恒例の短歌記事です。気軽に楽しんでいってください。今回は勝手に裏テーマとして「迷子」というイメージを織り交ぜております。みんなで行こう夢のネバーランド。
1. うぐいす
宵闇に紛れて彷徨ううぐいすの旅立ち どこにも行けない
2. 窓
背伸びして背中のリボンを気にかけて窓に挟んだあの子 何処に
3. 並ぶ
並ぶ傷 三軒隣のケンちゃんと背比べして勝ったあの頃
4. 水
砂糖水 ソーダにラムネと並べてもしょっぱい水には甘さが足りない
5. 海
「知っていた?いのちは海から来たんだよ」「それじゃあそのうち帰らないとね」
6. かめ
竜宮に案内しますと数千年 帰らぬかめを待つ人もなし
7. 発情
どこへでもイケルと思って交わって それは気のせい ただの発情
8. こい
逢いたくて滝の上を目指します あなたがこいと泣いているから
9. 茜さす
茜さす 昼間の匂いを追いかけて迷い込んだら夕暮れの街
10. 虹
虹色の水たまりを踏みつける 錆びの匂いが僕らのふるさと