サンタクロースは突然に ~短編小説の集い~

雄也のところにサンタクロースが来なくなって、今年で9回目のクリスマスがやってくる。9年前のクリスマスの朝、期待を胸に枕元の靴下に手を伸ばしても、そこには何もなかった。「サンタは子供のところにしか来ない。お前は大人になったんだ」とだけ父が言ったのを雄也はどこか遠くで聞いたような気がした。その頃から、…