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さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

『マッドマックス怒りのデスロード』が面白かった人が次に観るといい映画3選

作品解釈

 怒りのデスロードが面白い面白いと評判です。マッドマックス中毒に陥ってヒャッハー状態になった人々が渋谷のスクランブル交差点で日本代表のユニフォームを着たウェーイ軍団と血で血を洗い、ブルーのユニフォームを赤と銀に染め上げると言ったことは起こっていませんが、精神的にはそんな感じになっているのかもしれません。

 

 今回紹介する映画は、今更紹介するまでもない有名なものだと思うのですが「初めてのマッドマックス面白かった!!」という人のための映画です。あそこまでの豪快なアクションはありませんが、砂ぼこりのヒャッハー空間にハマったら是非どうぞ。

 

トゥモロー・ワールド

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  何故か妊娠が出来なくなり、赤ん坊が18年生まれていない世界。その閉塞感から各地で暴動が起こり、反政府組織が暴れまわっている。主人公はひょんなことから妊娠している女性を保護することになり、生まれてくる子供を巡って争いに巻き込まれていくみたいな話です。身重の女性を連れて逃げると言う構図の『怒りのデスロード』を見ていて真っ先に思い出した映画です。

 

 この映画を語る上で外せないのは、長回しによるダイナミックな映像です。緊迫のカーチェイスに反乱軍との争いの中逃げる主人公など、ワンカットの醍醐味が十分に味わえます。また、最後の見せ場のシーンは実に鮮やかで「これがやりたいための映画だったのか!?」というのが十分に伝わってくる良シーンです。とにかく映像がかっこいいのです。

 

 ヒャッハー具合は『怒りのデスロード』を見ているとぬるいと感じますが、味方も敵も激しい戦闘でバンバカ死んでいく一方、女性から生まれる命もあるというメッセージ性がなかなか強いので「女性解放が~」という観点で見ても面白いかもしれません。

 

【ソイレント・グリーン】

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 人口爆発の世界を描いた、チャールトン・ヘストンが奴隷の恰好をしていない映画です。これも『猿の惑星』みたいに衝撃のオチがとても有名なのですが、敢えてここでは触れません。この「人口爆発」の描かれ方がなかなかすごくて、アパートの階段にみっちり人が寝起きしている状況だったり、路上にも人があぶれているという壮絶な光景を背景に物語が進んでいきます。

 

 この映画のヒャッハーポイントは「充分な食糧の配給が打ち切られたことによる暴動シーン」なのですが、それ以上の見どころは「人がモノ扱いされる世界」というところです。人口爆発により人間の価値が下がり、美しい女性は「家具」として高級マンションの部屋に飾られ、年寄りは「本」としてその知識だけを求められるといったところです。

 

 原作の『人間がいっぱい』では映画のような衝撃的なオチはないですし、「家具」や「本」という扱いはクローズアップされません。その代り映画にない貧民の少年視点で語られる世界があり、「世も末」感が最高です。人口爆発の都市での群像劇として見ると楽しいです。

 

【少年と犬】

少年と犬 [DVD]

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 マッドマックスの世界が「狂ってる」なら、こっちの世界はどうなんだって思うのです。 原作は『世界の中心で愛を叫んだけもの』で有名なハーラン・エリスンです。

 

 

 こっちは正真正銘核戦争後の狂った世界。軍用犬として知能をいじられた犬と少年のコンビを描いたほのぼのストーリー。少年は犬のためのエサを探し、犬は少年のために女を探す。少年と犬の住む地上はガチヒャッハーの時代になっていて、砂に埋まった缶詰を掘り出したり、数の少ない女に男が群がる世界。完全に秩序のない『怒りのデスロード』の世界です。

 

 この映画の醍醐味は「ヒャッハー!」だけで終わらず、その対極のディストピアも描いているところです。地上のヒャッハー空間から逃れるために、地下では平和を愛する者たちが管理社会を構築していて、そこにあることがきっかけで少年が招かれるというのが話の後半のあらすじです。この地下の管理空間がまた「狂った世界」で詳しくは話の核心になるので触れませんが、なんていうか、全員が白塗りメイクをしていてナヨっとしています。ヒャッハーを排除し尽くした結果がこの世界なら、どっちの世界もゴメンだって感じです。

 

 最終的に少年は地下から脱出するのですが、オチがなかなかすごいです。これは誰が何と言ってもここでネタバレはしません。映画のほうがビジュアル的にもわかりやすいし、エンディングで泣けるのでいいのですが個人的には原作の最後の行が大好きなのでこの世界にハマった人はどちらも堪能してほしい。

 

 

 

 以上、『マッドマックス』後に見たいディストピア映画3選でした。実は昔「手斧を投げたくなる映画5選」という記事を書いたことがありまして、ぶっちゃけそれのリメイクなのです*1。ただこの「ディストピアキタコレ!」っていう感じに乗りたくて書きました。「面白そう!これ見てみようかな」とか「にわかめ、この映画を観ると貴様は悶え死ぬだろう」というのがあるとすっごい嬉しいです。こういうの好きっちゃ好きなのですが、意外と観れてないのでもっと観ていきたいなぁと思っています。今年の夏はみんなでヒャッハーしましょう、おわり。

 

*1:ちなみに漏れた2作は『未来世紀ブラジル』と『メトロポリス』です。

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