さよならドルバッキー

この世の裏を知ったドルバッキーは世を儚んだ。

「アナと雪の女王」を見てきたから盛大にアゲようと思う話

 見てきてやったよ「アナと雪の女王(3D吹き替え版)」! とりあえず鳥肌が立ったよ。


『アナと雪の女王』「Let It Go」(25ヵ国語Ver.) - YouTube

 いろんな理由があって「DVDになってからでいいや」と思っていたけど、同時上映の「ミッキーのミニー救出大作戦」が3Dでヤバイという話を聞いて、「これは3Dで見るしかない」と思い立ったわけです。


『ミッキーのミニー救出大作戦』特別映像 - YouTube

 この10分くらいのために行ったようなものです。

 

 感想は「映画館で見てよかった!!」に尽きます。早い話、初期ミッキーのギャグを3Dでバインバインやってしまったという感じです。もう「わらの中の七面鳥」が大音量で流れているだけで涙出そうな感じですが、その後の展開で「これだよ、こういうのが見たかったんだよ!!」と新しさの中にこみ上げる懐かしさが止まらずに映画本編の前で既にハンカチが手の中にありました。ストーリーはありません。ただただ感じるままに感じる作品でした。

 

 そして本編が始まって、「ありのーままのー♪」の前評判を打ち砕く力強い民族風の音楽に合わせて降り積もる雪の結晶。そして男たちが氷を池から切り取る勇壮なシーン。それだけです。


Frozen *Frozen Heart* HD - YouTube

 これは3Dで見て大正解でした。実際は劇場の真ん中でふんぞり返って見ていただけだけど、心の中では鼻血がドバドバ流れていました。のこぎりのじゃりじゃりする感じ、氷のツルツル滑る感じ、水のキンキンに冷えきった感じ、トナカイのもふもふした感じ。「3D映画ってここまで進化したの!!!??」と思うくらい。映像に包まれるって、こういう感じ。「かぐや姫の物語」を見たときも冒頭で春が来る直前の冷たさを感じたけど、それと違う次元でこれも「寒さ」を感じたな。あっちは繊細な寒さで、こっちはド直球の寒さ。

 

 とにかく音楽と映像に圧倒されっぱなしの100分超でした。ミュージカル仕立てだというのも、心情を不自然にならない程度に爆発させる効果としてよい演出だったと思います。「氷がキンキンツルツルする!!!」と初っ端で観客の心をぐっと掴み、その後の有名な「れりごー」のシーンに繋がる訳です。もうこのOPだけで泣きそうになって、さっそくハンカチが役に立つところでした。

 

 映画全体でいうと、予想以上に氷のシーンに凝っていて、「お前はX-MENか!!」と思うシーンも随分とありました。多分アメコミで女性アイスマンとしてパロディがもうどこかにあるに違いない。あと、登場人物の顔色にこだわっていると思った。子供の肌と大人の肌の違いやアナのほっぺに少しだけ残る幼さなど、少女から大人の女性になろうとしている感じがビンビンにキャラデザインから伝わってきました。更にスカートのヒラヒラが滑らかでコレは女児様大興奮ですわ。これは映像の大勝利。

 

 とにかく、映像と音楽に包まれるために2000円出しても惜しくない素晴らしい出来です。有名な「れりごー」のシーンも氷マジックがきれいだし、松たか子と神田沙也加の評判通りの歌唱力も堪能できたし、「これは映画館でしか体感できない経験!!!」というのがビンビンきました。オラフのコミカルな動きやスニフのもふもふはまさに非日常。是非映画館で!! 是非映画館で!!

 

 

 

 

 ≪↓以下内容について激しく言及するので鑑賞予定のある人や夢見る人は注意してください↓≫

 

 

 

 

  もともとアンデルセンの「雪の女王」ってこういう話だった気がするんですよ。

 

 悪魔がある日魔法の鏡を作りました。その鏡に姿を映したものは美しいものほど醜く映ります。悪魔はこれでいたずらを繰り返し、ある時神様を映そうとしましたが神様の光に触れた鏡は粉々に割れて、破片が地上に降り注ぎました。

 一方、地上ではカイという男の子とゲルダという女の子が仲良く暮らしていましたが、悪魔の鏡の破片がカイの目に刺さりました。その時からカイの目は美しいものが醜く見えるようになってしまいました。それまで優しかったカイはすっかり乱暴者になってしまいました。悪い心でいたずらを繰り返し、ゲルダと遊ばなくなってしまいました。その年の冬、すっかり嫌われ者になってしまったカイを見つけたのは、雪の女王でした。雪の女王は大きなそりでカイを雪の城へ連れて行ってしまいました。

 春になっても帰ってこないカイを心配して、ゲルダはカイを探しにいくことにしました。最近やってきた遠い国の王様がカイに似ていると聞いてお城に忍び込みましたが、カイではありませんでした。人違いでしたが、ゲルダに同情した王様と女王様は上等な馬車をくださいました。ところが道で山賊に襲われてしまい、馬車は取り上げられてしまいました。

