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ひざ掛け及び学校の持ち物ルールと架空のトラブル事例

定期的に上がる学校の持ち物ルールの話。だいたい書いてから更新するの忘れてた。あらやだ。

 

togetter.com

 

最初に

このブログ書いてる人はひざ掛けを学校に持ち込むことを否定したいわけではありません。また、寒い時は自分で体温調節出来る服装が望ましいと思うし学校に冷暖房を完備しろと思います。以上を踏まえて何卒お願いします。

 

学校の持ち物ルールが何故厳しいのか

ネットではしばしば「学校に〇〇持ち込み禁止とか意味わかんねーブラック校則だ」という話題が持ち上がる。それに対して「~~だという理由じゃないか」というと「自由の敵だ!粛清して自由を我が手に!」みたいになりがちなので「学校の考えてることは頭おかしいよね!教師はやっぱバカの世間知らずだわ!」で終わってしまう。それはあんまりだなと思ったのでこの記事を書こうと思った次第*1。ちなみに今から話すことはひざ掛けに限った話でもないです。全体的な話です。

 

結論から言うと、「小中学生にしっかりした私物管理は早すぎる」というあたりだと思っている。その辺すっ飛ばして話しても仕方ないのでその辺も考えて話して欲しいと言う話です。

 

よく育児界隈で「子供は予想外のことをするから大変」という話を聞く。その「予想外」が何十人も集まってるのが小学校であり、中学校である。想定も出来ないトラブルが転がりまくってるに決まっている。鼻の穴に練り消し詰めるとか匂い付き消しゴム食ったら美味そうとか、キャラ消しゴムの交換が流行って高価な消しゴムをねだられて困ると苦情があり消しゴムは白の四角のみと決められるとか親の婚約指輪の宝石を見せると行って持ち出して無くすとか、もう想定内の話になってくる。そこでそれを防ぐために「学習に関係のないものは持ち込んでは行けない」という強固な決まりがあったりする。

 

まず「盗難対策なら盗難発生時に警察入れろ」について。個人的感覚だけど、盗難と呼ばれる事象について「あの子のキャラもの欲しいから勝手に持っていこうヒッヒッヒ」という悪意のある窃盗は少ないと思ってる。特に小学校低学年くらいだと「間違って隣の友達が持って行ってしまい、気づかず破損させてしまう」「その辺に置いておいて忘れてしまい、後でぐちゃぐちゃになって発見される」みたいなことの方が多い気がする。「持ち物がなくなった、盗難に違いないすわ警察!」となる前にやることが多すぎる。そもそも子供は「探す」というスキルが圧倒的に低い。探したつもりで「実はカバンの底にありました」みたいなことも多い。それに悪意あって持ち去ったとしてもバレた時に「間違って持って行ってしまった」と言えば大体許されてしまう。明らかに鍵を壊されて荒らされた形跡のあるものなら「盗まれた」判定でいいと思うけど、単なる紛失なのか誰かの不注意なのかは本当にものが見つかるまでわからない。ひざ掛けなんてデカいものは無くさないだろうって?それならランドセル忘れる子はもっといないはずなんだけど……。

 

次に「鍵付きロッカーなどで管理させろ」なんだけど、個人的にその対策100%、もう絶対の絶対に「鍵なくした」「鍵穴ガチャガチャして壊した」「鍵盗まれて中身をとられた」「嫌がらせで鍵隠された」「鍵を変なところに落としてとれない」「鍵を家の人が間違って捨ててしまった」というようなトラブルが起きる前提で設置しないといけない。「後は自己責任」以前の問題なのである。

 

それから「後は自己責任や警察案件として自由にやらせればいいじゃん」とあるけど、自己責任というのはかなり難しい。何故なら紛失したり盗難に遭う品物は小中学生ならほぼ自分の稼ぎで買っていない、つまり保護者等の大人が購入したものを貸与していると考えた方がいい。なくす可能性があるところに持っていくほうが悪い、鍵をかけないで留守にして泥棒に入られるのは用心が足りないからだ。そんなところである。もちろん盗難が起こるのを防ぐことが出来ればよいのだが、現時点でそれは持ち込み禁止にするより圧倒的に難しいことだということを考えてもらいたい。戦争はよくない、平和が一番だ。じゃあ今すぐ戦争は全部なくせるのか。そういうレベルの話である。「理想はあるけど、現実が追いつかない」というところで、現実の話をするところで「理想じゃない!」と怒られても、うーんという感じ。

