さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

チュートリアルのない世界とネット中二病

 たまにTwitterアカウントを素性の知れないブログ運営者がフォローしてくることがある。「素性の知れない」というのはプロフィールやツイート、ブログから彼が何者なのか判別しにくいという意味だ。

 

 多くがプロフィール欄に「はてなでブログやってます!たくさんの方と交流して情報交換していきたいです!」などと書いてあり、ツイートは友達(?)のブログの紹介で埋め尽くされ、ブログに至っては「お役立ち情報ナントカ」という「僕が知ったすごいんだぞリスト(実際は大したことない)」が並んでいる。そして彼らは放っておくと、勝手にフォローを外す。つまり「このアカウントが興味深いからフォローした」ではなく「俺に関心がないならてめぇなんか知らない」ってことなんだろう。何とも腹ただしい話だ。まるで出かける直前で支度をバタバタしているときに限ってやってくる宗教の勧誘のようだ。

 

チュートリアルのない世界

 そしてそんなブログというか、最近年度が変わる時期になったからか知らないけれど「それ何週目?」という話題をよく見るようになった。

 

  • 炎上したらするべき〇〇のこと
  • 批判を受けたときにする〇〇の対応
  • ブログで稼ぐためにする〇〇の方法
  • ネット民は化け物だからネガコメハスルー

 

 こんなことを何週も何週も繰り返している。そして目を覆いたくなるのがそんな記事に「初めて知りました、参考になりました」と馬鹿正直にコメントしているお仲間だ。お前、目の前の検索窓に「炎上 対応」とかぶち込んでみろよ。今読んだ話の何倍も濃い話が転がってるぞ。どうしてそんなどっかからコピペしてきたみたいな記事に大きな反応をしているんだろう。

 

 以前「どうしてはてなブックマークを用いてどうでもいい挨拶コメントのやりとりをするのか」という問いに「はてなブックマークがどういうものか理解していないから」ということがあった。この件で詳しくは以下の記事よりどうぞ。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 で、相変わらずネットに関するチュートリアルは存在しない。はてなブックマークの使い方もよくわからず、信じていい人と信じてはいけない人の区別もつかず、よく見れば「ガラスを拭くとピカピカになるよ!」というだけの記事を見て「ピカピカ!すごい!」と喜ぶ。そして「そのくらいなら自分も出来る」と思って、「花瓶をこするとピカピカになるよ」という記事を嬉々として書いてしまう。後半は「ネットの使い方」というより情報を扱う上での心構えなのだが、そういうのが怪しい人が多くみられるようになった。怪しい健康食品を売りつけるお店みたいだ。 

 

 よく「ブログで稼いで何が悪いんですか」と言う人がいるけれど、ブログで稼ぐことそのものは誰も否定しない。しかし、そのブログ記事の情報と金額は釣り合っているのだろうか? 「掃除は掃除機を買うとコスパがいいよ!」「すごい!参考になった!」というレベルの記事をたくさん書いて、それでお金がもらえるって、やっぱりこの仕組みに納得がいかない。「超絶すごいガラス磨きの達人の話」とか「割れたガラスを元に戻す錬金術師の話」とか、そういうのならいいと思う。

 

意識高い系というよりネット中二病

 それでも後から後から車輪の大発明が繰り返され、見たことのある内容が次から次へと流れてくる。しかも、次第に内容が劣化していく。何故なら、中身のある記事を書こうと思えば過去へアクセスする必要があり、余計な部分はそぎ落とされて更に洗練されたものを作ろうとするはずだからだ。その事象を過去の事例と照らし合わせて分析しないものは瞬間的な映像しか見ないであてずっぽうでいろいろ言うので、正直新しい知見は得られない。しかも「※個人の感想です」という記事にも「お役立ち!絶対こうしたほうがいい!」と煽るタイトルがついている。ますますタイトルと内容が乖離して、記事内容の劣化は止まらない。

 

 これ、何かに似ていると思ったら「中二病」の構造だよなぁと今朝思いつきました。世界が途端に広くなって、万能感を振りかざしていろいろ勘違いをするという、アレだ。もちろん「中二病」は思春期に誰もが陥る心理で、恥ずかしいものではない。問題は思春期を過ぎた大人になっても「万能感」をぬぐえないでいる人たちのことだ。遅れてきた中二病はなかなか治らない。この精神構造に例の「周回遅れのブログ運営者」って当てはまるなぁと思う。

 

 自分が知らなかったことを知ることが出来て、それを周囲の人間も知らないと思い「俺がこんなに有益な情報を振りまいてやるんだありがたく思え」というような感覚。しかし世間では「そんなの当たり前じゃん」という冷たい風が吹き荒れていて、「アイツらは何もわかっていない、俺を理解してくれるのは俺を理解してくれるフォロワーだけ!」という心理に陥りやすい。思春期の一時的な万能感で仕出かしたことなら後で何とでもなるだろうが、ネットでやらかしたことは後々までなかったことにならない。

 

 そしてそんな万能感がいつまでも続くと思っているから、後先考えず変なことを書いてしまったり「客観的な他己と尊重するべき自己」の区別がよくできていない。全てが「尊重するべき自己」であり、アンバランスと言うより完全にひっくり返っている。ひっくり返った自己は相反する事象を嫌う。「ネガコメハスルー」というのも「俺に都合の悪いことは言ってはならない」というより「俺に都合の悪いことを言うな、繊細な俺の心を覗くな」ということかもしれない。つまり思春期ですね。

 

 で、このネット中二病(ネーミングがカッコ悪いのでもっとキャッチーな呼び名があればいいんだけど)にかかりやすいのは「今まで多くの情報に触れていなかった」「積極的な人付き合いがあまりなかった」ような人だと思うのです。いわゆる「ネットデビュー」っていう奴ですね。個人的に社会経験の少ない大学生や主婦層あたりが罹患する確率が高いと思っています。みんながそういうわけではないけれど、そういう炎上を目にするたびに「またこういう属性の人だなぁ」と思うのです。これ、マルチに引っかかりやすい属性と似てるんじゃないかな。

 

 そういえば猛烈な更新と漫画のネタバレで瞬間的に月間PVが100万になったからと言って人の記事を14点だの68点だの採点してきた人もいたなぁ。*1これも一種の万能感だったんだろうなあと思うのです。未だにごめんなさいができていないので、まだ万能感は持続していて方向性もなんか変わっているのでこのままなんだろうなあ。先日の梅木氏添削の記事を見て思い出したのでこんな記事を書いてみました。おわり。

 

 

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