道徳の時間「犬はワンと鳴く」
このお話はこれからどこかで起こりうるかもしれないお話です。みんなで考えて読みましょう。
「犬はワンと鳴く」
あるブロガーAが「犬はワンと鳴く」という記事を書きました。何故なら犬はよく検索される言葉なので犬についての記事を書いたらたくさん読まれてPVが上がると思ったからです。ブロガーは記事を投稿して、SNS上にシェアをしました。すると、ブログをよく読んでくれる読者たちが一斉に拡散をしてくれました。
「そうか、犬はワンと鳴くんだ!」
「これはお役立ち、メモメモ」
「確かにワンって鳴いています!」
「面白いですね、シェアさせていただきます」
最初は好意的にシェアされていましたが、拡散されるに従って記事に疑問を覚える人たちがコメントをし始めました。
「犬がワンと鳴くのは当たり前だ、何故記事にした」
「キャンと鳴く犬もいるぞ」
「英語ではbow-wow(バウワウ)だな」
「平安時代はびよと鳴いていたってさ」
そういうやりとりをみて、ブロガーAは傷つきました。何故なら、自分の記事に対して文句を言っている人たちが多いからです。そこでブロガーAは反論記事を書きました。タイトルは「僕の犬はワンとしか鳴かない」でした。確かにブロガーAの飼っている犬はワンワンと鳴きます。キャンはたまに聴きますが、バウワウもびよも聞いたことがありません。ブロガーAは難癖をつけられたと思ったのです。これに対する最初の反応はこんな感じでした。
「犬がワンと鳴くのは当たり前ですよね」
「確かにわざわざキャンという鳴き声を出すのは意地悪ですね」
「ネガコメは気にしないほうがいいと思います」
そのうちまたネガコメやわけのわからない難癖が現れました。
「いぬのきもちを定期購読しろ」
「この人わかってない」
「おまそう案件」
この騒ぎに乗じて別のブロガーBが「各国の犬の鳴き声オノマトペを比べてみた」という記事を公開。「韓国語でモンモンとか面白い」「世界の言葉って面白いね」と高い評価を得ました。それが面白くないブロガーAはブロガーBに「記事のネタを横取りされた」と思い、暗にブロガーBを非難する記事を書きました。タイトルは「炎上ブロガーに告ぐ。パクリで稼いだPVはおいしいですか?」です。これに対する最初の反応はこんな感じでした。
「嫌な感じですね。忘れましょう」
「パクリはダメですね、絶対」
「自分の実力で勝負しないとだめですよ」
ところがこの記事は思いのほか拡散され、またネガコメが大量につきました。
「いや、パクリとまではいかないのでは。嫉妬?」
「普通に元記事の比較面白かったんだけどな。何が不満なんだ?」
「ネタが被っただけでパクリ呼ばわりかよ」
何故か風向きが非常に悪くなったブロガーAは「ネットの心ない言葉に傷つきました」「面と向かって言えないこともネットでなら平気で言える」「血も涙もないネット民に説明は無駄」「炎上ブロガーBの炎上術を探る」などいろんな反論記事を書きました。ブロガーBにTwitterで記事を取り下げるようメンションを送りましたが、何の返事もありませんでした。数日後確認したらブロックされていました。ネガコメも反論記事を公開するのに比例してたくさん届きましたが、ブロガーAは我慢しました。相手にしたら負けだと思ったのです。
ブロガーAがひたすら記事を書きまくるそのうちに、ネガコメの量は減っていきました。何故なら温かいブログ仲間がいつも励ましてくれたからです。持つべきものは友達、ブログ仲間はこれからもいろんな記事をシェアしてくれることでしょう。めでたしめでたし。
犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書)
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