あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

思考の方法

 よく「頭の中で考えるとき、どんなイメージになるか」っていうのがあってそれは人によって文字だったり音楽だったり映像だったり異なるようで、自分は何だろうと考えてみた。それで出た結論が「色と触覚」だ。

 

 実際小説を書くとき何をまず思いつくかと言うと、登場人物の大体の特徴を組み合わせてどんな事件が起こるかを何となーく思い描いたら、次に考えるのが「時間帯」で、そこで場面の色を明確にしないとそれ以降のシーンが思い浮かばない。そしてそこが暑いか寒いかちょうどいいかくらいは想定しないとまるで話が出来ない。

 

 絵を描くのは下手だけど、色を組み合わせるのは好きだ。何度か絵を描こうと思ったこともあったけど、結局自分の表現したい色と言うのは頭の中にしか存在しないっていうことに気が付いて、それを何とか言語化したほうが気持ちいいのではないかということでこういう文章になっている。思考の手順と、文章を書く作業はまた別の頭の回路を使っている。例えるなら、鮮烈なイメージを作るのが色や触覚の役割で、それをアウトプットするために頭の中の引き出しから必要な言葉を拾っていくのが言語化の過程だ。

 

 そういうわけで小説を書くのとは別に短歌を詠むのも好きなのです。明確な言語化を抜きにして例の色彩と触覚のイメージだけでいろいろ表現できるのは楽しいです。自分の場合、短歌を詠むのに言葉のストックってほとんど使ってないわけです。触覚と感情、あと色となんかキラキラしたものを探してきて組み合わせる作業は言語化のリソースを使わないで出来る楽しさと言うか、そんな感じです。

 

 そういうわけで「短歌で詠んだ鮮烈なイメージを何とか言語化できないか」という試みを密かにやっているのですが、これが結構難しい。そのうち形になったらどっかに出そうとは考えています。今のところ言えるのはこんなところです。