 

とはいえ、「だからやらない」ではダメなのであるが、現状「じゃあやろう」レベルまでの余裕はない。生活指導員という教科外の教員の採用、家庭間での価値観の差異の受け入れ、中学受験の過激化により発生する諸問題*2、公立高校の転勤問題*3などなど、やるべきことはたくさんある。人員確保のために文科省の役人を現場に送ろうぜ!とは思う。事件は全て現場で起きてるんだ!

 

まとめると「小中学生の面倒を見るのは大変」ということです。現代は生活体験が乏しくなっているので「これくらいわかるだろう」ということも分からなくなってきている。お盆に墓参りに行くことやそもそも墓参りをどうするのかなど知らない子供も結構いるのではないだろうか。その感覚の延長に「持ち物には名前を書く」「元あった場所に返す」などの物の管理の方法もある。こういうのはいくら学校で教えてもなかなか身につくものでは無い。まず本人たちに聞く意識がないのだから仕方ない。だけどやらないと仕方ないし、でもできないしやってくれないし、そしてはじめにもどるのである。うーん、難しい。

 

以下は「ひざ掛けを持ち込むことで想定される架空のトラブル」です。もちろん架空ですので「ありそう!」と思われることですが、かなり大袈裟に書いてます。ただ「自分ならどう解決しよう」と思いながら眺めて欲しいななどと思います。ではこれにてこの話題おしまい。

 

ひざ掛けを生徒が持ち込むことで想定できる架空のトラブル

ケース1(中学2年生)

クラスで浮いているA子さん。A子さんが使用している某サンリオキャラのひざ掛けがお下がりのためくたびれていて、クラスの意地悪グループの女子が「ボロ某サンリオ」「Bリオ」とあだ名し、SNS等で「Bリオうざくね」「Bのくせに声かけてくるとか(笑)」「アタシ某サンリオのグッズもう買えない(笑)」などの陰口大会が開始される。何かの拍子にA子さんがそれを知り、不登校になる。意地悪グループは「A子さんを名指しで誹謗中傷などしていない」としらばくれる。

 

ケース2(小学6年生)

他人の目を異様に気にするG子さん。グループの中ではハンカチや色ペンを交換するのが流行っていた。グループの中でトップに立ちたいG子さんは新品の可愛いひざ掛けを交換に出すことに。家で「なくした」と嘘をつき新しいひざ掛けを手に入れたG子さんは再びひざ掛けを交換する。これを3~4回繰り返し、何度も「なくした」と言い張る娘に疑問を感じたG子両親は学校に問い合わせる。事情を尋ねられたG子は自分が責められることを最大限回避しようとして「H子ちゃんたちに無理矢理とられた」と告げる。早速H子たちに事情を聞く教師。いきなり「G子のひざ掛けはどうした」と尋ねられ「もらった」と言い張る一同。口裏を合わせていると考えた教師たちはG子へのいじめを想定。いきなりいじめっ子の容疑をかけられH子たちはG子への不満が大噴出。愚痴を言っているところをクラスメイトに聞かれて「H子さんたちがG子さんの悪口を言っていた」と後日行われたいじめアンケートに書かれる。大事になってしまったので怖くなったG子はいじめられて傷ついたということで不登校に。真実を知らないG子両親が説明会を要求。H子たち両親に謝罪を求めるが、H子たち両親も負けずに「うちの子は悪くない」と謝罪するつもりはない。卒業間近ということで事は有耶無耶になり、G子は遠くの私立中学へ進学することになり卒業式にも参加しなかった。

 

ケース3(中学1年生)

