あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

ドラえもんのび太の絵世界物語を見たので君らが見たいと思う記事を書いた

 どうも。ドラえもん映画40作品見て死んだ人です。詳しくはこちらから。

 

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 そんでね、見ましたよ。絵世界物語。
 世間の評判がとてもよかったので見たのですが……。

 

 

 うん、確かにとてもよかった。
 これは本当にドラえもんの映画か? ってくらいよかった。
 単純に映画としての完成度が高い。

 

 これからこの記事を読む方は、私はこういう過激な主張をしている人であるということを念頭に置いて読んでください。

 

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 元記事は非常に長いのでひと言で要約しますと「新ドラの映画の大部分は君を殺して僕も死ぬ」という内容です。異論は受け付けません。鼻で笑いたいなら笑うがいい。君が惨めになるだけだぞ。

 

 なお、おそろしくて『空の理想郷』と『地球音楽交響曲』はまだ見れておりません。だって怖いんだもの。『新・宇宙小戦争』はひと言で言うと「パピその前髪むしるぞ」だったので……。

 

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【映画として素晴らしい】

 さて、『絵世界物語』は前髪をむしられるかというと、まず映画として完成度が高い。私が映画を評価するときに一番大事にしているのは「その映画で何がやりたいのかをしっかり出せている」ということです。「観客にこういうものを見せたいんだな」っていうテーマやコンセプトがしっかりしているものは大体において何でもいいものだと思っています。その思想信条が下劣である場合、邪悪にもなりますが……(何とかのあとしまつを思い出しながら)。

 

 そういう意味で『絵世界物語』は満点です。最初から一貫して「絵を描くことの素晴らしさ」を描ききってます。これだけでめちゃくちゃ評価が高いです。何故こんなことになっているかというと、どうしても新ドラ映画の暗黒期を思うと「テーマが定まっている」というだけで本当に高評価になるんですよ。暗黒期に何があったのか、というのは話すと2ページじゃ足りないので上記のリンクから各映画評を読んでください。評価0点の奴がそれに該当します。

 

【中世ヨーロッパをきちんと描いている】

 ドラえもん映画で実は外せない要素だと思っているのが「子供に対する何かしらの気づき」です。恐竜の生態、宇宙や深海のこと、タイムパラドックスの原理、これらの気づきが本当に大事な要素だと思っています。ぼくらはドラえもんからたくさんのことを学んだ、という建前はずっとずっと大事なのです。そういうわけでそれらが薄い後期大山ドラが個人的に好きじゃあないんですよ……特にフー子。

 

 で、絵世界はちゃーんと「中世ヨーロッパ」をやっていたのが個人的に諸手ポイントです。テンペラ画やカトラリーの有無に驚くのび太がいいですね! 宮廷道化師もしっかり出てきた時点でもう「当時をちゃんと描こう」という意気込みが伝わってきました。実はここでクレアの「風呂キャン」も「中世ヨーロッパでは黒死病の流行(12世紀くらい)で入浴がよくないと見なされた」という話がマジであるので「おお、風呂嫌いも描写されている」でニッコニコしたんですよ。これは後にもう一度ニッコニコになるのですが。


【キャラが可愛い】

 ゲストキャラのクレアが可愛い。ゲストキャラが可愛い作品はそれだけで価値があります。特にクレアは誰かと友情とかそういう暑苦しい展開がないのがよかったです。ドラえもんキャラにそういう暑苦しさはいらない、というのが持論です。決して交わらない時空で出会った一期一会、それが映画ドラの本質やろ! あとおとぼけ枠のコウモリも話を邪魔しないでとってもよかったですね。新ドラはこの子供向けに侮ってると思われるおとぼけ枠で苦労してきたので……。


