鉄板の上の花見 -短編小説の集い宣伝-

北の玄関口と呼ばれる公園の春はそれまで通り、青い空と桜の木が主役だった。 「はいよ、おまちどう」 花見客で賑わう沿道には露店が立ち並び、ソースや醤油の焦げる匂いが行きかう人々の食欲をそそっていた。 「しっかし、こんなご時世でも花見なんて呑気だなァ」 「内地のお偉いさんのお偉い風習は簡単になくならねェん…