「へえ、不思議なことがあるもんだ」
ぼくがおどろいて声を上げると、台所からお母さんが出てきた。
「何の本を読んでいるの?」
「もも太ろうだよ、はじめてこんなにすごい本を読んだよ」
ぼくがもも太ろうという本を見つけたのは学校の図書館でした。その日は夏休みの本を借りるということで普通は1冊しか借りられないのに3冊借りていい日だったので、借りようと思っていたいきものずかんと先生が借りろと言ったかわいそうなぞうと何を借りたらよいかわからなかったので先生に聞いたら
「なんでもいい」
と言った。ぼくは知っている話ならすぐ読み終わるだろうと思ってもも太ろうを借りたのだった。
家に帰ってもも太ろうを読んで、ぼくはびっくりした。ぼくはもも太ろうの話を知っていると思っていたけれど全然知らなかった。まさか犬とさるときじが出てきて
「もも太ろうさんもも太ろうさんおこしにつけたきびだんごひとつわたしにくださいな」
と言うと思わなかった。動物がしゃべるのはおかしい。このまえうちで飼っているねこのハムがしゃべったらいいなとお父さんに言ったら
「ねこがしゃべるわけないだろ、ばか」
と言った。だからぼくは犬やさるやきじがももたろうとしゃべるのはおかしいと思う。それと犬はほねがだいこうぶつだし、さるはバナナを食べるしきじはくだものを食べると思うのできびだんごをもらってもうれしくないと思った。もしもぼくがおにたいじに行くのにきびだんごをもらっても絶対行かないと思う。
あとぼくがびっくりしたのは、アンパンマンが出てこないことです。ぼくの思っていたもも太ろうには、アンパンマンが出てきました。チーズと、赤ちゃんマンと、しょくぱんマンが出てきました。ほんとうのもも太ろうにはアンパンマンが出てこなくてびっくりしました。
この本を読んで、ぼくはもも太ろうがつよくてとてもびっくりしました。またいろんな本を読みたいです。おしまい。
(原稿用紙で大体3枚目の数行目くらいの文字量)
【先生からのコメント】
楽しい本が読めてよかったですね。かわいそうなぞうの感想も書きましょう。
※桃太郎にアンパンマンが登場するのはネタじゃないです。数年前のものですがこんな記事がありまして……。
アンパンマンは昔話でも大活躍!? 小学校古典導入を控えて - きょういくじん会議 - 明治図書オンライン「教育zine」