一緒に借りてきてノリノリで読むだろうなというのは想定できるのですがかなり個人的なノリだしそういうことは実際ないと思います。

 

ただ単体の「自分で調べろ」って「私は応えない」って意味なのよね


というわけで今回は増田の話を全否定させてもらいます。「自分で調べろ」っていうのは「私は応えない」じゃなくて、「自分で調べられる能力を使いなさい、私たちはあなたにそれがあると信じてる」くらいの意味で使ってます。手に負えない案件はもちろん話をするだろうけど、それを判断するのはケースバイケースとしか言いようがない。年齢に性格家庭環境バラバラなんだから絶対的な正解があるわけでもないわけで。


増田は「変な本を読まれても困る」みたいな懸念をしているけど、多分そうなった場合年齢的に図書館に連れていくのも俺!借りてきた本見て読むべきかどうか見るのも俺!参考文献に「優しい性教育」的な本を勝手に入れておくのも俺!俺だ俺だ俺だった!になると思うので安心してください。ねむい。


遊郭」の説明

とは言えざっくり子供に説明するならどうするかなー。自分もそんなに詳しいわけでもないんだけど、ざっくり要素に分けて情報を解禁していく感じになるかなー。下に行くほど低レベル解禁な感じで書くとこんな感じ。


〇女は使い捨てで劣悪な環境に置かれてたらしいで(この世界の片隅に参照で)。
〇男がカネ払ってセックスする場所やで。
〇「あーれー」「よいではないか」をする場所やで。
〇女の人が着飾って男の人の相手する場所やで。
〇キレイな着物きた女の人がいる場所やで。


ただ何となく聞いてきてる低年齢の子ならこのくらいのざっくりで何も問題はない気がする。変に食らいつく奴は、それはそれで別途対応しかない。


まとめ

個人的に「保護者としてー」というのになんかイラッとしたので書いた。今回はたまたま性に関する話題だけど、多分うちは何でもそういうスタンスで行きたいと思ってる。ハダカデバネズミの生態とかロンギヌスの槍とは何かとか太陽の終焉はどうなるかとか、どんな質問が飛び出すか分からない。その度に粗末な自分の言葉で「この分野には詳しくないんですが」みたいなコメントつけたくないし、「調べておいでな」くらいは言いたい。


ちなみに自分の子供の頃を思い出すと、テレビを見ていて知らない言葉が出てくる度に親に「~ってなあに?」と聞いていたのでウザくなったのかテレビの脇に広辞苑を置かれて「自分で調べろ!」となるような子供でした。結果として辞書をひく癖がついたのは良かったなあと思っています。おしまい。