あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

「夢と違うじゃねぇかよぉ!」の話

 ブログタイトルのそばにひっそりとしているこの言葉にピンときた方はネット系都市伝説に詳しい方だと思います。すこし不気味な話ですので軽く閲覧注意でお願いします。

 

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 元々はよくある都市伝説のキメ台詞です。有名なものの概要をさっと書きます。

 

 私が人通りのない道を夕方遅く歩いていると、後ろからずっとついてくる人影がありました。気持ちが悪いので早足になると人影も早足になり走り始めると人影も付いてきました。恐ろしくなって交番に走っていきましたが、誰もいません。振り返ると、大きい鎌を持った男が後ろに立っていました。私は大声で叫びましたが誰も助けに来てくれませんでした。

 

 そんな恐ろしい夢を見ました。しかし夢は夢だと思って忘れていたのですが、ある日、部活でいつもより帰りが遅くなってしまいました。すっかり日の落ちた人通りのない道を歩いていると、後ろからずっとついてくる人影がありました。気持ちが悪いので早足になると人影も早足になります。「これは夢と一緒だ!」と思い恐怖にひきつる心を抑えて交番に走っていきますと、灯りがついていました。中に勤務している警官の姿も見えます。ほっと安心した時、後ろから追いかけてきた人影が「夢と違うじゃねぇかよぉ!」と叫び、そのままどこかへ行ってしまいました。

 

 私は恐怖で言葉が出ませんでした。男の顔は、夢に出てきた男の顔と全く一緒だったのです。

 

 これが俗にいう「夢と違う」という都市伝説です。現実に「夜道に後ろを付きまとわれる」というのは故意ではないにしろ、なんとなく気持ちが悪いものです。その気持ちの悪さを怪談風に仕立てあげたこの話がなんとなく好きなのです。

 

 それから何となく、この超自然的な不審者のキャラクターが何となく好きなのです。「ベッドの下男さん」や「隙間女」さんに比べて地味で名前もなく、しかし強烈なインパクトを残していきます。どちらかというと、なんとなく以下の話のキャラクターに似ています。

 

 中古ビデオショップで、処分品のように売られているビデオテープを買ってきた。中に「のこぎり」というタイトルのビデオがあったので再生してみると、のこぎりを持った男がどこかの町を全力失踪しているだけの映像だった。男は目が血走っていて、髪を振り乱しながら走っている。「変なビデオだな」と思ったとき、後ろに映った建物から男が走っているのはこの近所だということに気が付いた。そして男はこの家に向かってきているらしいということにも気が付いた。やがてビデオに映し出されたのは自分の家。男は自分の家の門柱をのこぎりで切り始めた。慌てて玄関に様子を見に行くと、実際に男がいてのこぎりで門柱を切りつけている。「やめろ!」と叫ぶが聞き入れる様子はない。思い切ってビデオの電源を消すと、男も一緒に消えた。ただし、門柱にのこぎりの後は残っていた。

 

 この「超自然的な不審者」は存在自体は超自然的であるのに、やっていることが非常に現実的なのです。「現実に起こりうる恐怖」が実体化したのが彼らなのかもしれません。そのうち妖怪ウォッチみたいなのに補足されそうですね。はてな界隈も十分妖怪が住み着いていると思いますが。

 

 余談ですが、「夢と違う男」は以下の話にも雰囲気が似ている気がします。

 

 私は俗にいう「見える人」です。意識をしなくても、こちら側の人間でない人が目に飛び込んできてしまうのです。

 

 ある日横断歩道で信号待ちをしていると、向こう側に「こちら側ではない人」がいました。それははっきりと見えるのですが、明らかに生きている人間ではありません。自分が死んだことに気が付いていないのか、平然と立っています。信号が青になりました。彼がこちらに近づいてきます。私は彼に気が付かないふりをしていました。そして彼とすれ違う瞬間、ぼそりと彼は私の耳元でささやきました。

 

「見えているくせに」

 

 キメ台詞ある系の話ってオチが締まって結構好きですね。