【ひみつ道具の使い方がうまい】

 特に後期大山ドラに顕著ながっかりポイントである「ひみつ道具封印」を今作はしないでのびのびとひみつ道具を使いまくったところが好印象です。もうそれが最高です。あと出てきたひみつ道具が「ファンに目配せしているぜ」感がなかったのが最高ですね。かるがるつりざお、ヒトマネロボット、モーゼステッキ、水ふりかけ。水ふりかけは元の話も似たようなものなので後半の使い方はある程度予想ができたのですが、そこが「予想させて的中させる」いい塩梅だったと思います。

 

 あとアクションシーンとしてのかるがるつりざおのポテンシャルを引き出したのはすっげえと素直に思いました。あのアクションシーンはもっと見ていたいですね。あの金魚鉢も使用ポイントが適切すぎて最高でした。あれ、名前なんだっけ……。


【悪役がちゃんと悪い】

 何を今更、ってところなのですが暗黒期のドラ映画では「悪役を悪く描いてはいけない」という独自ルールがあったのか知らないのですが「まるで悪そうに見えない」悪役というのが存在しておりました。何とは言いませんが、なんか金色のカブトムシが出てくる奴がそうですね。なんか植物がわしわし動く映画もそうでしたね。悪役が何をしたいのかわからねえ、というのは脚本として最悪だと思うんです。その点、『絵世界物語』の悪役はやることが一貫している上にちゃんと悪事を働いていてよかったですね。そこが加点になる映画って一体何? ドラえもんの映画だよ!!


【過去作のオマージュがさりげなく気が利いてる】

 私はドラえもんのファンなんですけど、明らかなファン向けの目配せが本当に嫌いなんですよ。ドラえもんの押し入れの中に意味ありげな写真を挿入させたり過去作のゲストをフィギュアみたいに出していたり、そういう「お前らこういうのが好きなんだろ」みたいなのが本当に嫌いなんですよ。大事なことなので二回言いました。大嫌いです。それが出てきた瞬間にクッソ萎えます。具体的に言うと『月面探査記』の「オシシ仮面の最終回」なのですが、これの文句を具体的に書いたら300字くらい使ってあまりにも見苦しいので削除しました。そのくらい大嫌いです。

 

 その点、『絵世界物語』は目の前のストーリーに集中できます。いろいろ過去作オマージュと思われる展開はありますが、展開のオマージュなのであんまり気になりませんね。例えば冒頭でニュースが流れて、そこからアートリアン・ブルーをスネ夫とジャイアンが欲しがる展開は『海底鬼岩城』だし、ホウキに乗って空を飛んで石化するのは『魔界大冒険』だし、最後に下手っぴな絵が見つかるのは『のら犬イチの国』なんですよ。個人的に『イチの国』の最後のコマが最高オブ最高だと思ってるので『ワンニャン時空伝』に対して良くない感情を持っているのですが、今作でようやくあのラストのコマでやりたかったことをやってくれたと思っています。「けっさくだ、ガハハ」のコマの情報量について書くとこれも500字くらいかかるのでカットします。てんコミ22巻を読んでね!!

 

 

 つまり、目配せってのはそんなんでいいんですよ。タイムパトロールの乗ってるアレも「ああーまたぼん準拠か!」って個人的にムカつくのですが、まあそんなのは気にならないくらい本作が良かったのでノーカンです。


【脚本がいい】

 もうこれに尽きる。適度にワクワクさせて謎を散りばめ、後半に爆発させる。うまい。最高。グッド。いいね!!

 

※ここから本作のネタバレ感想になるので、見ていない方は気をつけてください。でもこんなブログを覗きに来る方は「お、あの旧ドラ過激派がようやく絵世界を見たぞ」ってニヤニヤしながら見ていると思うので見てるよね。見てるよね。

 

 絵の世界を冒険する、というコンセプトで実際は十三世紀のヨーロッパの亡国。記録にも残らなかった国にあった「アートリアン・ブルー」という幻の顔料の謎が物語の中心にあることでお話が「絵」から一歩もぶれないところが最高オブ最高。

 

