あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

システムが解決しない「褒め殺し空間」の問題

 過去記事まとめ作ったからいいか、と思っていたんだけど「互助会」についてある視点が足りない気がするのでそっちについて少し書く。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

【互助会問題の主な争点一覧】

〇つまんねー記事書くな/好きなものを好きにブクマして何が悪い

 →面白さは個人の尺度が違うため、そこに文句を言っても仕方ない。

 

ホッテントリを汚すな/古参だって通ってきた道だ

 →個人的には脳内フィルタで一発。ウザいけど、ただそれだけ。

 

〇返報性があざとい/そういうもんじゃないの?

 →話がかみ合わない。相互理解が出来ないと言うことがわかった。

 

【褒め合い空間が炎上を生む】

 これらについてはもうシステムで調整するしかない。NGフィルタを実装するとか、ユーザーレベルでホッテントリに入る記事を調整するとか、いっそはてなブログだけの隔離カテゴリを作るとか。そうでもしないと「はてなブックマーク」はいずれ面倒くさいことになる。そこは仕方ない。

 

 でも、仕方ないで済まない問題がある。それは「褒め合い空間が炎上を引き起こす」ということだ。簡単に言えば、互助会行為をしていると炎上案件が増える。それを「バズだバズだw」と無邪気に喜んで「付け火して煙喜ぶなんとやら」が大量発生し始めているのが現状だと思う。

 

 キーワードは「無知と無邪気」だ。「参考になります」を見てイラっとくる気持ちも最近増えた「馬鹿を装った炎上」も、ここに帰結すると思う。

 

【「参考になります」を見てイラっとくる理由】

 この「参考になります」というフレーズ。いわゆる「互助会行為」として広く伝わっている。この言葉が放つ独特の嫌な感じがよく理解できないでいたけれど、似たようなフレーズで「知りませんでした!」というものを見てなんとなくわかった気がする。

 

 要は「他人の知りませんでしたアピール」ほどどうでもいいものはないということだ。他人に向けてコメントを書くからには何らかのアピールになるわけで、そこに多くの「私は知らなかった!」を盛り込まれると「知ったことではないよ」という気分になる。

 

 いろんな人がいる会議室を想定してもらいたい。そこで多くの議題が飛び出し、参加者が「なるほどそうなだ」「いやこれは」「しかしでも」「まぁまぁ」などと言い合っているところで議題についていちいち「へぇ知らなかった! 知らなかった! すげえ! その通りジャン!」と言っている人がいたらどうだろう。何か質問を求めたときに挙手をして「ハイハイハイ! 俺知らなかったんでマジ勉強になりました!」って会議中に発言したら、多分つまみ出されるんじゃないかな。

 

 で、今のホッテントリは「知らなかったアピール」が蔓延しているなとは思っている。「掃除をするために必要なツール3選」という記事で紹介内容が「ほうき雑巾掃除機」みたいなしょーもない記事を書くのは自由だと思う*1。それについて「ハイハイハイ!参考になったよ知らなかったすげーや!」とコメントを残す。それを見た人が思うのは、「こいつほうきも知らないのか……?」と不安になる。それをどう表現していいかわからずに、イラっとくる。これが「参考になります」のイライラの原因だと思う。

 

 知らないなら知らなかったで黙っておけばいいのに、無用な「知らなかった!」アピールをするので嫌われる。そしてそれを受け入れてくれるのは、誰も批判などしない優しい世界。その優しさが偽りであることにも気づかない。かつて2ちゃんでは「ggrks*2」だったり「半年ROMれ*3」という言葉でこのような「知らなかったアピール」を諌めてきた。

 

 ここは個人的な愚痴だけど、たとえば「増田」という隠語。頻繁に出てくるので気になる人も多いと思う。それが「はてな匿名ダイアリー」を指すというのを使用例から察して使用するのもいいと思うし、それこそ検索して調べるのもいいと思う。ちなみに現在「増田」で検索すると「はてな匿名ダイアリー」が一番上に来るwikipwdiaにもちゃんと書いてある。これをすっ飛ばしてブコメで「増田って何ですか?」と直球で書いてしまうのは何なんだろうと思う。少しは調べようよ。ググろうよ。ちゃんと書いてあるよ。今回の案件だってググればいくらでもわんさか出てくるよ。そこに自分でたどり着こうとしないのが、「互助会問題」の根本にあると思う。

 

【馬鹿を装った炎上】

 ここでは一応「装った」としておくけれど、多分そのうちの6割くらいは装ったでもなんでもなく、天然由来の炎上要素があるのだと思う。だけど、何が天然で何が養殖なのかはケースバイケースなので「装った」として進めていきます。

 

 炎上っていうのは、基本的に「世間の常識からズレたよろしくないこと」や「ある特定のグループに恨みを買うようなこと」を言うので発生する。そこを根本的に理解していないで「炎上=バズ=収入!」と誤解している層が尊師発信元ではなく褒め合いブコメをつけ合っている中にも一定数いる、ということです。

 

