夏が終わるけど短歌。
1. 流
「さよならさ」だからバイバイ流れ星 明日の朝には電車も見えない
2. 囃
お囃子がスピーカーから聞こえてる近所の小さな児童公園
3. フラット
凪いでいる海を見つめる感情が昨日に比べてこんなにフラット
4. 西瓜
縁側の下に落ちてる夕焼けを探して見つけた西瓜の芽ひとつ
5. こめかみ
湿らせたタオルを掴んでこめかみに当てて聞いてた準々決勝
テーマ「怪談短歌」
宵闇が迫る時間のブランコが勝手に揺れたらおいらの時間
廃屋に散らばる破片を踏みしめてそうだ僕には足がなかった
病院と呼ばれた施設にべたべたと「助けて助けて助けて助けて」
浴槽の蓋の裏は丁寧に洗うもんだと婆ちゃんが言う
交番の陰から覗く手や足や長い髪を見てはいけない