あのにますトライバル

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【洒落怖】「姦姦蛇螺」の話

 悪いことはしちゃいけないよ。

 

姦姦蛇螺

 

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 とっても有名どころを持ってきました。おおまかなあらすじは「DQN肝試しに呪いの封印を解いて祟られる」というところです。読み方は「かんかんだら」です。

 

 一時期めっちゃ流行った「呪われた場所に言ったら呪われちゃいましたてへぺろ」系の話です。自分はこういう話はグッと来ないんですよ。確かに「怖い」っていうのはあるけれど、「物語の怖さ」としては「恐怖の対象」を細かく描写しすぎているのかもしれないなーって思います。この辺の話はそのうち『リゾートバイト』でしようと思います。『リゾートバイト』こそ一種の「こういう話の集大成」みたいな感じがあるので。

 

 話を戻すと、まず「かんかんだら」はビジュアルが鮮烈だ。上半身が女で下半身が大蛇ってそれなんてラミア?っていう格好だ。そんなのが夜の森の中でちりんちりん鈴を鳴らしながら登場したら誰だっておしっこ漏らすと思う。でも、実は「かんかんだら」の正体よりもこの話の怖いところは「得体のしれないものを祀っている祭事」のほうだったりする。本体も十分怖いのですが、「こういう化け物の仕業じゃ」と種明かしがあるのとないのとで随分この話の印象が変わると思う。

 

 得体のしれないものに人はとにかく恐怖を覚える。もし後半の正体ばらしのパートがなければ、ただの怪文書になるけれどとにかく恐ろしいものになるんじゃないかって思う。単にBが発狂しておしまい、というパターンである。これは『竹林で』という話のパターンで、「怪現象を見ました」という報告だけが淡々とあって、その怪現象の根本的原因には触れない。触れないと言うか、わからないんだと思う。

 

 怪談は創作だから怖くないとか、そういうことでもないと思う。ただ、時代と共に恐怖の対象が「わけのわからないもの」から「強烈なビジュアルのもの」に変化して行ったんだろうな、と思うのです。

 

【参考】


いかにして『八尺様』は生まれたのか/Web怪談と現代のオカルト - デマこい!

 

 

※このシリーズは不定期で更新されます。リクエストがあれば優先的に消化します。