 山賊の娘はゲルダが気に入り、身の上話を聞いて同情しました。すると話を聞いていた動物が「多分その子なら北の国ラップランド雪の女王のお城にいるよ」と教えてくれました。トナカイに導かれてラップランドに行くと、大きな氷の城がありました。カイはその中に捕えられていて、すっかり心が凍っていました。ゲルダはカイを見つけた喜びで涙を流しました。すると、凍っていた心と悪魔の鏡の破片が解けて、元のカイに戻りました。2人は故郷に帰り、幸せに暮らしましたとさ。

 小さいときこの話を聞いて「雪の女王ってなんで男の子をさらったんだろう」とか「悪魔の鏡って怖いな」とか「ラップランドってサランラップみたいだな」とか、そういうファンタジーな感想をたくさん持っていたんですよ。ちょっと前にNHKでもアニメやっていたし、割と神秘的なイメージのある作品なんですよ。

 

  ところがどこから持ってきたテーマなのか「姉妹愛」? アンデルセンの面影全然ないじゃん! もっと原作尊重してあげようよ!! かろうじて家臣にカイとゲルダって役名あるけど、ゲルダもっと出してあげてよ!!! キーアイテムの悪魔の鏡も存在自体がなかったことにされちゃったよ!!!! もういっそ「アンデルセンからインスパイアを受けた」とか言わないで「別物」として出してあげようよ!!! 「ラプンツェル」の時はまだ許せたけどさあ、もうプンプン!!!!

 

 「ストーリーがない」のではなく、ストーリーそのものが「雪の女王」の設定だけ借りた夢小説みたいな感じになっているのが何ともかんともです。スタートレックのメアリー・スー状態。つまりD社による盛大なやおい二次創作。「ダブルヒロインにしたのは企画の途中から」という話も聞いたけど、どうにもしっくりこない。

雪の女王って孤独な女性だと思うだよね~」

「あーそれわかるわー単なる悪役にするのもったいないっていうか?」

「実は妹がいて、姉妹愛とかあったらちょー萌えるよねー」

「そうそうオトコなんていらないよねー」

「ねー!!」

 脚本がそんなノリから出発している感じが否めません。そうでないと序盤のエルサの待遇の悪さが説明できません。王様と女王様、娘を閉じ込めるとかしないでももっとナントカできたんじゃないの? 子供の面倒なところを見なかったことにして放置した結果、家庭内暴力をふるってグレて出て行った家庭じゃないか。別にあれだけ原作無視したオリジナル設定だったらもっと納得できるような制限かけてもよかったんじゃないの? 例えばトロールがもっときつく閉じ込めるようアドバイスするとか、それこそヴィランズに脅されるとか、この辺をふわっとしてしまったから後が続かない。子供向けにしてももう少し何とかならなかったのか。なんかこの辺は「離婚や家庭不和で親から愛されなかった子供がコミュ障になって引きこもる」みたいな感じを受けたのでアメリカではこういうのが肌で感じられる社会問題なのかもしれない。

 

  まあD社が「自立する女性=プリンセス」のお題目を立てるのは今に始まった話じゃないし、「リトル・マーメイド」の時点で相当元の話を捻じ曲げるのは知っていたよ。音楽や作画は圧倒的に大好きなんだよ。でも、どうしてそこだけはいつもいつも残念なんだろう。「ヘラクレス」しかり、「ラプンツェル」しかり。なんつーか、D社は元作品に対する敬意というより「どうだい俺の色に染めてやったぜヒャッハー!」という感じがぬぐえなくて辛い。そんでD社色に染められた子供たちがアンデルセンを読んで「アナは本当はいなかったの?」とか「エルサは悪者じゃないもん!」とか言いだすんだよ。実際「人魚姫は王子様と結婚して幸せに暮らしましたとさ」だと思っている子供もいるんだよ。そろそろマッチ売りの少女は最後には王子様と結婚したり、赤い靴を履いたカーレンは自立してキャリアウーマンになるんだよ。

 

 あと「真実の愛」がどうこうってイベントが少なくて、もっと「愛とは何か」を一生懸命追究すればよかったのになー、と思った。自分の存在を捨ててまで過去にまで遡って救済の手を差し伸べるとか、悪魔になってでも概念になった友達を引きずり出して人間の姿を取り戻させるとか、そこまでしなくてももう少し何とかならなかったのかなー。「真実の愛は異性? 同性の姉妹だって成り立っちゃうもんねー意外でしょ?」みたいな作風がアメリカでは受けるんだろうか。ドラえもんのしずかちゃんすら性格を捻じ曲げる国だからきっとそうなんだろうな。

 

 つまり、映像と音楽とコミカルなD節を詰め込んだら全体的なストーリーの整合性をどこかに忘れてきてしまったというところでしょうか。もう設定が二次創作レベルなんだから正直ストーリーがないのは当たり前。オリジナル作品の「シュガーラッシュ」は面白かったんだけどなあ。やっぱり「原作」があると難しいね、表現って。

 

 作品自体の細かいテーマは関しては別のところで書くとして、ストーリーの外側の印象はそんな感じです。中身の話をすると「石の花」とか絡めたいし、また今度。

 

【追記】

 ストーリーの中身についての話出来ました。

 傍線部Aより愛を込めて 感想「アナと雪の女王」

 

【おまけ】探したらやっぱりあった「エルサ=XーMEN」画像。

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 Elsa the Snow Queen joins the X-Men! | moviepilot.com

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