あのにますトライバル

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ドラえもん映画感想Part5

ついに「基本」の意味が明かされる。

 

目次と注意

この映画レビューは個人的な主観と思い出補正と私怨で出来ています。まともに読まないでください。

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*基本五段階評です*
☆5  特に大好き。所謂推し。

☆4  好き好き大好き愛してる!

☆3  好きだよ!

☆2  ナンダカナー

☆1  ふざけんなオイ(以下罵詈雑言

 

5 のび太の魔界大冒険(☆4)

どら焼き降ってこい!

チンカラホイの初期傑作。「魔法の世界に行きたいな」からの怒涛の展開。「魔法世界になってものび太のび太」というのが面白い。魔界星に乗り込んでからの冒険が本当に好きで、人魚とツノクジラ、帰らずの原のキモイ植物、からの道路光線(ここ大好き)。一人で駆け出していく美夜子さん。超怖いメデューサと謎の石像の正体、そして最終決戦へ……。息付く暇もないとはこのことかも。

 

悪魔と戦うわけなのでとにかく怖い。メデューサが怖いのは言うまでもなく、デマオンも手下の悪魔も見張りの石像も結構怖い。そんなわけなので唐揚げだの塩茹でだのとか唐突に終わるところも怖い。でも「星の数がひとつふたつみっつよっついつつむっつななつ!」は超怖いシーンで挟まれるコミカルのためかなり印象に残ってるし、未だに「星の数」と聞くと「ひとつふたつみっつ」と頭の中で再生されてしまう。最後ののび太と美夜子さんのシーンもなんか好き。単純に愛してる。

 

13 のび太の雲の王国(☆3)

ようこそディストピア

名作と名高いのだけど、個人的に好き好きじゃないのよね。いや好きだけどさ、好き好きじゃないのよ。これと「アニマル惑星」のコンボってメッセージ性が凶悪なまでに強く、娯楽として見るにはちょっと身構えちゃうんだよね。ただ導入の「天国のある雲はどこですか」に始まり雲かためガスで雲の王国を作るところ、株式で運営をするところなどはドラえもん映画の中でもかなり好き。そしてお勉強タイムとして絶滅動物展覧会も好き。この後絶滅動物をメインにしたはずの映画が……そんなものはなかった。

 

ただ天上人が「お前何様だよ」というレベルで怖い。雲の上からコソコソやって気に入らないからと天罰を与えるような真似はかなり怖い。確かに90年代前半はヒステリックな環境問題についての警鐘的な作品があって、これはそのひとつだと思うとそういう時代だったんだろうなと納得はできる。また適当にさらって来た地上人に発信機を付けさせるなど行き過ぎた監視社会の風刺もあったりしないかな、とか思う。話が通じるか通じないかという点では同じことをしようとした「さらばキー坊」の植物星人よりなんか怖い。「あらそいするあいつら悪い、あらそいしないおれたち偉い!」みたいな感覚があるのだとすればこの作品はそこも含めて見所なのかなぁと。「我々は選ばれた種族なので野蛮な種族は滅ぼして構わない」というのは天上人も地上人も変わらない気がして……。個人的にホイくんやキー坊の再登場はちょっと微妙派。キー坊、あんなに逞しくなっちまって……。

 

21 のび太太陽王伝説(☆3)

王子とのび太

マークトゥエイン的なのび太のび太のび太する話。映画のび太が射撃以外でクローズアップされるのだけど、のび太と正反対の性質を持つティオを登場させることでのび太の性質を更に強めた感じがした。とにかくゲストキャラがいい。王子たるもの強者であらねばと突っ張る感じのティオに対して勉強も運動もダメだけど基本親切なのび太の対比に終始し、最終的に共闘するシーンはよかった。また前作、前々作に比べて話がわかりやすく、今は何をしているのかという場面が明確になっていた。ただ鑑賞に堪えるというだけであり、リピートして見たいかと言うとそうでもない。ライバルキャラのビジュアルはよかったのに今ひとつ活躍しなかったのは気になるところ。あと気になったのは、マヤナ国がマヤ文明アステカ文明オルメカ文明をなんとなくほわっとまとめたような国だったので、もっと厳密に「〇〇年のどこどこ」とラーメンとコショーならぬ時代考証をしっかりさせればよかったと思いました。

 

29 のび太の新宇宙開拓史(☆0)

開始20分で吐気がした。

すっごく評判が悪いので覚悟していたんだけど、それにしてもひどい。これはリメイクではなく「宇宙開拓史」を元にした何らかの何かじゃないかな。あまりにもひどいので箇条書きにしないと収まらないので箇条書きにする。

 

〇全体的な作画

良く言えば「柔らかい線」「あたたかみのあるタッチ」、つまりふにゃふにゃで頼りない作画が気持ち悪い。

 

〇ロップルくん

デザインと声優のせいで女の子にしか見えませんでした。のび太との友情がブレブレです。

 

〇クレム

この声の子は悪くない。悪いのは世の中や。

 

モリー

誰だおめえ。おめえ絵と声があってねえぞ。知らねえ奴の話は他所でやってくんろ。

 

ギラーミン

小物悪党になったバトーさん。バトーさんはそんなことしない。捨て台詞も吐かないし変なポーズもしない。

 

〇ガルタイト工業

ブルトレインは何故消えたのですか。何故主任はあんなにも小悪党になったのですか。チュートリアルはちゃんと仕事してると思いました。

 

〇ラスト

「もうひとつの宇宙開拓史があったんだね」

ばくだんを20個出してくれ。

 

〇まとめ

キャラデザが嫌だとか展開が嫌だとかそういう次元にはない。まずアニメ作品として見れたもんじゃないし、リメイクとしては余計な新キャラを出したのに大した活躍をしないどころか宇宙開拓史のキモであるギラーミンとの対決や別れのシーンのエモさを全開で削いできたという時点で「スタッフの飼ってるハムスターが人質にとられていたのでは」と不安になる。

 

37 のび太の南極カチコチ大冒険(☆5)

やっと会えたね。

ぶっちゃけ新ドラに何も期待もしていなかった私の心の氷を溶かした作品。テンポのよい進行に南極という未知の世界に行くワクワク感。ガチめのお勉強パートからの異世界突入。究極の一期一会からの友情。ドラえもんの道具をフル活用する展開。それなのにラストはやっぱりドラえもんだしサイエンスだし過剰に感動にならない。なんだこの急に良質なドラえもんは。何があったんだ。

 

個人的にドラえもん映画の真骨頂はこの「お勉強パート」だと思ってるのでガッツリお勉強やってくれたこの映画はそれだけでポイント高い。それに序盤の謎をだんだん解き明かしていく系の魔界大冒険的なシナリオ。「ここ掘れワイヤー」というドラミ回の有名な怖い秘密道具。うるさくないゲストキャラとかっこいい悪者(?)。ちゃんとドラえもんの道具で解決するところとかラストのいい感じなまとめとか。個人的にしっかりハードにSF的なことをやってくれたのがよかった。生命誕生の秘密とか10万年凍っていたとか。ドラミのゴリ推しとか何故か黒べえの仮面を被ってる博士以外特に気にならなかった。面白かった。またこういうものを見たいものである。

 

次回

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