 実は返報性とかスパムとかPV稼ぎとかホッテントリ汚染よりも怖いなと思っているのが、この「肯定しかない世界で価値観を築く」ということなんですよ。上記のとおり、知らないことを自分で調べない人たちが一定数います。その人たちのやることなすことを全て肯定していたら、どういうことになるでしょう。簡単に言えば、叱らずに甘やかされて育った子供と変わりがありません。「僕の思い通りの世界になるはずだ」として振る舞い、そして世間から否定されても「悪いのはあいつら、僕は悪くない」と自己正当化して自分を甘やかしてくれる存在を求め続ける。普通に考えればダメ人間ですね。

 

 そういうものを生みやすい構造が「互助会行為」の中に含まれている。何を言っても許される、どんなに下品なことを言っても「面白いw」と言われる。だからわざと変なことを記事にしてみる。あまりにも下品だったり社会的にズレたことを言っても「褒めるだけ」の人は条件反射でブックマークをつける。ブックマークをつけることではてな新着に乗る。「褒めるだけ」の文脈にない人は「それはおかしい」とツッコミを入れる。それに対して「私はそんなひどいことを言われたことがない誹謗中傷だ!はてな村民だ古参だ!」と自分の記事の質を置いておいて怒る。そんな光景が一週間に一度くらいの割合で見受けられる。最近で言うと以下の記事のような現象。情けない。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 なんていうかコレ、マルチとか自己啓発セミナーの空間に似ているんですよ。「お前は正しい、絶対大丈夫」と信じ込ませた後に「他の奴らはダメ、お前は救われた」と言う。その後は「だからこの情報商材を月々2万円で」とかになる。そういう空間がその辺にポポンと発生している状態は、やっぱりイヤだなぁと思うのです。つまんないとか目障りとかそういうの以前に、「それ本当に大丈夫なの?」って不安になる。

 

 何回か言ってるんだけど、別に内輪コメント自体はいいんじゃないかって思うんですよ。そもそもブコメ欄なんてその記事に興味がある人が集まってくるんだから、内輪向けになるのが当たり前。だけどその空間でヨイショ会場みたいに「すごいね、〇〇さんはすごいね!」ってなっていると途端に不安になる。特に大したことない記事でやたらとヨイショされているともっと不安になる。

 

 ブログにもブコメにも、何を書いても自由だと思う。だけど最近思うのが、特に発信に慣れていないブロガーに対して過度に勘違いするようなことを書くのは控えようと思っている。過去に新着に出てきた記事に軽い気持ちで「面白いねー頑張れー」ってブコメをしたら変な方向にハッスルしてしまった人がいた。それからなるべくよく知らないブログにはブコメしないようにしている。ブコメするときもちゃんと過去記事を読んで、しっかりと自分の意見を言っている人であると見極めないとしてはいけない気がする。「ここでブコメをすると、また変な風に勘違いをするかもしれない」と思いとどまるようになった。悲しいけれど、実際の人間関係と同じで人間みんな全ての人と仲良くなれるわけではない。敵対する人もいるし、依存してくる人もいる。それを見極めないといけない。これはとても悲しいけれど、自分の身を守るためには仕方がない。

 

 つまりは、互助会問題とか言うけれど対人関係問題なんですよ。よく知らない人から「あなた面白いですね」と言われてその気になって、変なハッスルをした結果誰も面白がってくれないという事故があまりにも多すぎる。面白くないだけなら誰も傷つけないけれど、より過激になっていって悪口を言ったり下品な記事を書いたりしても誰も何も言わないで「〇〇さんの記事は面白いね」と言い続ける。やっぱりダメでしょ、こういうの。

 

 このままでは次第に仲間内では悪口を言っている感覚がなくなって「炎上したー(T_T)」「〇〇さんの記事面白かったのに誹謗中傷言う人は読解力がないね!」「本当本当!私が正しくて周りが間違ってるよねー」「ねー!」なんていうやりとりが増えていくのだろう。しかも鍵付の世界ではなくオープンな場所で。何故なら本人がまったく自覚がないから。自覚がないから、自制しようにもできないし他人からの忠告も聞きいれることが出来ない。つまりどうしようもない。

 

【まとめ】

 そんなわけでこういう構造があるんだけど、それはシステムではどうにもできない問題で根本的な人と人のコミュニケーションの問題になってしまう。実際「現実世界で友達が出来ないからネットに来た」という人はたくさんいる。そこで気の合う友達を作ればいいのだけれど、相手に対して距離感のない付き合いをして嫌がられる人も多い。そういう人は「互助会行為」に走りやすいと思う。つまりはゼロ距離問題になる。あのブコメ空間を悪く感じてしまうのは、人間関係の距離がゼロに近いからじゃないかなというのがある。繰り返すけれど、それはシステムではどうにもならない。やっぱり隔離して蠱毒にするしかないのか。

 

 いや、いっそはてなブログにハイクボタンをつけて「馴れ合いはハイクで」ってやったほうがいいんじゃないか。ハイクも盛り上がるし、多分ブコメに近い扱いになってウィンウィンだ。「はてなハイクでつぶやく」ボタンの導入はとりあえずホッテントリ汚染を解決するにはいい手段だと思う。思っただけ。おわり。

 

*1:すごいほうきとかすごい雑巾の紹介ならいいと思う。

*2:ググれカス……すぐに掲示板で質問しないで検索機能を使って調べなさい

*3:半年ロムれ……ROMはRead Only Memberの略。半年くらい掲示板を読みこんだ上で、その掲示板の空気を理解してから書き込みなさいというやさしい教え。