あのにますトライバル

旧さよならドルバッキー。

トクサツガガガのドラマ全話見た

ドラマ全話見た。以下特撮に特に詳しくなくてドラマ自体は頑張ってたと思うけどあの結末はNotformeだった人の話。原作未読です。

 

〇特撮シーンの頑張りは異常だと思った。制作の張り切りが伝わってきた。しかし過剰に本家により過ぎず、あくまでも「劇中劇」であることに徹していたと思う。

 

〇何かこう、何かなーと思うところを考えて、一番の不満はなんだろうと思ったら、小芝風花が綺麗すぎたことだと思う。仲村叶というキャラクターを考えた時、もっとオドオドしていわゆる「キョロ充」みたいな見た目のほうがいい気がする。「キョロ充」をやるのに小芝風花は若々しくて自信満々に見えて、「なんでオタク隠してるんだろう」って思ってしまった。小芝風花くらい見た目がしっかりしていたらもっと中身もしっかりしてそうなもんだけど。その辺のミスマッチが気になって、最終回まで引きずってしまった。

 

〇テーマがてんこもりで豪華といえば豪華だけど、焦点が「特撮」なのか「隠れオタ」なのか「毒親」なのかボヤけてる気がした。これは原作未読なので原作読めば印象が変わるかもしれないけど、それぞれって独立しててもいい気がするし、まとめてやるならちょっと駆け足だったと思う。

 

〇いわゆる「毒親」問題なんだけど最後のアレが絶賛されてるのがよくわからないというか、生活板脳的にねぇよなぁと言う印象。そもそも大切にしているとかしていないとか以前に娘のものを勝手に燃やす奴がうさぎのぬいぐるみひとつで改心するきっかけになるとも思えないし、多分意味を理解しないと思う。

 

〇なんとなくドラマ版を見る限りあの母親にあるのは「親子の愛情」ではなく、娘をお人形さんにして支配したいのだろうなということ。いくら昔とは言っても小学校低学年くらいの子に特撮好きなのを無理やり止めさせるのはちょっとおかしい(中学生ならわからないでもない)。何より大切なものを勝手に燃やすパーソナリティの人だ。「いくら言っても散らかすから捨てました」じゃなくて、「私が気に入らないものを持っているのが許せない」だ。怖い。早く結婚しろとか言ってるけど、彼氏連れてきたら連れてきたで「年収が」「相手の家が」ってくどくど言うタイプだ。

 

〇そんな母親の元で育ったから仲村は異様に他人の視線を恐れる。特撮趣味がカッコ悪いからじゃなくて、「自分の好きなものを他人は受け入れない」と学習しているから必要以上に隠す。ドラマだけ見て特撮にしかアイデンティティを見いだせない仲村は幼いと思ったけど、彼女は「仲村叶」として尊重されたことがないのかもしれない。だから一方向の趣味に逃げ込んで、自分自身と向き合ってこなかった。そんな見方もできる。

 

〇隠れオタっていうけど「隠す」と「公表しない」には大きな差があると思う。ただ会社で公表しないだけで適当に生きてる人も多いと思う。「趣味の話できないの寂しい」じゃなくて「自分を偽って会社に行っている」って人は、なんか大変だなと思ってしまう。

 

〇昔飲み会で軽くオタ話振ったら、喜んだ相手に10倍くらい濃い話をさせてしまったことある。みんな「隠してる」っていうより「ただ言わない」だけで「バレたらどうしよう」って思ってるのは本人だけでみんなそれぞれなんかのオタクだったみたいな話もある。

 

〇ガガガに戻ると「高校まで特撮のことを忘れていた」という設定と「カラオケで特撮の歌しか歌えない」って設定、ちょっと無理がないかい?と思った。「最近の歌知らないけど昔(仲村の学生時代)流行ってた知ってる歌」でいいじゃん。それとも全く音楽を聞かなかったのか、母親好みの音楽しか聞かせてもらえなかったのか。

 

〇多分カラオケの件は「知ってるけど歌えない」ってことなんだろうと思う。それは仲村にとって学生時代の仲村は別の人で、特撮好きの仲村こそ自分って処理してて、それ以前の記憶は飛び飛びになってるんじゃないだろうか。結構病んでるな。

 

〇とにかく仲村母親がかなり病んでるモラハラ野郎なのは間違いなくて、仲村もそんなモラハラをまともに食らってちょっと精神状態が不安定だと思った。仲村の抱える問題は吉田さんや北代さんと違って、恥ずかしい趣味がどうのこうので片付くものではないと思う。吉田さんはともかく、北代さんの前の職場は正直セクハラで訴えられても仕方ないと思う。

 

〇兄ちゃんの「心配させてプレッシャーかけるやつ」は笑った。誘い受けだ。

 

〇このドラマのテーマは「好きなものを胸を張って好きになろう」「好きなものを好きと言えないのはつらい」じゃなくて、もっと先に踏み込んで「あなたは思い込みで誰かをきずつけていませんか?」じゃないだろうか。オタクがテーマと見せかけて、実は家庭内モラハラを丁寧にやろうとしている感じがした。でもそこまで踏み込めていないというか、ちゃんと踏み込むといろいろ傷つく視聴者とかいるから少しマイルドになったのかもしれない。

 

〇ひとつ声を大にして言いたいのは、母親が仲村にしたことと仲村が母親にしたことはおあいこ様じゃないってこと。「これでお互いが歩み寄れるといいね」みたいな感想を多く見たけど、ぜってーそりゃーねぇだろ!と屋上で走って叫びたくなった。おまえらセクハラとかいじめ被害には「被害者にも非があるとか意味不明加害者が100%悪い地獄に落ちろ」とか言ってるくせに家庭内ハラスメントには「仲村も歩み寄る気があるんだねよかったよかった」とか正気なのか!?と。

 

〇親子の関係は対等なんかじゃないんだよ。強者である親に弱者である子は従うしかないんだよ。だからこそ親は子供のことを最大限尊重するし子供は親を信頼して言うことを聞くわけで、相互の信頼関係を築くことを放棄して「私の理想の娘」を作ろうとした母親に「私が悪かったって言うんですか!?」って言われたら「うん、すごく悪いよ」って言うしかない。ハラスメントの自覚がないことには前に進めないし。

 

〇つまりどうすればよかったのかというと、あの話数でやるなら母ちゃん周辺の話をバッサリ切った方が良かったと思う。大切なものを勝手に燃やすっていうのはトラウマ(笑)とか言ってる場合じゃなくて、かなり深刻な虐待事案なんだから、いくら金曜10時とはいえお茶の間に流すべきじゃないしフィギュア壊すのもそうだと思った。「特撮あるある」「職場の隠れオタあるある」に徹した方が話の構成としては見やすくなったと思うけど、原作あるしファンがみたいのはそういうのじゃないと思うから仕方ないよなぁ。母ちゃんエピが深みを与えてる、みたいなムーブも感じるし。

 

〇まぁ特撮オタあるあるに不穏な母ちゃんの不協和音スパイスまぶして少し不安になるのがこのドラマの正しい見方だと思うので不協和音に注目しちゃう人には適さないドラマだったということです。第二弾があるならその辺じっくりやって欲しい(誰も望んでないだろ)。

 

ゴールデンボンバーの主題歌がよかった。これで視聴を決めたところある。主題歌の入れ方はよかった。

 

〇とめどなく不安が湧き上がってきたので終わる。おわり。