やってきました増田アワードのお時間です。今回も「特に基準とかないけど個人的に好きで後で振り返りたい増田」をお送りします。
では早速見ていきましょう。
今でもあなたはわたしの光賞
評)あの時にああしていれば、と思ってもどうにもならないのが人生。あんずと一緒に鮮やかに思い出される増田のお母さんと米津玄師のlemonのコントラストが良いですね。
学生さん賞
評)新年早々のとても元気になる増田。トンカツもおいしそうだし、増田の決意などがきちんと見えてよかったです。結果はどうだったんだろう。
谷崎潤一郎賞
評)花火大会に素足に下駄。暑い空気に流れる汗。ああフェティッシュ。今にも女の足に刺青を入れかねない。情景豊かで忘れた頃にまた読み返してフフってなりたい。
二律背反賞
評)なんだろう、不安になる気もするけどこのあっけらかんとした文体が何だか心に残るのでこっちに。明るくて楽しい心霊スポットとは。ちなみに選者は遊園地の廃墟とかゾクゾクするので苦手というか好きです。ガリバー王国とかすごいよね。文化遺産だ。
インパクト賞
評)ダメだ笑っちゃって評が全然思い浮かばないや。増田は死なないで欲しい。ドンドコ音はピストンマシーンなのか増田がドンドコ音を出しているのか、それは深く考えないというか考えると笑っちゃうので考えないものとする。
リポーター賞
評)大変話題になった顔真卿展の詳細な体験記。この増田を見て行きたくなったので行ってきたのですが、開館1時間前に100人くらいずらーっと並んでて戦慄しました。前から順番に見て行ったので祭姪文稿を見る時間はなくなってしまったのですが、欧陽詢をじっくり見ることが出来て大変眼福でした。ありがとうございました。
途中で話が変わる賞
評)増田定番の裏切られる読後感部門です。タイトルから想像した着地点と全く別のところに降り立つ感じが何とも言えません。少年漫画とかで敵が強くなってきていきなり宇宙に旅立つ展開みたいな奴だと思います。
スーパーファミコンが4000円安くなる賞
評)こんなに自分が怖いと思うものについて一生懸命書いている人はあまりいない。自分とは違う他人の体験を覗かせてもらえたような、そんな増田。ブコメでも書いたけど増田はマリオRPGのCMは見ないように。
タヌキックマスター賞
○ した噛みそうだよ。 シンプルにいきたいんだがうまくいかん 人間ならかっこ..
評)彗星のように現れたタヌキックマスター。今年上半期でキャラクターとしては相当目立っていたと思う。個人的に「シンデオ・クレヤス」が最高に好き。「新堂暮安」みたいな侍っぽい名前にしたら映えそう。江戸川乱歩みたいだ。
ノスタルジック賞
評)記録として残しておきたいあの日の増田。ブコメやトラバにもある通り「清々した」は昭和天皇個人が亡くなったことよりも自粛ムードの終わりが見えたことが大きいと思う。個人レベルの話でも「いつ死ぬかいつ死ぬか」という人を前にしていたら、死んだ時に「どこかほっとした」という感想も出る。時代の空気も個人の心情も垣間見れる良い増田。
私の知らない世界賞
評)個人的にリサイクルショップ大好きで既製品とは違う、誰かが洋裁教室で作ったっぽい服とかよく見る。文章も整っているし内容も綺麗。そして誰にでも共感しやすい題材。掌編小説としてもよく書けていると思う。
興味深いSEX賞
評)増田にたまにある「なんか普通っぽくないSEX」枠。こういうの世にも奇妙な物語っぽくて好きです。ところで最初に読んだ時から少し文面が違っている気がするんだけど気のせいだろうか。
一発ネタ賞
評)一発ネタのうえ、ナウなヤングにはわかりにくいネタ。でもある世代にはむちゃくちゃ刺さるネタ。これで笑顔の八頭身を思い浮かべたらあなたはその世代。
新幹線賞
評)午前10時の映画祭で上映する映画をひたすらdisるんだけど、かなりの名作が揃っているのでdisる部分がほぼ「長い」だけという面白い増田。雑にdisることで逆に増田の映画愛が滲み出てきてとても面白かったです。
増田資料館賞
評)下ネタなんだけど、単なる下ネタとは違う学術的な趣もある増田。タイトルとは裏腹に「人魚姫とは」という話になっていて非常に興味深い。この調子で人魚姫論を1本なんかに書いてもらいたい。
みんな妄想したよね賞
評)「テレホンショッキングでお友達紹介するなら~」「炎のチャレンジャーに出演したら~」に通じる、またナウなヤングには通じにくいあるある妄想ネタ。最近こういう企画減ったねぇ。
さよならドラえもん賞
評)創作っぽさもあるけどただひたすら悲惨なだけではなく、楽しい思い出もあるからより寂しくて悲しい思いが浮き彫りになるところが何とも言えず、心に残った。
アイロニー賞
評)なんつーか、ものすごい皮肉。ただ4番が「四天王」なのが単に4っていう数字が入っているからだけなのはわかってるけどタヌキック味を感じてしまう。
増田グルメ賞
評)熱い。スパゲッティという食べ物に対してとにかく熱い。わかったわかった、増田の気持ちはよくわかったから落ち着いてカレーでも食べなという気持ちになる。ちなみに選者は給食でソフト麺が出たけどスパゲッティみたいなのじゃなくて完全にうどんみたいな奴だったんだけど、地域性なんだろうか。
わかりますぅ賞
評)これは完全に選者が個人的に「わかりますぅ」がなんかウケただけなんだけど、わかるかなぁ。わかりますぅ。変にツボることありますよねぇ、わかりますぅ。
まとめ
今回まとめてみて、全体的に「作られた」増田が増えてきてるなぁと感じました。桃太郎スタートアップは面白かったんだけど、ここで紹介するまでもないし追記で作者色が見えてしまって「この追記なからましかば」という気分です。なんとなく「増田」という場所が少しずつ変わってきているのを感じるまとめでした。
上半期の時点で個人的ナンバーワンは人魚増田です。好きな物に対する情念、そしてそれを誰にも言えないというところからこぼれ出した情熱が漏れてきていて、最近の言葉で言うとエモいです。
さて下半期、どんな増田に会えるでしょうか。次回は「不安になる編」です。しばしお待ちください。
過去の増田アワード