祖母からもらったお小遣いで可愛いひざ掛けを買ったM子さん。学校に持っていくが、少々忘れっぽいM子さんはひざ掛けを移動教室の際忘れてしまう。後に気がついて取りに行くと、隣のクラスのN子さんがひざ掛けを持っていた。N子さんは記名されていないひざ掛けを落し物として届けようとしていたが、早とちりしてしまうM子さんに「泥棒!」と思われてしまう。N子さんは釈明するが思い込んだら聞かないM子さんはヒートアップして職員室に駆け込む。その噂を聞いた生徒たちは「N子さんが盗んだ」と思う。その場はM子さんを落ち着かせてその一件は終わったが、M子さんから話を聞いたM子さんの祖母が「N子という泥棒がうちの子に迷惑をかけた」と近所で言いふらしN子両親に謝罪を求める展開に。N子両親は激怒し学校に説明を求める。一連の状況に若手のM子担任にドクターストップがかかり、年度末で退職することになる。

 

ケース4(小学5年生)

学校でひざ掛けを解禁したところ両親から持っていけとひざ掛けを押し付けられた押しの弱いY男くん。仕方なく学校に持っていくが同級生から「ひざ掛けとか女子のものだし」「オカマ!オカマ!」「生理ですかー!」とからかわれる。挙句の果てにひざ掛けを女子トイレの中に投げ入れられ、その様子を見て女子はY男くんを庇うどころか「キモい」「オドオドしてるからいじめられるんだよ」などY男くんを遠巻きにする。Y男くんの担任は激怒しクラスで説教大会が開始される。Y男くんとクラスメイトの間柄はそれきりで後に特にトラブルにはならなかったが、その中でいじめに加わらなかったものの繊細なZ子さんが嫌なクラスの雰囲気に加えて「関係ないのに私にも説教された、私のせいだ」とPTSDを起こして不登校になり、その後フリースクールに転校することになる。

 

ケース5(中学3年生)

移動教室の間にひざ掛けや防寒着の盗難が相次ぐ。後日盗まれたものと同じ品がメルカリに出典されているのが発見される。タグや名前の部分が切り取られていて、非常に悪質であると判断。出品者からα男が容疑者として割り出される。α男に話を聞くと「知らない」「関係ない」「俺じゃない」と全面否認。α男が盗んだ証拠はなく、α男の両親は「証拠もなくうちの息子を犯罪者呼ばわりするのか!」とα男を庇う。受験シーズン真っ最中であり、卒業も控えているためあまり大事にしたくない学校側と被害にあった家庭の間で揉める。真相はβ男率いる不良グループ(先生と仲良しだが陰でいじめをしまくる輩)が少しずつ品物を盗み、α男を呼び出して脅し、メルカリで売却させていた。α男は最初からしっぽ切りで、β男一味は「α男が盗んだのを見た」と虚偽の目撃談を出す。α男の両親は遂に息子を疑い、後でα男が騙されていたことを訴えても聞き入れない。犯人はα男ということで学校側は結論づけるが、被害者側に謝罪の会を開いただけで賠償などは当事者間同士で、ということにまとまった。α男の両親はそれぞれに最低限の対応をして、引きこもりになってしまったα男を連れて他県へ引っ越す。β男一味は受験にも合格、晴れて卒業式を迎えてみんなで寄せ書きをするのだった。その次の年度から「防寒具の着用は禁止」という校則が増えてしまうが、α男もβ男一味にも関係の無い話だ。

 

以上です。おしまい。

 

*1:全くの余談になるけど、発端のTwitterアカウントはこの手の話題で学校教育のヘイトを煽っているフシがあるので話半分にしたほうがいいと思った。真面目に怒っているのではなく、反応が欲しくてやってるか世の中のヘイトに火をつけて面白がってる可能性もあるということです。真面目に怒るなら知らない人の体験談?に乗っかるより自分の声で怒ったほうがいいと思う次第。余談終わり。

*2:受験組と公立組の対立やそれによるクラス運営の困難、遅くまで塾で勉強するため学校生活に影響がある、夕飯代を毎日持ってくる、受験のストレスで余計なトラブルが発生するなど。中学受験そのものが悪いわけではないが何事も過激化すると良くないことが起こる。

*3:5~10年程度で転勤があるため学校改革をする暇もなく、どうせ転勤になるため頑張って改革するモチベーションも湧かない問題。