あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

常識というマイルール

すごく語れる部位が多い増田なので、つらつらやってく。牛肉みたいにいろんな味が楽しめそう。

 

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増田の所感

なんで消すんだよ。消されたので概要を残しておくと、「増田の母親の葬式で家族葬と言ってるのに妻実家が供花を送ってきて迷惑だとキレた増田妹が増田妻の参列を認めなかった」という感じだろうか。以下追記読んで以降に書いたものです。

 

最初に書いておくと、この増田が伸びたのは内容以前に「俺悪くないよなメソッド」が発動しているからというのが一番の理由だと思う。要約すると「親死んで気持ち動転してたからテキトーこいたらみんな怒ってるんだけどなんで?」ということであり、「妻の実家が余計なことしたから悪い」と言ってるように読める。ちなみにこれ、多分男女入れ替えても増田ぶっ叩きになると思う。要は「家族葬だから配偶者は来るな」だから。妻の親が亡くなったけど、妻の兄がなんか嫌ってるから参列するなと言っているという内容でも妻の兄総叩きだろうなとは思う。


まだ増田は若いのかなとか思うと酷な話になってしまうのだけど、すごくぶっちゃけると結婚してこれから共に暮らしていくという人が人生の一大事に判断ミスを連発するのはやっぱり頼りないなと思ってしまう。そりゃ親が急死したら気も動転するしよくわからない行動をとってしまうものだと思う。ただ、そこで本性が出るということもある。よく結婚式や新婚旅行で「こんな人だとは思わなかった!」みたいな話と一緒だと思う。


供花の件については、個人的に増田の説明不足だと思った。本当に迷惑であるなら辞退なんていうモンじゃなくて拒否するべきであるし、そんでそこにキレる妹もロクなもんじゃねえと思うし「妹旦那が参列できないから増田妻も参列するな」はコピペを疑うレベルで完全にめちゃくちゃ。正直「気が動転していた」でも済ませたくない大失敗だと思う。気が動転していても人のものを盗んではいけないし、原則人を殴ってもいけない。

 

「増田の中では血縁者のみが常識」と書いてあるように思ったけど「血縁者のみと決めたんだから他の人は余計なことしないのが常識」ということなのかというのは気になった。ブコメで突っ込まれてたけど「葬式経験したことないのになんで自分の葬式観が全てと思うんだろうな」ということだと思う。常識というのでそういう配偶者は葬式に含めない国とか地域があるんだと思ったので……。


人を見送ることについて

供花の話になるんだけど、妻側実家の感覚としては「参列したいけど出来ないということであれば、せめてお花だけでも」というのが割と一般的な感覚であると思う。ここで増田との常識の差が出てくる。「え、あったことない人なのにお花贈るの?」と。


ここからは個人的な感覚で書いていくのでこの考えが一般的なものだとは思わないし、「俺は違うと思うな」だったらそれはそれで構わないし、その違う感覚をブログに書いて欲しい。間違ってもブコメなどで「あんたがおかしい」とかやるのはやめて欲しい。おかしいとやるなら、とりあえず1000字は書いてくれ。


よく有名人の訃報で「よく知らない人なのに弔意を強制されてるみたいでムカつく」みたいなのを見かける。まあ自分も「隣の家の旦那さんのお母さんの親戚の孫の犬が死んだから香典出せ」と言われれば「知らねえよ」とはなるけど、なんとなく「手を合わせましょう」くらいの気持ちはある。死は悲しいし、家族は悲しみの中にいる。悲しい気持ちに寄り添うことも弔意のひとつだし、その悲しさは生きている人の中で癒されていくものだと思う。


この辺、最近だと「おかえりモネ」でクローズアップされてたなと思う。津波で行方不明になった家族の死亡届を書くシーンは日本全国に「死」を届けたと思う。ただ、これを「朝から重すぎる」という声もあった。実際、本当にすごくすごく重たいシーンで、しかし東日本大震災の被災地としてはよくある話で「だれさんとこはながされたからさー」みたいな話、本当によくある。死とか喪失のカジュアルさが違う。この辺の温度差も元増田から少し感じる。


あまり知られていない話なのだけど、震災当時演劇コンクールで被災地としての「被災地のナマの話」を上演したが、審査員などに「重すぎる」「言いたいことはわかるが疲れる」など散々な講評をされたという話がありまして*1。当時自分はいわゆる被災地に住んでいたので「うるせーてめーらの日常の尺度でこっちの日常を勝手に重いだの疲れるだの言うなよ」とは思った。これはかなり生々しい感情として残っている。今でも思う。ふざけんな審査員。


何が言いたいかと言うと、「喪失」という事象に対して我々は意外と理解してないし、「喪失」との向き合い方はかなりの数があるということじゃないかってことです。生きてりゃいつか死ぬし、モノは必ず壊れるし、関係だっていつか切れる時もある。だから一般的に今を一生懸命に生きるし、思い出は大事にしようとなる。


2回しかあったことのない義母でも、妻からすれば「これからあったかもしれない未来という喪失」「夫となる人にとっての大きな喪失」であり、一緒に悼む気持ちになるということは何もおかしなことではないし、不自然でもなんでもない。「君らの常識で物事を測るな」というのは、そのまま増田にも返ってくる。逆に言うと「会ったことないのに葬式にいかないと行けないの?」という価値観を増田は常識だと思ってるわけで、これを無邪気に持ち続けたまま妻側の葬式に出なくてよかったねとは思う。


