あぁダリぃと言える人とあったまりたい、晩秋の夜。
1. シチュー
「おうちには帰れないよ」とばあちゃんが作ったシチューの湯気は偽モノ
2. 声
静寂が鈴のように鳴り響く夜に囁く声ぞ何処に
3. 羽
頭から羽根が生えて飛んでった たんぽぽ畑の一等賞の子
4. 信
信号機 赤から青になるときは黄色は間に挟まないから
5. カニ歩き
銀行で陰から出てくる思惑がカニ歩きをしてたのは何故
6. 蘭
鈴蘭の色を聞かれて「赤」と言う人を信用したのが始まり
7. とり肌
心から身体の芯まで愛してよ とり肌際立つ毛皮を脱いで
8. 霜
公園で氷を割って遊んだ日 未だ止まない霜の軋み
9. 末
「報告書、寝ないで全部書きました」「瑣末なことなど知りたくないわ」
10.【枕詞】ひさかたの
ひさかたの天原ひろく抱き寄せて 凍れる世界をあばいてみたし