 そしてコウモリが「絵の弱点は水」と明確に発言したことで察しの良い大人なら「流し素麺と風呂をキャンセルしたクレアは」って気がつくところはいいですね。チョコレートという現代ならではのアイテムをふんだんに使うところもよかったです。最後に本物が戻ってきたところも含めて、よかったよかったというのもいい。

 

 ちなみに本作の要の下手っぴドラえもんですが、「じつにまずい、もっと出せ」で有名な「あとからアルバム」で原型を見ることができます。下手っぴドラえもんファンはてんコミで確認してください。

 

 

 ついでに「あとからアルバム」はのび太のパパがかつて絵で表彰された重要なエピソードで、画家志望であったことがしっかりわかるところです。それを踏まえて見ると、あのラストはまた染みるものがあります。のび太のパパは絵が上手い、これは大事なことです。それをゴールデンヘラクレスという呪いがなあ(以下呪詛により略

 

【おまけ】

 最後に、これに触れないではいられないと思う。ゲストキャラのあの子……お前は……頑張れ! 以上! よかったな、とりあえずコレでもこの映画の価値は下がらないと思うぞ!

 

 何故これが許されるかというと、過去に新宇宙開拓史とかいう悪夢があったので……こっちは完璧なゲストキャラであったのに対して、あっちは旧作でも思い入れの強い人が多いキャラだったからな……許せない。あまり触れたくない。あれは特急呪物だ。埋めちまえ。


【最後に】

 海底鬼岩城のリメイク、発表された時点でお気持ちをしたためようと思ってとんでもない呪詛が生まれたのでお蔵入りしてあります。途中まで書いて書きあげる気も起きなかったんですよね……今見たら、記述は「わたしの屋良ドラコルルを返せ。」で終わっている。新のドラコルルは解釈違い。アレが好きな人は否定しない。その代わり俺は岩山に閉じこもる。

 

 そういうわけで、海底鬼岩城に対して何も期待はしておりません。これは信頼の話なんです。マジでドラ映画は過去のアレコレを総括したほうがいいと思う。信頼がない。だって『人魚大海戦』とかいう赤っ恥をこの世界に生み出した奴らだぜ? 冷戦時代のあのヒリついた海底鬼岩城の構造を文句なく現代に焼き直せていたら、鼻からスパゲッティを食ってやる。そういう心意気です。

 

 あの、今からでいいのでマジで『人魚大海戦』は御者座のシーンの訂正をしたほうがいいと思います。お話としてつまんないのは置いておいて、科学的に間違ってることをやるのはダメだと思うんです。そんなチョンボを『海底鬼岩城』でやるなら、俺は許さない。せめて『南極カチコチ』くらいの科学シーンを冒頭でガンガン聞かせてくれるなら、まあってところです。特に現代はガチめの深海君がわりと多いので、小手先の誤魔化しはできないからね……。

 

 そしてドラえもん関係ないんですけど、一度失った信頼っていうのは取り戻すのが難しいって心底思いました。確かに『絵世界物語』は面白いのですが、過去にやらかしたアレコレが頭を過って素直に楽しめないんです。また変なギャグを挟まれたらどうしよう、また間違った知識を出してきたらどうしよう。そういう意味でも、やっぱりあの辺の作品群は総括されるべきだと思います。とりあえず絶滅動物モチーフでもう一本作ってください。そのくらいされてもいいと思います。特にキー坊、モアやドードーに関しては強く思います。

 

 これで今回の呪詛を終わろうと思います。またしても長い話になっちまったな。怖くて見れてない『空の理想郷』と『地球交響曲』もちゃんとみて、できればバギーちゃんリメイクに臨もうと思います。私の心は死んだんだ。死んだ気になってみれば、きっと何事も怖くない。そういう心持ちでドラえもんの映画を観ています。それでは皆さん、次回はあの世で会いましょう。

 

 せっかくなのでマウスでドラえもんを描いてみた。絵は心が大事。バレエは心で踊るんだ。

 

 

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