倖せな結末

彼女は静かにそこにいた。青い光が斜めに射し込む部屋の中で、まるで月の女神のような佇まいだ。「明日、行ってしまうのですね」 絞り出すような声に、涙が混ざっている。今日ここへ来たのは、彼女に別れを告げるためだった。桜の花の綻びる頃、ここを旅立たなければいけないことはわかっていたが、改めて別れを言葉にする…