あのにますトライバル

君の気持ちは君の中でだけ育てていけ。

噂の『ドリカムのPV』を見てきました。

 そう、『インサイド・ヘッド』を見てきたんだ。映画は非常に面白かったし、恒例の短編アニメーションも楽しめたよ。ただね、ただね、あれは一体何なんだよ。

 

togetter.com

 

 やたら叩かれていたのは知っていたけど、「実際に見るまでは何も言わないでおこう」って決めていたのよ。それで見に行って、改めて言うわ。企画した奴誰だ、一体何を考えてこういう事態になったんだ。

 

ムカムカポイント①:本編の前に始まるタイアップソングPV

 自分はドリカムそんなに嫌いではないのでタイアップソングそのものはいいと思う。エンディングで差し替えであってもいいと思う。ただ、映画の前にぶち込むのは行儀のいいことだとは思えない。観客はライリーのことを知らないのに「ライリー♪ライリー♪」って聞かされても「ライリーって何者なんだよ!??」としか思えない。このPVを前に挟んだことそのものがかなりひどい。

 

ムカムカポイント②:物語に全く関係ない

 物語に関係のありそうなPVだったらまだ、面白く見れたと思うのですが、ただただ写真がずらずら流れてくるだけ。たまにキャラクターが登場する、それだけ。ぶっちゃけ物語に全く関係ないです。だからイライラが余計たまるわけです。

 

secured.disney.co.jp

 

 どうやらここで募集した写真をそのまま貼り付けて出した、だけのようだ。そりゃあ物語に関係ないわ。ドラえもんの映画では最近「僕の考えた秘密道具」みたいな一般公募のイラストを載せていたりするけれど、それだってEDのおまけ要素だよ。教育テレビで流れる読者からのイラストコーナーだってEDって相場が決まってるんだよ。なんでOPでやるんだよ。「わかやま あいりちゃん(3)」*1とかのクレヨンで引っ張っただけの線が流れるのもEDだからいいんだよ。OPであいり画伯の絵画を持ってこられても応募した親は「あいりの絵がTVに映った!」って喜ぶけど、あいり画伯を知らない一般視聴者は「お、おぅ」にしかならないだろ……。おまけだからいいんだよ、ああいのうは。

 

ムカムカポイント③:フルコーラスだ

 アニメのOPだって、どんな名曲でもフルコーラスやらないでしょ。たぶんこれが1番だけとかだったらまだ擁護する方向はあったと思う。とにかくOPで「フル」はない。長い。飽きる。フルがやりたかったらEDに持って行け。アニメの第一話なんて最近はOPすらすっ飛ばすぞ。

 

ムカムカポイント④:PVそのものがダサイ

 正直これに尽きる。ドリカムの歌は好き嫌いこそあれ、それほど悪いとは思えない。何がここまでイライラさせるかって、単純にPVがダサイのが悪い。映像の専門学校の生徒に作らせた方が面白いんじゃないかって言うくらいコンセプトが明確じゃないし、何がしたいのかよくわからない。

 

 だって、ドリカムの歌の歌詞とiPhoneのカメラロールをくっつけたみたいな仕上がりなんだもん。ただただ写真をべーっと並べて貼っただけ、という感じ。写真のひとつひとつも小さいし、一瞬しか映らない。なんとなく「悲しい」「楽しい」くらいの雰囲気は歌に合わせて演出しているんだろうけど、そもそも漠然とした一般公募の写真をコンセプト通りに並べて魅せるっていうのが至難の業。こういう写真で感情を紹介するPVがやりたかったら、ちゃんとモデル使ってふさわしい写真を撮りに行くべきだったと思う。最初の数枚はきちんと感情がわかるけれど、残りの写真は小さいし一般の人の表情ですぐ感情がわかるかといったら疑問しかない。ぶっちゃけ、後半はただの一般人公募アルバムでしかない。

 

 そこから見えてくるコンセプトが「写真を応募した人がもしかしたら採用されているかもしれないから映画館に行く」という戦略くらいで、後は本当に何がしたいのかさっぱりわからない。さっきも言った通り、おまけ要素のあるEDだったらよかったと思う。たぶんOPに持ってきたのは、EDにすると席を立つ人がいるからしっかり見てもらいたい、ということなのだろうか。完全に逆効果だと思うけどな!!

 

 もし普通にドリカムが歌っているPVが流れたとしても「関係ないだろ!」はあったかもしれないけれど、この「何がしたいのかよくわからないPV」よりはマシだったんじゃないだろうか。

 

まとめ

 映画の最初というか物語の最初ってかなり重要で、そこでお客の心を掴まないといけないのですが、そんなわけで採用された人の「あった!」しか得のないようなこのシステムは内輪ウケ狙いにしか見えません。それが露骨すぎて正直曲を提供したドリカムがかわいそうなくらいです。内輪ウケやってもいいけど、せめてEDに持って来れば……というのが正直な感想です。この企画が本当にあたると思ったのか、それとも天下のディズニーだから何をしてもいいと思ったのか、疑問の尽きないPVでした、おわり。

 

 

※本編はめちゃめちゃ面白かったことは保証します。本編の感想はこちらです。

sidelinea.hatenablog.jp

 

*1:架空の友達です。