読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

はてブ訓練養成所

ネタ

 重い扉を開けると、その先に地下の施設へと続く階段があった。

「ほら、さっさと歩け」

 後ろから怖い顔をした人間のような何かが、しきりに大きな斧で追い立てる。

「ちょ、え、だって僕、はてなブックマークを使いたくて登録しただけなのに……」

「登録だけならサルでもできる。ツールは、使い方が肝心だ」

 長い階段の先には、これまた怖い顔をした見張りの門番のような係りが立っていた。

「新参者一名、連行しました」

「ほう、久しぶりの人間か」

 怖い顔同士はがっちりと握手を交わした。

「それでは、訓練が終わり次第引き取りに来る」

 それから、もう一人の怖い顔は地上へ帰って行ってしまった。

「さてさて、アンタの名前を聞こうかね」

 門番風の怖い顔はこちらを見てニヤリと笑った。怖い顔がますます怖くなった。

「いや、言わなくても必要のないところにデカデカと書いてある。IDはreal-zyu-zituseikatu……それと、(実名につき伏す)だね。アイコンも元気な若者の写真だ。実名顔出しブロガーっていう奴か」

「わ、悪いか! 俺はブログを書きに来ただけだ!」

 そうだ、俺は「はてなブログはブロガー同士の交流が盛ん」とだけ聞いてはてなブログに登録をしただけだ。それから他のブロガーさんがよく使っているコメント機能のような「はてなブックマーク」を使っただけなのに、何でこんな目に合っているんだ……。

「ブログを書きに? その言葉に嘘はないか?」

 怖い顔はますます怖い顔を怖くさせて迫ってきた。

「当たり前だろ! 交流するのにどうしてこんな変なところに連れてこられる必要があるんだ!」

「何を言ってるんだ。お前さんの名前と同様に、ただブログを書きに来たわけじゃないことがブログにちゃーんと書いてあるんだよ。しかもブクマをしていると来た」

「な、何を言って……」

「これを見ろ」

 怖い顔が俺のブログを眼前に突き付けてきた。それは一昨日書いたエントリだった。

 

【PV報告】ブログ初めて一か月の超初心者でも出来たPVアップ7つの方法【収益増のコツ】

 id:real-zyu-zituseikatu 今月の結果報告です!拡散お願いします!

 

「こ、これの何が悪いって言うんだ!?」

「ひとつ、ただブログを書きたい奴は収支報告なんて行わない」

「ぐっ」

「ふたつ、それを拡散しろなんて言わない」

「みっつ、ただブログを書きたい奴はそもそも実名にしない」

「そうなの!?」

 俺は怖い顔の言うことがよくわからない。

「そもそもお前、ブログって何だかわかってるのか?」

「え、ちょっと文章書いて有名人にうまく絡めば有名人になって、しかもお小遣いが儲かる奴のことじゃないの?」

 当たり前のことを言うと、怖い顔は頭を抱えた。

「ええい、貴様のような奴は承認欲求無間地獄に叩き落としてやる!」

 怖い顔が何事かをしようとしていると、後ろから可愛い女の子がやってきた。

「お止めになって。この方の訓練は私が行います」

 女の子が声をかけると、怖い顔は困った顔になった。

「ええ、でもこいつは筋金入りのアレですよ」

「わかってます。だからこそ、ですよ」

「あなたのモノ好きにも呆れますね」

 怖い顔はやれやれと肩をすくめた。

「わかりました、この訓練所でしっかり学ぶことを約束すれば承認欲求地獄送りは取りやめましょう」

 俺は何だか知らないけれど助かったと思って、ほっとした。

「では、参りましょうか」

 気が付くと、女の子の手から鎖が伸びてきた。

「えっ、ちょっと何を!?」

「決まってるじゃありませんか、あなたを『フォロー』したんですよ!?」

 鎖は俺をぐるぐる巻きにして、身動きを封じる。

「これで、アナタがもう失言をすることはなくなりました」

 俺は顔をあげて、悲鳴をあげた。だけど、「失言」をしない効力のせいか声は出なかった。カワイイ女の子だと思っていたそれは、さっきの「怖い顔」に姿を変えていたのだ。

「じゃあ、一緒にお勉強しましょうね」

 俺はこうやって「怖い顔」に引き立てられて、地下の施設に連行されていった。

 

 つづく。

 

 

 気が向いたら続きを書く。

広告を非表示にする