お久しぶり短歌。流れ流れて人は泡沫。
題詠5首
1. 星
眠らずに旅をしてきた流星の八十億の夢を見る夜は
2. 吹
青から黄から赤色の吹き流し五色の帯に染まれ境界
3. はちみつ
カラカラに渇いた喉に流し込む昨日の記憶と林檎と蜂蜜
4. 川
オレンジの皮をむくようにさらさらと溶けて流れて消えてく川岸
5. 秋刀魚
「最新の流線型のフォルムです」「それいけ僕らの秋刀魚戦艦」
秋5首
「灯篭を一緒に流した宿題の絵日記どこにしまいましたか?」
金色の女神は降り立つ豊穣の大地にゆるりと風ぞ流るる
清流を彩るもみじ葉ひいふうと数えるごとに近づく夕暮れ
ふっと転がり出でたる十五夜のススキの流れに魔法かけるよ
虫の音に投げ出す長袖着流しの知らない朝を超える長い夜