はてな題詠「短歌の目」の企画が盛り上がったようで何よりです。「これを機会に詠んでみよう」という声がたくさん聞こえてきたのも嬉しかったです。そして「何かを表現することは楽しいなぁ」という思いがたくさん広まればそれでいいなぁと思います。主催者の卯野さん(id:macchauno)、お疲れ様です。
自分も似たような企画やっているのでこの初回の感想をつけるプレッシャーはビンビンにわかるつもりです。そうそう、「短編小説の集い」は現在作品を募集しているので興味がある人は参加してね。
【第5回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」
で、みなさんの短歌の感想マラソンに参加しようと思うのですがちょっと量がたくさんあるので、とりあえず今回の自分の歌の反省だけさっと残していきます。めんご。
1.白
白なんて知らなきゃよかった アイツにはあの子がいるって思ってたのに
この「白」は「犯人か否か」で使われる「クロシロ」の白です。片思いをしていた人は勝手に他の人が好きなんだろうって思って勝手に諦めていたのに、気持ちまで「まっしろ」だということを知ってしまった。勝手に諦めていたアタシはなんてバカだったんだろう、みたいなそんな感じです。
2.チョコ
麗しの夢見る甘味に誘えば ひとつ快楽 ふたつめビター
本当なら「チョコ」って入れたほうがいいんでしょうけど、どうもこの雰囲気に「チョコ」を入れると崩れる気がして、それでいて他の歌が思い浮かばず提出してしまいましたすみません。イメージとしてはポルノグラフィティの「ビタースイート」です。
3.雪
「雨の日と雪の日だったらどっちがいい?」ぐしょぐしょ泣いてるお前を詰問
いろいろ想像をかき乱す歌ですが、シチュエーションとしては靴がびちょびちょになった子供です。雪の日に残念になった靴ほど残念なものはありません。「こら靴の野郎!」と怒りたくなるのです。
4.あなた
「たくましいあなたの腕が大好きよ」「それならやるよ腕一本なら」
とりあえず、この会話は実際にあった会話らしいです。この歌を詠んだ人がどういうポジションなのかは想像にお任せします。
5.板
大海に漂うために掴むのは ファミコンランドの配線基板
板と聞いてまず思い浮かぶのは「サーフボード」→「ネットサーフィン」と来て歌のイメージはできたのですが「ファミコンランドのサーフボード」の語呂が悪いと思ってそれっぽくしたらわけがわからなくなりました。
6.瓜
公園で西瓜をふたつ食べました 皮だけ残して種までしゃぶって
「瓜→破瓜」ということでいわゆる完全な「艶歌」なのです。けっこう過激な表現が好きなのに、意外と自分って艶歌詠んでないなぁと気が付きました。つやつやを目指します。
7.外
「怖そうな外見ですね」「そんなことないです普通の女の子です」
上の句を作ったらあとは必然的に組みあがりました。自分で詠んでおいて一体どんな人たちが交わしたものなのかさっぱりわかりません。はたして「普通の女の子」が本当に女の子なのか、それとも人間以外の何かなのか、それはよくわかりません。でも本人(?)がそう言ってるからそういうことなんでしょう。
8.夜
太陽が昇る瞬間抱きしめて この世の夜が始まる前に
すっごい対比とか刹那性とか「太陽が昇るのに夜になるって一体」とかふんだんに盛り込んでいるのに詠んだ人が一番気分的に盛り上がっていないのであまりよくない歌なんでしょう。技巧を凝らし過ぎるとインパクトがなくなる例。
9.おでん
誰からも好かれるコツはとりあえず何でも煮込んでしまうことです
アニメの「キョロちゃん」でやってたおでんの回でこんなことを言っていました。「みんな同じ鍋で同じダシに染まればみんな仲間」だそうで、これを寒い日に見るとお風呂に入りたくなる名作です。DVD復刻しないかな……。
10.卒業
陽だまりの黒板に浮く「ありがとうもう少しだけもう少しだけ」
完全にワンシーンを切り取りました。卒業式って証書をもらったときでも体育館を出るときでもなくて、アルバムに寄せ書きしてもらっている友達ともう明日からなかなか会えなくなるってわかった瞬間が「ぐわっ」と来ると思うんです。「ああもう日常が日常じゃなくなるんだな」みたいな。でもこの日常が心地いいからあと少し、あと少し一緒に居たい、みたいな。完全に女の子が大好きな『一期一会』の世界です。
そんなわけで自己反省終わり。感想書くのもお勉強になると思うので来週も一週間がんばるぞい。(明日は?)