まあ、最大の敗因は「妹の都合で参列予定をキャンセルさせた」というところだと思う。最初から一貫して参列を断っていればここまでこじれなかったと思う。そこで「俺も一生懸命やってんだよ」と思うなら、夫婦として家庭を営むにあたり不安はあるかもしれない。よその家のしきたりとか常識とかそれ以前の話だからなぁ、これ。


胸糞悪い思い出(読み飛ばし可)

ここの話はこの件について考えているときに思い出したことです。なかなか強烈なエピソードなのでナーバスな方はスルー推奨です。ひとことで言うと、増田妻側的な体験ですね。


前の記事でカレー作ってくれた親戚のばあちゃんの話をしたのですが、私が小学生のときに急死しました。本当の本当に突然で、遺された人達は本当に動揺してました。私は初めて本当に身近な人がなくなったことがショックで、わんわん泣いてました。多分火葬場かその辺だったと思うのですが、親族はみんな泣いてました。実の孫は取り乱していました。とにかく本当に突然だったので。もちろん孫同様に可愛がってもらっていた私(一応血縁者ではある)も泣いていました。そしたら、とあるばあちゃんの実子がこう言うんですよ。「あなたは本当の孫じゃないんだからそんなに泣かないの(泣くのは本当の孫の権利であってあなたには悲しむ資格がない)」と。当時何を思ったのかは覚えてないけど、今同じ状況になったら、キレて何をするかわからないくらい怒るだろうなと思う。まあ普段からアレな言動のアレ*2だったので当時は多分全員スルー推奨だったのですが、今考えても「全人生クソだなと思う発言グランプリ」を開催したらノミネート余裕なエピソードです。もう随分と昔の話なのですが、異様にくっきりと覚えているものですね。ちなみにカレーの話でも書きましたが、ばあちゃんはかなりの人格者でした。ばあちゃんみたいな人になりたい。


まあ何が言いたいかと言うと「親が死んで気が動転していたとはいえ、やっちゃなんねえことはやっちゃなんねえぞ?あ?」ということです。


常識非常識

で、今回増田がこんなにぶっ叩かれたのは「常識 」という言葉を使ったからだろうと思う。てめえの数だけ常識はあるわけで、自分の常識を振りかざして相手を押さえつけるのはハラスメントなわけです。むかし偉い人が「花束を送り付けるのもハラスメント」と言ってましたが、そういうことですね。ハラスメントっていう人もハラスメントみたいになってきました。


また「全人生クソだなと思う発言グランプリ」を開催することになるのですが、このブログでは何度か出てきているかもしれないあの言葉がここで登場します。初登場だったらごめん。


それは九州出身の人と世間話をしている時のことでした。
九州「東京のラーメンはまずい。豚骨だけがラーメンだ」
私「豚骨ラーメンが好きなんですね」
九州「九州にはうまい豚骨ラーメンがたくさんある」
私「逆に私は豚骨苦手で、あっさりラーメンが好きですね」
九州「そんなまずいものよく食えるな」


……???


そのあと、如何に東京のラーメンがまずいかという話をされました。今考えると「ああ、あの人は会話をする気がなかったんだな」と思います。単に「東京のラーメンがまずいという演説」がしたくて、こっちは合いの手を入れるモブくらいに考えていたのかなあと。


でも実際九州では豚骨ラーメンをラーメンというらしいし、おいしい豚骨ラーメンのお店がたくさんあるということですね。そんな人には信じられないかもしれないけど、マルタイの棒ラーメンに苦手意識を持つ人もいるんです。私です。お店の豚骨は食べられるけど、棒ラーメンはなんか無理なんだよな。なんでだろう。


だからといって「棒ラーメン食べてる奴は〇〇」とかは思わないし、「おいしいんだろうけど自分とは合わないよな」と思うわけ。だけど「は?ラーメンといえば豚骨だろ?おまえ常識ある?」とか言われたら「××××」くらいは言うと思う。まあつまり、「お前の常識で云々するならどうのこうの」というのは「東京のラーメンはまずいに決まってるだろ」という感じだよなあと思っている。うるせえな坂内食堂ぶつけんぞ。来夢食いたい。


まとめ

人が死んだら悲しいし、身近な人であれば多少の気の迷いはあっても仕方ないけど、とりあえず葬式の運営はしっかりしたほうがいいと思う。ここがふにゃふにゃだと本当に後で禍根を残す。個人的に元増田は夫婦として相当やばい局面だと思う。


あと意外と「全人生クソだなと思う発言グランプリ」が汎用性高かったので皆さんも開催してみましょう。あとノミネートされてて単品でパンチ効いてる奴だと、社会人になってからわざわざ昼休みに上司に呼び出されて「あなたの机の隣の人と仲良くなっちゃいけないわよ、あの人酷い人(完全に上司主観の偏見)なんだから~(以下昼休み潰れる)」と言われたのが心に残っています。常識というマイルールや偏見と戦っていきたい。おわり。

*1:気になる人は各自調べてみてください。

*2:その他興味深いエピソードはたくさんありますが本当に誰も喜ばない話なのでしない。