あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

ポエム雑感

 「意見ください」とあるので思いっきり「あとで」書いてみた。

 

詩を書いてるんだけど意見をください

 

 そういうわけで全文見て、思うところをいろいろ言ってみる。詩は昔少しやってたけどほぼ独学です。

 

ある時人生は無意味なんじゃないかと思い始めて頭から離れなくなった
人間がどうしようもなく無意味なものに思えた
経済や政治は人のために人が作ったもの
お金もその仕組みのパーツでしかない
人が働いてお金を得てそれが何になる
生きているせいで人は傷ついて悲しい思いをする
幸せという価値の曖昧なものに踊らされる
無意味な世界は色を失っていった
僕の視界は白くなった
僕に、その子は言った
その白ってすごく綺麗な白だよ
彼女は続けた
宇宙の始まる前って何もなかったんだって
ああ、そうか
僕は宇宙の始まりを逆行した
そこは人生の無意味さとは比べものにならないくらい白かった

 

 昔詩の勉強を少ししたときに言われたのが「詩を作るときに『ふと』とか『何気なく』とか『思えた』とか入れると『そんなん当たり前じゃん』ってなるから入れないほうがいい」ってこと。何かを考えているから言葉になっているのであって、そこで自発の意味がある言葉を入れると締まらなくなるとかなんとか。覚えているのはこのくらいです。

 

 あと卑怯なテクニックだけど、具体的な名詞よりも抽象的な名詞のほうがなんかそれっぽい感じがする。「政治や経済」っていうと生々しいけど、「人々の営み」っていうとなんかそれっぽい。それから「幸せ」「無意味」っていう言葉もわかりやすすぎる。それらを言いかえたなんかカッコイイ言葉を探すといいかもしれない。

 

 そんなわけで、具体的なワードを無駄に抽象的なものに置き換えて、韻まではいかないけれど音読して気持ちいいくらいの言葉で置き換えてみて、頭と結を連動させて余計なものをとりあえず取り除いて、だけど元の詩の「人生は無意味=白=無意味な色」という文脈は損ねないように頑張ってリライトしてみた。

 

価値のある人生に意味などなくて
働いて金を稼げど右から左で
綺麗なものほど諸行無常
幸せの形すら色を失っていく

 

今はただ、目の前が暗い

「白って、とても綺麗な色だよ」
「宇宙の始まる前は、何もなかったんだって」

 

ああ そうか

 

僕は宇宙の始まりを体現している
そこはただの白 色を失った色

 

無意味の白だった

 

 一応「暗い」ということで読者の中に「色を失った=黒」という想定をさせておきながら次の連で「白」というイメージを唐突に持っていくことで急に視界が開けたような気にさせる意図を盛り込んでみた。「白」を強調するのであれば「目の前が白い」でも良いかなぁと思ったけれど、こうしたほうがインパクトあるかなぁと言ったところです。

 

 国語の教科書風に言うと「途中の鍵括弧は誰の台詞でしょう」という問題になって「作者の中に潜む純真無垢な自問自答の発露」とかそういう感じの答えになりそうだ。なんにしろ、超自然の存在が語りかけてきて、それが女の子かどうかは割とどうでもいいと思ったので「その子」「彼女」という主語はカットした。彼女を主役にするのであれば、多分前半は全部カットしないといけない。そうすると多分伝えたいことが伝わらないので「その子」の主語をぼかすことでつなげてみた。

 

 まぁ詩は楽しいよね。韻ということを考えると疲れるけれど、音読して楽しい言葉をずらずら並べていくのは楽しい。そんなわけでおしまい。