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【洒落怖】「エスカレーターに乗っている母娘」の話

 久しぶりに「この野郎」と思う話に出会った。だから閲覧注意。

 

『エスカレーターに乗っている母娘』 - 怖い話まとめブログ

 

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 話自体は普通の幽霊話です。留学先のアパートの窓から見える地下鉄の出口のエスカレーターが夜中になると勝手に動く。ある日友達と連れの彼女がやってきて覗くと深夜にも関わらず彼女は「親子が出てきた」という。その後彼女と付き合うようになったが、急遽彼女は帰国する。やがて彼女は日本で自殺したことがわかる。そして「あの親子が追いかけてくる」と言っていたそうだ。その後彼女を連れてきた友人もその親子を見ていたと言う。最後まで語り手に親子の姿は見えなかった。

 

 まず「丸窓」っていうアイテムがいい。ただの窓ではここまで異国情緒は伝わらない。この話は全体的に異国の香りがするのも魅力のひとつです。美術の勉強と言うことで勝手にフランスだと設定したのですが、そんな「ここではないどこか」というところも話に信憑性を持たせています。

 

 そして何がひどいってオチがとにかくひどい*1。正直幽霊の存在とかどうでもよくなるオチ。ぶっちゃけ幽霊関係ないんじゃないって思わせるオチ。最低だ。あんまりだよ。この手の「最後でぶちまける系」としては『リアル』も秀逸だけど、この『エスカレーターの母娘』もなかなかに強烈だ。ちなみに自分は相当凹んだので本気で閲覧注意です。あまりの胸糞っぷりに読んだ後具合が悪くなっても知らないよ。

 

 こういう「心霊ものに見せかけてオチで心霊割と関係なくて実は人間怖い系」の話ってたまに当たるとビビるのですが、どうしても「怖い=超常現象」という図式のせいか多くの怪談に埋もれていてなかなか見つけることが出来ません。「秀逸なオチハンター」としてはもっとこういう話が増えてもいいなぁと思います。

 

*1:ここでいうひどいは褒め言葉