BUG -Backup of Universal Globe- ~短編小説の集い~

玄関の前でカマキリが死んでいた。腹は食いちぎられてそこにはなく、もう動かない頭と胸だけを固くして両方のカマをしっかり閉じている。猫がいたずらでもしたのだろうか。「ああ、気持ち悪い」 俺は半分になったカマキリを革靴で蹴って、茂みの中へ落とした。後は土に還ろうとアリのエサになろうと見えないものは存在しな…